330 足りない盛り付け

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経営コラム SOLID AS FAITH 第330号
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ご愛読ありがとうございます。第330話をお届けします。

もう一ヶ月越しで寛解感が出てこない風邪は、咳だけがしつこく残ったのと、
少々疲れやすいぐらいの状態で留まっています。仕事は溜まる一方なので、ア
ポをこなしつつ、PC仕事なども滞留している分にいそいそと取り組んでおり
ます。

あれだけ暑い日がつい数ヶ月前まで続いたのに、札幌ではいつも10月に見る
ことの少ないユキムシが飛び交うようになりました。ユキムシが飛ぶと一週間
ぐらいで雪が降ると言われています。道東では先日の台風26号と同時期に(降
雪ではなく、)積雪を観測したと聞きました。急激に秋が終わりに近づいてい
るように感じますが、皆様、如何お過ごしでしょうか。今年も、当コラムの周
年記念特別号の季節になりました。今年ははやくも14周年です。今号が皆様の
お手許に届くと、その6日後に長い特別号がどんと届くことと思います。PR
欄にて内容紹介をしておりますので、ご笑覧下さい。

さて、今回の号は『足りない盛り付け』と題して、個人の情報発信とそのコ
ンテンツについて考えて見たものです。最近、ソーシャル系のコンサルタント
や事業者から「続けられないような情報発信は最初からしないほうが良い」と
言う意見を聞きます。その通りだと思いますが、発信頻度や量の問題は当然と
して、コンテンツの質も維持できるかどうかは大きな問題です。

面白いことに、質を維持するために仕事以外の「オフの時間の充実」が重要
と説く人々にも何人か遭遇しました。私は「情報発信」にも「オフの時間の充
実」にも、ノリ良くついて行けない方なので、考えたことをまとめてみたのが、
今回の号です。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴した
ご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その330:足りない盛り付け

「やっぱり、情報発信にはオフの時間の充実って大事だと思うんです。市川さ
んは休みには何をやっているんですか」と休憩時間にクライアントの若手社員
が私に尋ねる。「エイジ・オブ・エンパイアを何度もやったり、家の近くで自
転車を乗り回したり…」と答えるべきか、「自営業者なので、休みと言えばい
つも休みみたいなもんだし、仕事と言えばいつも仕事のようなもんですから…」
と答えるべきか、私は懊悩してしまう。

未経験でフィルム屋の職を得た時、マーケティング部長が、「マーケティン
グを真剣にやると、寝ても醒めてもどうやって売るかばかり考えて、四六時中
仕事になりますよ。覚悟してください」などと言っているのを聞いても、当時
の私は半信半疑だった。けれども、ありとあらゆる広告を見ては、そのコスト
・パフォーマンスはどんなものかと想像するようになるのに時間はかからな
かった。什器を見ればシャメもない時代に外観をノートにデッサンしてサイズ
を測った。

さらに転職して、ビジネス誌の編集者になった。中小企業と言う中小企業の
沿革も社長の言動もビジネス・モデルも答えが分かるまで夢想する習慣がつい
た。ニュースの言葉や外来ビジネス用語を見れば、典型的中小企業の社員向け
の表現の置換が脳内で勝手に行なわれるようになった。さらに人材ビジネスの
企画屋としてなし崩し的に独立することになると、会う人々全員の仕事観とキ
ャリアに想像を巡らす習慣がすぐできた。テレビを見ても街を歩いても、何を
していてもその類の話題が口をついて出る。会社員時代から、あの部長の予言
の如く、仕事だのオフの時間だのはぐちゃぐちゃに交じり合ってしまっている。

ワーク・ライフ・バランスが巷で流行って数年。オフの時間の充実が大事だ
と人々が言うようになった。そして、ブログもフェイスブックも、ツィッター
もと、“ソーシャル”な受け皿がどんどん増殖して、私にはまだ得心できない
何かの理由で人々は情報を不特定多数の人々に発信したがるようになった。江
戸時代に比べて世の中の発信される情報量は数千倍などと言う話を聞いたこと
がある。しかし、情報をインプットしてきちんと処理できる能力が格段に伸び
たとは思えない。失われた膨大な語彙を見ると、かの時代の人々が質の高いス
トック情報を有していたであろうことが想像できる。薄っぺらい情報のフロー
が増えても、頭で有意に処理できる情報量は変わらない。仕事とオフとで領域
を分ければ情報も二分される。おまけに受け皿は増える一方なので、皿ごとの
情報の質と量のどちらかか、両方が損なわれるのは自明だろう。

休みに私は何をしているか。「寝てます」が最尤で妥当な答えと思えてきた。
オフも何も関係なく、寝ているとき以外はどんどん使えそうなネタが頭に貯ま
る。起きている間に入った情報は睡眠中に脳内で処理されると何かで読んだ。
貯まれば、いつかそれは、後続情報とつながって意味を為す。それを待ってい
ても、皿が少なければ配膳には全然困らない。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

とうとう今月末日発行に迫ったソリアズの14周年記念特別号
過去のソリアズ通常号の内容をテキスト・マイニングで分析して、
出現頻度の高かった三カテゴリーから、一つを厳選。
それをテーマに、周年記念特別号を構成してみました。

テーマはズバリ、本。
ソリアズと本、
合資会社MSIグループと本、そして、
組織強化と本。

考えてみると、
通常号の中で、最近読んだ本を紹介してきたことはありましたが、
周年記念特別号では、ありそうでなかったテーマ設定です。

発行は例年通り、10月末日。
目次だけ、ちらりとご紹介します。

1 ご挨拶
2 推書の部
3 市川の仕事観がわかる 著者ベスト10…の半分(前編)
4 選書の部
5 市川の仕事観がわかる 著者ベスト10…の半分(後編)
6 編書の部
7 テキストの発掘 ?おわりに?
8 あとがき

発行まであと6日!
ご期待下さい。

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まずもうすぐまる14年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
第331話 『臆断の虜囚』 (11月10日発行)
ネットでの購買増加が実店舗の売上を酷く圧迫しているという話を耳にする
と、小売店運営会社の役員として、どうそれを捉えるべきか考え込みます。今
の考えをまとめてみました。

(完)