『テルマエ・ロマエII』番外編@小樽

GW前の日曜日、娘と二人で「良い風呂」の日(4月26日)の封切の翌日、本作を小樽の映画館に観に行きました。第一作を二人で観たので、第二作を観るかと尋ねると、二つ返事で行くと言いました。一日四回の上映の二回目。12時ちょっと過ぎからの回です。

シアターの中は老若男女ごちゃごちゃの観客で、この地方都市の映画館にしては、それなりの入りでしたが、それでも全席数の半分も埋まっていませんでした。シアターに入る前のチケットカウンターでは、ベルト・パーティションが大活躍の行列でしたが、子供も多かったので、多分、スパイダーマンやドラえもん、コナン、クレヨンしんちゃん、仮面ライダー、さらに以前娘とここで観たプリキュア・オールスターズなど目白押しの子供映画が目当てだったことと思います。

どうしてもシリーズ第一作に比べてみたくなります。第一作に比べて、物語性が薄まったように感じられます。原作にはない、上戸彩が演じる売れない漫画家の女性がドラマ部分の核となっているのですが、第一作ではほぼ主人公のようなドタバタ振りでした。第二作では、前半が阿部寛演じるテルマエ技師ルシウスのアイディアの枯渇が何度ものタイム・スリップを起こすネタ満載の展開です。後半は上戸彩がローマ帝国時代に行ってしまい、ルシウスは政争に巻き込まれ、おまけに相撲の力士までが大量にローマ時代にタイム・スリップしたドラマ性の高い展開になっています。第一作に比べて後半にドラマ性が集中したせいで、全体としては笑えるネタの比重が上がっているように思えます。

上戸彩は悪くないのですが、どうも、私は前半の究極のカルチャー・ギャップの描写の方が面白く観られます。その意味で、全体としては高評価ですが、映画の後味を決める後半部分が、政争劇になっているので、鑑賞後の感想は今一つになった感じがします。ウォータースライダーや樽風呂などのルシウスの反応は、最高に面白いですし、自動のトイレなどの仕組みを見て、裏で奴隷が人力で働いているのだろうとルシウスが想像する場面も、かなり笑えます。楽しいです。

ただ、前作の枠組みをきちんと踏襲したが故に、これらのネタが或る程度想定できるものであるのも事実で、その意味では、第一作での笑いのインパクトを超えるものではないという見方もできます。外れなく面白いのですが、驚きが少ないという気もします。パンフレットで誰かが言っている通り、第一作と第二作の二本で一本の映画としてみると楽しいように思えます。

第一作がコミック全6巻の第1巻を展開し、第二作は一気に第2巻から第6巻をネタにして、完結編の位置づけになっているとパンフには書かれています。ポスターは『スター・ウォーズ』のオマージュになっていますし、パンフの表2には見開きで『ターミネーター』のように仁王立ちの阿部寛の横に“I’m back.”と書かれています。このパロディ感も十分『テルマエ・ロマエ』の世界観やテイストとして成立したように感じます。前作の感想でも書いた通り、色々なジャンルの切り口での秀逸さを持つ、独自の映画に思えます。

文化的な映画として、相撲協会も全面協力をし、滅多に楽曲提供をしない世界的テノール歌手が協力を申し出たなど、大規模な映画に成長した『テルマエ・ロマエ』。ブルガリアでのロケも大規模なものであったとパンフに書かれています。『スター・ウォーズ』や『ターミネーター』の比肩すると言っても、確かに一応頷けそうな気がします。しかし、最も注目すべきは、このような文化的に高評価な物語が、日本ではコミックから始まっているということです。日本以外のどこの文化に、このようなレベルの高いマンガがあり、それが映画化されて世界から評価を受けるということがあるのかと考えると、この作品の存在意義の大きさが実感されます。DVDは当然ゲットです。