332 収納名人

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経営コラム SOLID AS FAITH 第332号
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 ご愛読ありがとうございます。第332話をお届けします。

 どんどん寒くなってまいりました。当コラムも今号をいれて、年内あと三回
の発行です。押し迫る年の瀬のなか、ぽつぽつと新規案件のお引き合いを頂戴
しております。とてもありがたいことと受け止めております。以前、当コラム
でも報告致しました、来年の或るサイトの立上げは、その準備作業量の膨大さ
に辟易しながら、ちまちまと作業を進めております。さらに来年には、頂戴す
る案件とは別に、自分から仕掛けるようなスタンスの幾つかの新しい仕事が立
ち上がります。仕込みの作業が多く、柄にもなく時間管理を多少意識するよう
になりました。

 この号が皆様のお手許に届く頃には、弊社代表の市川は誕生日を迎え終わり、
半世紀生きたことになっています。誕生日は米国でケネディ大統領が暗殺され
た当日です。四半世紀の25年前以上に、米国では何かのイベントなどが催され、
報道されていることと思います。
 
 子供の頃には病気や怪我ばかりで、入院したときに医師から「こんなに体が
弱かったら、55まで生きられない」と言われたことがありますが、現状何とか
大きな支障なく働いております。その間に平均寿命も延び、昔の50代ぐらいに
多くの60代が見えるように男性も女性も若返ったように思えます。仮に65歳
に引退するとしたら、独立してからの商売は丁度折り返し地点になりました。
特に新規事業を意識して始めた訳でもありませんが、弊社でも弊社なりの事業
内容の変化が起きているのは間違いありません。特に目標や理想を掲げること
もなく、ただ依頼を下さるお客様のご要望に対応することだけに注力する中で、
新たな可能性が広がったことを省みると感慨が湧きます。
 
 さて、今回の号は、第152話『動機の圧搾』の続編とも言える内容です。知
見や経験への貪欲さについて考えてみました。かなり練りこんだ、文章構成の
面で気に入っている号です。一緒にお楽しみいただければ幸いです。本文に対
するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の
目標納期は5営業日!!
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第152話『動機の圧搾』
 http://tales.msi-group.org/?p=205
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その332:収納名人

「あ、そうか。そうですね。そう言えばニーズと欲求って結局一緒ですもんね」。
 勉強会の参加者達数人が「おおっ」と言う感じで頷いている。この勉強会で
は若手営業社員に、彼らが仕事遂行の上で必要となりそうなことは、何でもテ
ーマにして自分達で学ぶようにして貰っている。マーケティング・プランを書
籍で学んだばかりの彼らに、具体的な行動計画を、マーケティング・プランを
ベースに作ってもらうと、妙に「ニーズ」欄に書かれた内容が当り前すぎる。
自社の商品を欲しいと言うニーズなどと書いている。マズローとかアルダファ
でやった階段状の欲求のどれかを使って説明したら、どうなるかと尋ねてみた。
 
 今のテーマは、マーケティング原理の営業活動への応用。マズローやアルダ
ファが登場したのは人材採用から調達までを考えるテーマのとき。自分達の後
輩たちの育成担当になったときの留意点について皆で議論した場面。どちらも
人を絆すことを基本に捉えると、同じように考えられると気付いている参加者
はいなかった。
 
 第152話『動機の圧搾』に登場した女性診断士と久々に食事をした。
「彼女によると『良い物をたくさん見ること』と『自分の好みから冒険して、
身銭を切って幅広く買ってみること』が、ファッションの要諦であるらしい。
下着を手に取っては、まじまじと見ている。『ドレッサーに全部入れてみて、
時々、とっかえひっかえ出しては、それを身に着けている自分とTPOを想像
すると、いつかそうなってやろうと言う“やる気”が貯まって、どんどん面白
くなる』と言う」。
 最近持ち歩く薄型ノートPCでブログのページを開き、文章を読み上げる。
そんなこともあったねぇと言う彼女に、これは含蓄あるよと私は頷いてみせる。
今でもこんな感じか尋ねると、結婚して初めての子育てに忙しく、そんな余裕
はないと彼女は屈託なく笑った。

 勉強会を開く決断をする社長は、社員に「良いものを沢山見せよう」とし、
「新たな考え方に自ら冒険して挑むこと」を期待する。そして「得た知識を、
現場でとっかえひっかえ出して試してみては、その妥当性を検証する」ことが
最終目標。

 こちらが手間をかけて準備して、良い服をたくさん出して与えると、皆飛び
ついてくる。けれども自分で悩み抜いて買った服でないと執着が足りない。取
り敢えず、目的のお出掛けに着回すと、それで安心してきちんとドレッサーに
しまうこともなく、そこらに脱ぎ捨ててしまう。着こなすこともしないままに
思い出せなくなった服は最早着られない。最近、人間が得る情報のインプット
とアウトプットがうまく結びつかない事象をみると、何か「身体性に問題があ
るってことかぁ」と思い浮かぶ。
 
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

ここ数年、ネタとして熟成させてきたお客様満足。

外国人から見た日本のお客様満足のあり方をリンクトインで議論したり、
ホスピタリティとサービスのあり方を店舗で検証したり、
製造業の営業担当者が付加価値として追求するお客様満足を議論したり…。

そんな活動の集大成的な内容を盛り込んで
伊豆の大手病院施設で働く人々に対して、
「組織で実現するホスピタリティ」をコンセプトに、
落語のような感じでお題を4つ用意して、
その場で選んでいただいたお好みのお題について
参加者の体験談を端緒にして、話し聞かせる会を
無事、終了いたしました。

講演会でもなく、セミナーでもない、
まして研修でもない。
普通に働いている施設の現場で働く人々に、
施設の外で自分自身も当り前に持っている買い手の価値観で
普段の仕事を見直していただく、お話し会でした。

4つのテーマは…
 1)けっこう簡単にできる“気持ちいい空間”づくりのための
   空気やらオーラやらの出し方
 2)こころづかいでも、オモテナシでもない、
   誤解されている「ホスピタリティ」の本当
 3)“おばちゃん”ばかりの牛丼店と
   中国人ばかりの中華料理店に見る「求められる人」の条件
 4)ヒーローも専門家も要らない。優れたチームや組織を作るコツ

参加者のアンケートでも非常に評価が高く、
ご依頼企業の幹部の方からも、大好評を戴き、安堵しております。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『身体知』 内田樹・三砂ちづる 共著
■『ケインズはこう言った』 高橋伸彰 著

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
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毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け15年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
 第333話 『役員の有能化』 (12月10日発行) 
 中小企業組織の現場で、結構好きなピーターの法則を真面目に考えてみまし
た。ご期待下さい。

(完)