1周年記念特別号

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経営コラム SOLID AS FAITH 1周年記念特別号
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目次
1 ご挨拶
2 舞台裏(1)「メイキング オブ SOLID AS FAITH 」
3 読者が選ぶベスト10
4 著者が選ぶタイトルベスト5
5 舞台裏(2)「ジェットコースターと深代惇郎」
6 舞台裏(3)「今後の計画」
7 あとがき
解説
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☆注意:今号は経営に関する何らの示唆も含まれていない「お祭り」号です。
不躾ながら、不要の方は、読まずに削除して下さるようお願い申し上げます。
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1 ご挨拶

とうとう、1年が経ってしまいました。みなさん、ここまでご愛読いただき
ありがとうございます。感謝・感激です。今までの号のあちらこちらで書いて
いるように、パソコンがらみ、ITがらみは苦手で、メールマガジンなるもの
をこんなに続けられるとは思っていませんでした。
本当に読者のみなさまの支えあってのことだと思っています。ありがとうご
ざいます。1周年記念特別号をお送りします。

製作の舞台裏の話や読者のみなさんからいただいたベスト3の集計結果など
を、寄稿してもらった解説も交えて一種の「お祭り的読者サービス号」(?)
を作ってみました。盛り沢山です。(多少の自己陶酔的色彩はご容赦下さい。)
そして長いです。

いままで、少なくとも数号は読んでいただいた読者の方で、「どんな奴がこ
れ書いてんだろ?」と疑問に少しでも思ってくださった方なら、多少は楽しめ
る中味ではないかと思います。また、今後の号をお楽しみいただく視点が混じ
っているかと存じます。では、参ります!
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2 舞台裏(1)「メイキング オブ SOLID AS FAITH 」

「頭ン中、どんな風になっているの?」と文章を読んだ友人から言われ、先日
は私が愛読するメルマガ「ロジスティクスコンサルタントの日記」(まぐまぐ
ID 0000006383)の著者である花房先生からも「文章と本人のイメージがかけ
離れていて、二重人格かと思った」と面と向かって言われてしまいました。そこ
で、どんな風に SOLID AS FAITH を作っているかを紹介することにしました。

●行程1
いつもの如く、きょろきょろしながら、毎日を過ごす。(このため、デパ地
下・歓楽街などでは客引きにひっかかることしきり。)また、本屋で立ち読み
したり、経費で落として買った本をまじめに読む。仕事で会った経営者やコン
サルタントの方の話を、中味より口調や言葉尻に注意しつつ聞く。

●行程2
「ふ~ん、なるほど」とか「はあ?なんかおかしいんじゃないの」と思ったこ
とを断片的に記憶しておく。「KJ法」の第一段階を要領悪くやっている感じ
のプロセス。

●行程3
発行前原稿の適正在庫量(常時20話)を実在庫が下回ったら、重い腰を上げ
て、さらに1~2日無為に過ごす。

●行程4
行程2で発生したふわふわ頭の中に浮いている感じの断片的エピソードから、
「それってにてることだよな」と自分で思える任意の二つを、トランプの「神
経衰弱」的に思考錯誤しつつ選ぶ。

●行程5
その二つのうち、一つを文章の「起」・「承」に、もう一方を「転」に配置
して文章を書き、行程4で考えた「にてる」点を煮詰めて「結」に配置する。

●行程6
作業は大抵夜中にするので、翌朝、嫁さんに文章を読ませて、一応意見を聞
く。最低限おかしな点をその場で修正する。

●行程7
4話書き溜めては、嫁さんに発表順を決めてもらう。

●行程8
時たま読み返しては、結構ラジカルに推敲する。

●行程9
発行原稿を作り、予告部分を考える。そして発行!
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3 読者が選ぶベスト10

ご投票にご協力、ありがとうございました。みなさんからいただいた順位を
適宜点数換算して、ベスト10を決めました。発行号数もまだ少なく、質に偏り
があるのか、同着が多くなってしまいました。上位に古い号が多いのが私の反
省点です。

第1位
「自販機のある生活」(第3話)
「自販機のある生活」は、読後感のメールがどっと寄せられ、私が驚嘆させら
れた文章です。ダントツ1位だと予想していました。トッテン氏にお会いして、
私が抱いていた考えに裏づけを得たので、書くことにしたのですが、読者の方
に喜んでいただいて嬉しく思います。

第2位
「生活のリズム」(第2話)
この文章は、自分の生活上の好み・スタイルを前面に押し出した初めての文
章で、このテイストが嫌であったのでしょうが、第2話にして発行直後に読者
数がかなり落ちました。その後の発行を前に、ある種の試金石・冒険でした。
ベスト3の投票では、そのあくの強さからか盛返し、この結果となりました。

第3位
「雑用に勤しむ社員」(第10話)
発行の当初から、「いつか料理してやろう」と練りに練っていた私の体験談
をもとに、やっと10話目にして発行に漕ぎ着けた感じです。私を指導した係長
の話が、読者のみなさまの日常と重なるところが多かったのか、大変ご好評を
得ました。発行後の感想が第3話に次いで多かった文章です。

