343 安全欲求

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経営コラム SOLID AS FAITH 第343号
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 ご愛読ありがとうございます。第343話をお届けします。

 三月ぐらいから、映画館に足を運ぶことが増えています。春休み映画、GW映
画の大作はあまり含まれていないのですが、「これは見ておかねば!」と奮い
立たせるネタが含まれている映画がやたらに多くて困ってしまいます。

 言い訳ではありませんが、そこそこ直接的に普段のクライアント先での仕事
に役立つ内容のものもあります。さらに、映画館での若者の観察が、キミカン
の脚本書きにも、最近書いた就活中の女子大生を描く電子書籍のアウトライン
作りにも、間違いなく役に立っているなあと感じたりもします。近日中にこの
ようなネタも当コラムに登場するかと思いますので、ご期待下さい。

 弊社で株式会社KIHパートナーズ様に企画を持ち込み、昨年から仕込んでき
た、業界団体DBがとうとうネット上にアップされました。日本語版は就活学生
の業界研究支援サイトとして、英語版は海外企業の日本への投資・市場進出に
対する支援サイトとして、漸く完成しました。今後、この二サイトのマーケテ
ィングを進めていく仕事が待っています。PR欄に二サイトを紹介しております
ので、是非、ご高覧下さい。
 
 今回は『安全欲求』と題して、弊社のクライアント企業との関係性について、
或る社長のご評価から考えてみる内容をお届けします。自社の付加価値を常に
省みるように心掛けていますが、今回の内容はその延長線上にあります。それ
では、本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想な
どへのお返事の目標納期は5営業日!!

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その343:安全欲求

「ソ連の軍隊は指揮も高く優秀だ、最新鋭の戦車はおそるべき性能を持ってい
るという内容のレポートばかりで、もっと調べるための予算が必要だと要求し
てきていたのです」。
「実際、ソ連・東欧圏が崩壊してから、これらの諸国がいかに脆弱な経済基盤
の上で、精一杯虚勢を張って軍備を増強してきたのかが、白日のもとにさらけ
出された。だが、スパイたちは崩壊直前まで『ソ連・東欧圏の軍備は強大で士
気も旺盛だ。今攻めこまれたら、西側諸国は大変な被害を受ける』と言うよう
なウソで固めた情報を流し続けていた。正直に本当のことを報告したら、自分
達の存在自体が不必要と見なされるリスクがあまりにも大きかったからだ」。
 増田悦佐が日下公人の書籍の中に見つけた、ソ連に送り込まれた西側からの
スパイ達についての言及。
 
 買い手が不安に感じていることを潜在ニーズと看做し、それを言い当て顕在
化することは、売り手の商品や役務の付加価値を劇的に上昇させる。買い手自
身がそれを自覚して購買を決断すれば、買い手が感じる満足感は大幅に増大す
る。「ご主人に万一のことがあったらと考えると…」、「東日本大震災で宮城
県の住宅のケースを考えると保証はやはり…」。そんな言葉を口にする保険営
業担当者をイメージしてもらうようにすると、付加価値とお客様満足の両者増
大の原理の説明は楽にできる。万が一程度の不安がタネであっても、付加価値
増大策は買い手に喜ばれる。では、日下公人の描いたソ連軍は万が一にも攻め
て来ないとして、スパイ達は付加価値の増大に成功したのだろうか。
 
 或るクライアント企業を訪れたら、幹部がぼそりと私に呟いた。
「この前の会議で、社長が市川さんから見習うべきポイントと言う議題を設定
して議論させたんですよ。社長が思っていることを皆当てられなくて、かなり
怒られましたよ」。

 答えを尋ねると、「市川さんには私心がない。業務の負荷や参加メンバーの
状況から、勉強会を中断するか頻度を大幅に下げたほうが良いのではないかと
言ってきた。自分が儲からなくなる提案を求めもしないうちから平然としてき
た。なかなかできないこと」なのだそうだ。そう言えばそのようなことを、社
長に伝えたことがある。アウトソース仕事を依頼する第一義的な動機は、自社
でやりたくないからという漠然としたもの。私のサービスは特段高いノウハウ
も含まず、パート社員一人ぐらいと喩えられるコストも馬鹿安い訳ではない。
無理強いすれば暫時延長できるかもしれない。しかし、長く維持する営業力を
持ち合わせていないことは自分でよく分かっている。

 ありとあらゆる適性試験が、自分の営業力が幼稚なレベルと示すので、オン
もオフもあったものではない。企画を売る商売の企画。企画屋なので、正に仕
事も遊びもそっちのけで、あれこれ企画の提案ネタを探している。
 
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

弊社の提案から、
株式会社KIHパートナーズ様にて弊社代表の市川が嘱託になり、
進めてきたプロジェクトが、とうとうキックオフです。

プロジェクトの目的は、
日本の各種業界団体の紹介と活用を振興することです。

まずは各種業界団体のDBをネット上に上げました。
約2000の業界団体を紹介する類例ない業界団体DBです!

■日本語版 業界団体DB
『逆襲の就活』
 就活学生が業界研究を核にして行なう
 新しく効果的な就活プロセスを紹介するサイトです。
http://shu-katsu.me/

■英語版 業界団体DB
『Japan Business Connection』
 海外企業の日本への投資や市場進出にあたって
 業界研究の素材を紹介するサイトです。
http://jb-c.org/

両サイト共に、
ビジネスの提携先を募集中です。
提携・連携などのご提案、お待ちしております。

ご連絡は下のメールアドレスまで。
ichikawa@kihpartners.com

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『日本で働くのは本当に損なのか』 海老原嗣生 著
■『歴史をつかむ技法』  山本博文 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け15年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
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 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
 第344話 『開口譚』 (5月25日発行) 
 作業標準書の作成プロセスを敢えて完結しないようにしてみました。第38話
『完成の結末』の発想に従った、奇妙に思われたアプローチの顛末を、珍しく
起承転結なしの文章でお届けします。

(完)