324 33人の健忘

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経営コラム SOLID AS FAITH 第324号
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 ご愛読ありがとうございます。第324話をお届けします。

 いつ梅雨が明けたのかも知らないうちに、暑くなって参りました。子供時代
に長く結核や猩紅熱で発熱を重ねて、体のサーモスタットが狂ったのか、普段
から体温がかなり高めの私は、暑い気温が大好きです。嬉しい季節になって参
りました。気温が30度を超える炎天下でも、大抵、ネクタイをして背広の上着
を着たままでいます。訪問先の会社でクールビズが励行されていて、上着を脱
いだりネクタイを外すように薦められても、不機嫌な顔をするのは私のほかに
あまりいないのではないかと思われます。

 8月から一、二ヶ月かけてビジネス系の図書館で業界団体についてのリサー
チ作業を断続的にすることになり、今月のうちから、どこの図書館にどのよう
な資料があるのか下調べをして回っています。普段、あまり図書館を利用しな
いので、なかなか色々な発見があります。開館時間も夜かなり遅い時間までの
ところもあり便利です。リサーチ作業の成果は、現在計画を進めているビジネ
ス用のサイトの立上げ準備です。こちらのサイトの情報も、準備が進みました
ら、また、読者の皆様にご案内申し上げます。
 
 さて、今回の号は、結局今ではやたらの数を設定してしまって古いものはな
んだったかわからなくなってしまっているGmailのアドレス取得から考えたこ
とをまとめました。自社のお客様とのつながり方について、少々考えさせられ
る出来事から考えてみたものですが、消化不良のきらいがやや残っているよう
には感じています。読者の皆様にもご一緒に考えていただきたく、この状態で
発行することと致しました。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしておりま
す。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その324:33人の健忘

「だけど、執拗に食い下がって、悪評になっても仕方ないじゃないですか。何
でしたっけ。負の口コミは良い口コミより数倍広がるんですよね。だったら、
悪いことを覚えてもらうよりは、その接客の何も覚えて貰わない方が良いって
ことになりますよね。あれ、何倍だっけ、その負の口コミの倍率」と、チェー
ン店本部の幹部は、理不尽なクレームを言う来店客への対応について語った後
に、負の口コミに関心を移らせた。

 マニュアルに決められたオペレーション上、実現できないサービスを要求す
るお客に、自社の方針や考え方をきちんと説明する必要についての議論。幹部
は「説明しても理解されるかどうか怪しいし、理解されても、結局、求められ
ているサービスが提供できない事実は変わらない。それなら平身低頭で済ませ
て、できない店だと思われても波風立てない方が良い。大体にして市川さんの
言うきちんとした説明ができる社員やスタッフが残念ながら現状クレームの場
に揃っている可能性はあまり高くない」と幹部は私に説明していた。

 私は「『悪名も有名のうち』の方を超零細事業の自分は選んじゃうんだよ
なぁ」と、頭を過ぎった言葉の代わりに、なるほどと頷いて見せてその場を
去った。帰宅して、あれは何だっけと書籍を捲ると「ビジネスの常識では3対
33の法則と言うのがあり…」と、良い口コミと負の口コミの比率について述べ
られていた。予想外の倍率の大きさよりも、それが「ビジネスの常識」と宣言
されていることに驚かされた。
 
 新宿近くのマンションでもブローバンドの接続がどうしても必要になり、テ
ザリング目的でeモバイルのスマホを買った。もしかして使うかもと、その端
末専用のGmailを設定することにする。OCNのメールアドレスは取得してか
ら15年近く使っている。そのアドレスを書いた名刺や封筒を大量に刷ってしま
ったので、変えるのが億劫でそのまま使っている。新アドレス取得の手軽さに
慄然とする。

「これ、解約するときにはどうしたら良いのかな。ほら、おっさんだから、な
んか色々面倒くさくなって、止めたいですって話になるかもしれないでしょ」
と周囲に聞くと、「9ヶ月だか放置すると、勝手に無くなるって話ですよ」と、
とても契約の言葉に釣り合わなそうな、答えが返ってきた。
 
 英語で言われるまさに雲の如く、社会に当り前に存在するサービスを目指す
巨大企業は、やはり、適宜自身の強みを磨き、それを気に食わないと思う者に、
自社の考えを説明して抗弁することもなく、ただ忘れ去られるのを待つという。
それを聞いてしまうと、私は、「超マイクロ事業者として、徹底的に自社の立
場や考え方を主張して、『あいつは変な考え方をする奴だ』と、納得行かない
人々には、悪名を噂して貰おう」などと思い巡らせてみる。そして、その直後
に別の書籍で「金持ち喧嘩せず」などと見つけてしまい落胆する。

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次号予告:
 第325話 『紅海の漕ぎ手』 (8月10日発行) 
 レッド・オーシャンに対してブルー・オーシャン。さらに最近はホワイト・
オーシャンと言うのも耳にします。経営規模も小さく経営資源の限られている
中小零細企業経営の立場から少々考えてみます。

(完)