第4位
「反復の自由」(第1話)
色々な意味で、当コラムの原点と言える文章です。コラムのタイトルも決ま
っていない時に、まず書いてみて、友人達に見せたところ、「あ~、言いたい
ことは分かるけどねぇ」とあまり評判芳しくなく、ドキドキ半分、なげやり半
分にこのコラムは始まりました。
今でもなお、お会いする経営者の言葉の中に、この文章に通じる疑問や懐疑
を抱くことがあります。二度と巡り来ない「とき」の重要さ、だからこそ、そ
れを何に費やすかを自分で決めることの重要さ。こんなことを考えるための文
章です。

第5位(同着2話)
「売るべきもの」(第6話)&「個性ある社員」(第7話)
今後もテーマによく取り上げてゆくことになりますが、社員教育はヒト資源
が肝心な中小企業において、ますますその重要性を増すことだと考えました。
その意味で、「売るべきもの」は、(完璧とは言えないままに発行してしまい
ましたが)読みやすさの追求に腐心した文章です。
「個性ある社員」は発行直後のご感想こそ余りいただけませんでしたが、その
後いただくメールなどで、「私も性格が不自由な人間なので…」のような表現
をお使いになる方が続出し、この話のインパクトの大きさを実感した次第です。

(第7位以降、解説略)
第7位:「虹を追う者」(第8話)
第7位:「荒野のベニヤ板」(第19話)
第9位:「海を囲む砦」(第24話)
第10位:「「ありがたい」もの」(第11話)

以上、第10位までの発表でした。ご投票いただいた皆様、本当にありがとう
ございました。お気に入りの文章はランキングされていたでしょうか。ランキ
ング内容についてご不満の方は、是非、ご一報下さい。
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4 著者が選ぶタイトルベスト5

感想をいただくと同時に、その号に対する私の感想をお尋ねいただくことが
あります。書きたいことを書いているつもりなので、あまり内容的評価が自分
の中で割れたり、ばらつくことはありません。
ただ、タイトルだけは別です。タイトルは本文を作るときに考え始めますが、
本文を書く以上に苦慮します。結果的に好き嫌いがはっきり残り、大変恐縮で
すが、気に食わないままに発行日に臨むこともあります。私のお気に入りの
「してやったり」タイトルのベスト5を紹介します。

第1位 縁故的予定調和
かなり悩んでつけました。「作られる未来」のイメージで「予定調和」を決め
てから「縁故的」に至るまでが長かったように思います。

第2位 「モータル」シフト
文章を書くより先にタイトルが決まった数少ない例です。ベートーベンの半
生を描く映画の英題「 Immortal Beloved 」(だったと思います。)がヒント
になりました。

第3位 荒野のベニヤ板
話の全体テーマからつけるタイトルが多い中、これは内容からの抽出でしか
ない言葉で、命名に躊躇があった分、印象に残っています。

第4位 成熟する市場
端的に言って、創刊以来、初めて「良し!」と思えたタイトルです。

第5位 現実の蟻穴
「ギケツ」と読んでいただけましたか。「蟻の一穴」という言葉から、現実
を変えるきっかけと方法論をテーマとしたこの文章のタイトルにしました。

今後も、変なタイトルが続出します。例えば「空ろな鳩穴」「情人に乞う身
請け」「おまけの行方」「執着の表現」「陶酔の営み」などなど。ご期待下さ
い。
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5 舞台裏(2)「ジェットコースターと深代惇郎」

「考えさせられます(多数)」のご感想のうちは良かったのですが、「答えが
分かりません(Sさま)」、「ヒントを下さい(Hさま)」、「しかし、無理
に分かりやすくする必要はないと思います。(中略)今後も私の楽しみを奪わ
ないよう、この調子でお願い致します(Nさま感想メールより引用)」など、
難解さに関して数々のご意見を承りました。

私の短文のルーツは、天声人語の深代惇郎です。高校時代の就職対策用小論
文のクラスで教材として巡り会って以来、私は完全にはまってしまいまして、
他のタイプの文章を満足に書けません。発行当初、ペンネームを「浅代惇郎」
にしようかと思ったほど崇拝・敬愛しています。

文章のイメージは「闇夜のジェットコースター」です。起承転結をはっきり
とさせて、文と文の間の接続詞を可能な限り排除します。できるだけ、谷崎潤
一郎の文章読本でいう「含蓄ある表現」を目指します。すると、何が起きるか
分からないスリルある文章が(うまく行けば)できあがります。

「起」でジェットコースターが、真暗闇の中に滑り出す。「承」でいつか始ま
る下降を予感させつつ、ゆっくりと頂点に向かう。「転」で訳の分からない一
見別テーマに一気に引きずり込み、「結」で終点にたどり着き、ふうっと脱力
感たっぷりに停止する。

