338 ざらついた記憶

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経営コラム SOLID AS FAITH 第338号
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 ご愛読ありがとうございます。第338話をお届けします。

 東京でも大雪が何度も降り、その中でもかなりまともに動いていた新幹線に
乗って、伊豆の仕事などに出かけていました。規模が小さい案件、スポット案
件を最近幾つか頂戴して、手を抜かず個別に色々考えを練って対応しておりま
す。そのような仕事で気付いたことや学んだことが、いつかまたこのコラムに
反映されるものと思います。ご期待下さい。

 前号は創刊以来、通常号で最長のPR欄になりましたが、今号はその中でも、
週刊プレイボーイにまで取り上げていただいた、私の初の脚本作品『君と僕の
完璧な世界 有村千佳』(通称『キミカン』)の話に絞ってPR欄を構成いたし
ました。是非、ご高覧下さい。
 
 今号は『ざらついた記憶』と題して、記憶に残る物事の条件のようなものを
探ってみます。内容は嘗て話題になった第64話『犬の記憶』に通底するものだ
と思います。お楽しみにただければ幸いです。本文に対するご意見・ご感想を
お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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第64話『犬の記憶』 http://tales.msi-group.org/?p=112
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その338:ざらついた記憶

 あちゃ?と私は勉強会の参加者六人ほどを前に苦笑した。自社サイトの運用
改善をテーマにする勉強会で、私が前に立ちホワイトボードに書いた言葉はユ
ーザビリティ。中小零細企業のIT活用支援を生業にする元弟子によれば、ISO
規準までユーザビリティに関して存在するという。そんな聞きかじりの前提を
ベースに、サイトの構成を論ずるならこの視点が必要と意気込んで書いたもの
の、ふと思い出したのは、私のサイトを読んでくるように言った数回前のテー
マ。
 
 私のサイトは文字だらけである。写真一つ、イラスト一つありもしない。1
ページが、印刷すると3ページに及ぶなどざらにある。差別化や営業改善など
の定番のネタは、書くことが多いので、1ページを大項目ごとに割り当てて、
ウェブ上で3、4ページ。印刷すると10枚前後になる。私は自分のドメインに
納まる仕事は取り敢えず引き受ける。それを分かり易い筈の目的別分類にして
みたら、その分類ごとの説明も膨らむ。さらに説明の中に、色々な経営学者の
説やら論やらが混じり込む。クライアント企業の経営者から、「ネット上のド
ン・キホーテ状態」と揶揄されるのも頷ける。ユーザビリティに全く縁遠い。

「うちのサイトはちゃんと目的があって、ユーザビリティ全く無視になってい
るんだけどね」と、慌てて勉強会参加者に説明した話を、私が役員を務める小
売店運営会社社長に苦笑しながら語って聞かせた。「そりゃあ、“入り易い店
は、出易い店”って言うのと一緒でしょ」と、社長は箴言をあっさり言う。な
るほどと私は頷いて、うちのサイトを閲覧したクライアント関係者や名刺交換
後の人々の話を思い出す。あちこちクリックしてサイト内を彷徨する人。何度
も訪問して尚、読んだ部分が分からず、同じ話を何度も読み返している人。思
い返して噴出してしまった。

 翌日、以前名刺交換した社長の会社を訪ねてみた。社長は私の中小企業の経
営観が非常にユニークで、また聞いてみたいと思っていたと仰った。大手企業
で採用される多くの経営論や経営技術は、公器たる企業のあり方に拘束されて
いると私は感じている。だから、組織統制やコンプライアンス、CSRなど、
大手企業なら常に念頭におくようなことを、二の次、三の次にして、中小零細
企業の経営を考えている。その結果は、当然、世の中の多くの経営情報なるも
のの内容とは異なるだろう。

「先週言ってた、うちのサイトがユーザビリティを無視して狙っていることを
ちょっと説明しておきますね」と、翌週のサイト運用改善の勉強会の冒頭に告
げて、キュレーションについて語ってみる。私が何を自分にインプットし、何
の規準で、何をアウトプットとしているか。私の仕事に関心を持った人々が抱
いて欲しい記憶について二十分程度の駆け足の説明をしてみた。そして、結局、
差別化に話は行き着いた。
 
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR 第一弾】

クライアントの映像メーカーさんで検討された作品の脚本を
弊社代表の市川が、なりゆき的に書きました!
かなりおこがましいですが、一応、脚本家デビュー作です!

二月初旬の週刊プレイボーイでも取り上げられました。

『君と僕の完璧な世界 有村千佳』
 http://waniche.jp/kimikan

テレビ・映画に恋愛ドラマは数多くありますが、
完全主観で、主人公(?)の男性は画像に登場せず、台詞もありません。
胸キュンの恋愛をRPG感覚でお楽しめる作品はなかなか見当りません。

そして、行きつくところは、定番の流れから敢えて外して、
近年、スマホアプリで大人気のオンナノコ催眠による、
「エッチよりも気持ちいい二人だけの秘密の体験」です!

パッケージに貼られた
「エッチなことはしていません」と言う目立つシールが目印!

噂の自律訓練法の簡単バージョンを採用しているので、
条件を整えれば、催眠によるリラックス効果も本当にあります。
観る者に催眠を掛ける(多分)初の実写ドラマです!!

「自律訓練法」meets「胸キュン恋愛ドラマ」feat.「RPG感覚」。
是非、お試し下さい。

2月15日からアマゾンなどで発売開始。詳細はこちらから↓
 http://waniche.jp/kimikan

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『また一歩、お客様のニーズに近づく』 大久保恒夫 著
■『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』 宮田律 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第339話 『Tの考察』 シリーズ『ワン・エイトゥス・ワンダー』(1)
 (3月10日発行) 
 三話連続シリーズで、会議の効率化について考えてみます。過去にもシリー
ズものは多々ありますが、本文表現にまでシリーズ性を持ち込んだのは今回が
初めてです。ご期待下さい。

(完)