私は、この(私流解釈の)深代型文章が好きで堪らないので、「これを目指
した文章を書こう!」と思い立ち、仕事に関連する分野で書き始めたのが
SOLID AS FAITH です。これからも、基本方針は、難しさの平均値を維持しつ
つ、難解なものやら、分かりやすいものをばらけさせるよう心掛けますので、
よろしくお願いします。
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6 舞台裏(3)「今後の計画」

計画と言う計画も無いのですが、読者のみなさまから、「バックナンバーを
読ませて…」とのお願いをしばしば頂戴しますので、ホームページ上での掲載
量をもうちょっとだけ増やすつもりです。今回みなさまに選んでもらったベス
ト10と私のタイトルベスト5は掲載します。(既に完了してます!)
(勿論、まぐまぐのサイトでバックナンバーを、全号発行原稿のまんま読める
のは従来通りです。)

前述の通り、ITアレルギーの私ですが、ホームページの内容を、近く法人
化するやもしれないMSIグループの機能を中心とするものに更改したりする
かもしれません。(ついでに、メタタグやら何やらも導入しようかとも考えて
ます。)

あと、「できれば、他のメルマガのシステムでも並行して発行できたらなぁ」
などとも思案中で、ここまで来るとかなり「野望」の範疇ですが、「100話出し
たら、本にしたい!したい!したい!」という状況です。どなたか企画の持っ
て行き所をご存知でしたら、ご一報お願いします。
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7 あとがき

何とかかんとか1周年!
ということで、長々と好き勝手な内容を並べてしまいました。通常の5?6
倍の分量で、ご迷惑をおかけしています。あと少しです。

バックナンバーの発行原稿を読み返してみると、予告を付けたり、自分のP
Rを入れたり、おまけに花房先生(前述)のアドバイスで「プリントアウトし
た方が楽しめます」と挿入したりと、どんどんメルマガらしき体裁に近づいて
きた感じがします。

100話完結(?)まで、あと3年。(その頃には気が変わって、続きを書く
ことになるかもしれませんが…)本日現在の在庫は第51話まで。やっと折り返
し地点です。
メルマガで私ができることを、最終話発行までに見極められたら良いと思い
ます。繰り返しになりますが、末永くお付き合いください。
(今回ご理解いただいたように、私は「小難しいことを論じられるような」人
間ではありませんので、)前にもまして、お気軽にご感想をお寄せ下さい。
(返事の納期は5営業日!)

今回の特別号の発行に当たり、解説を書き上げてくれた元同僚と、激励のメ
ルを送ってくださった方々、そして、ご自身のメルマガで SOLID AS FAITH
を激賞いただいた花房先生に厚く御礼申し上げます。
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発行 MSIグループ(著者:市川正人)
msi-group1@mbb.nifty.ne.jp
このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発
行しています。(http://www.mag2.com/ )
マガジンID:0000019921
ホームページ大幅更改済!!
講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
http://member.nifty.ne.jp/MSI-GRP/
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☆それでは最後に、優秀な編集者にして、以前の職場での後輩、そして、
SOLID AS FAITH 読者でもある人物が書いてくれた(多少誤解ある)解説です。
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解説

転職のため、社員50名ほどの小さな会社の中途採用に応募したときのこと
である。
幸い書類選考と部門責任者による一次面接をクリアし、後日再び呼び出され
たときに不思議な事態が起こった。

「いや、どうしても君に会わせろという人間がいてね・・・」
責任者にそう紹介されたその人は、自分が現在担当する仕事の内容から始ま
って、採用する側だというのに、なぜか個人的な経歴まで話しはじめた。

米留学を経て誰もが知っている監査・コンサルティング会社、大手外資系メ
カーに勤務した後に、経営情報を提供するのが主業務とはいえ、たかが知れ
た中小企業に勤務している経歴が実に興味深く、こちらも面白がって質問を重
ねているうちに、応募者が9割方話を聞く側にまわるという奇妙な面接になっ
た。

その中で問われたことと言えば、次の一点しか記憶にない。
「この会社には、質の低い人材によって引き起こされる、明らかに不合理な点
が多々あります。そういった事態に直面したとき、あなたはどう対応します
か?」

この人、つまりこのメルマガの発行人は、購読している人ならおわかりの通
り、納得のいかない事態、本来の目的をわきまえない仕事振りには正面切って
戦いを挑む。適当に業務を流そうとする向きにはまさしく「性格が不自由で、
言語表現が不適切な人」である。

時には周囲に軋轢をも生む妥協のなさは、本質に忠実であろうとすることの
結果である。その姿勢が我々の身近で起こる、見過ごしがちな理不尽に焦点を
あて、その背景までを浮き彫りにする SOLID AS FAITH 独自の視点につなが
っているのだろう。

ところで、面接における唯一の問いに対する私の答えは
「商品のクオリティを引き下げる要因に対しては、戦います」
どうやらこの一言が、採用の決め手になったらしい。
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