308 策謀屋

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経営コラム SOLID AS FAITH 第308号
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 ご愛読ありがとうございます。第308話をお届けします。

 今年も残す所一ヶ月余りとなり、札幌では霙が降るような季節になりました。
風邪なのかインフルエンザなのかよく分からない軽い症状が執拗に続き、いつ
も季節の変わり目は眠くなり易いのに、さらに睡眠時間を増やして過ごしてい
ます。病気だけは自慢できる程に色々とやっているので、多分、過去の免疫を
総動員して、圧倒的な細菌の攻勢に体がゲリラ戦を展開しているのであろうと、
娘の『よーするに医学えほん <インフルエンザ編>』を見ながら想像を巡ら
せています。

 始めて半年経ったリンクトインは漸く少々のお金に結びつくような手応えが
感じられる程度になりました。フェイスブックもやらず、初のSNS体験でし
たが、やっと何をどうすべきかがまあまあ分かってきて、多少の面白さを感じ
ています。
 
 今回の号はそのリンクトインを開始するに当たって、自分の商売を見返して
みたものです。年を取って、以前以上に、何度否定しても「コンサルタントさ
んですよね」と呼び称されるのには、辟易しています。常に自分の事業ドメイ
ンに忠実にあろうと考えてリンクトインのページも開設しました。本文に対す
るご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目
標納期は5営業日!!
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その308:策謀屋

「講師は優秀な成績で高校を卒業後…」と聞き、「学校の偏差値がやたら低い
からね」と思う。「24歳で渡米・留学し」と聞いては、「今更受験勉強って年
でもなかったし」と開き直り、「僅か2年半で学士の資格を得て」と言われる
と、「金欠で早く卒業しなきゃいけなかったからねぇ」と、破れたジーパンを
年がら年中履いていた頃を思い起こす。

 何の専門家でもないただの企画屋。あまり声も掛からず、こちらから探しも
しない講師稼業を引き受けてみて、面映いばかりの講師紹介で逃げ出したくな
るのを堪えて、心中で相槌を入れることにした。人材紹介も数年やっていて、
こりゃ売れんわと自分でも太鼓判を押せる私の履歴を高校卒業にまだ遡って、
何が楽しいのか紹介者は縷々述べる。

「余所行きの話は苦手なので、べらんめえと言うか、場合によっては野卑ぐら
いの感じで自然に話しても良いですか」と、マイクを渡されて開口一番、二十
人程の来場者に尋ねると、失笑とともに、「いつも通りで」と小声が幾つか聞
こえた。

 28になって留学から戻り就職するまで、年に一度ぐらいしか背広を着る機会
がなかった。今でも見るからに高い背広の中にカフスのついたワイシャツをび
しっと着ている、自称コンサルタントの人々を見ると、自分とは全く違う人種
であると実感する。職業適性検査で営業にも独立にも最低に向かないとの結果
に心底得心できる。こんな私にお仕事をくれる人は奇特この上ない。その方々
の厚志には報いると言うだけの仕事。

「本当に schemer と言う言葉を使いたいのか」。
 大口クライアントは国外進出のない日本独自の規制業種。その案件が無くな
って暇に成った時、見渡すと他のクライアントには皆一様に海外進出や海外取
引の事案が何かの形で発生していた。クライアントの課題をそのまま追いかけ
るのではなく、自分なりに海外事情に情報出島を作ろうとリンクトインを英語
で始めた。自分のキャッチコピーに、Tactical Schemer for Japanese-Style
Proprietor とつけた。直訳すると、「日本型零細事業者向け戦術策謀屋」。
履歴に添える推薦文を頼んだシンガポールの友人ベンからクレームがつく。

 数少ない強みを発揮して戦うか、撤退するかしかない中小零細企業に戦略な
どあり得ず、成熟度・稠密度の共に高い市場で差別化をするなら、戦術は常に
ゼロから創造するしかない。こんなクライアント各社に対応するのは、プラン
ナーでもコンサルタントでもない。

「schemer だ。クライアントが望むことすべて、やると決めたら何でもやるの
だから」。
 返信に一文を書いた後、口に出すのも憚るような数々の事例を頭の中で反芻
する。数日後、ベンの書いた美しい英文の推薦には「常に現実世界から目を逸
らさない正確な判断をする」と書かれていた。書き言葉でなら面映さにも何と
か耐えられる。

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英語版リンクトインを初めて、
その手のコミュニティで議論してみて実感する
日本型ホスピタリティの優越性。

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 ●ホスピタリティとサービスの対比…
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定義も曖昧に使われている言葉の数々。
中小零細企業のオペレーションで特に求められる付加価値。
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ご関心を賜りましたら、メールにてご一報を。
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次号予告:
 第309話 『ミクロ革命』 (12月10日発行) 
 或る会社の勉強会の立上げ。難航し覚束無い進展に難色を示す社長。そんな
場面で最近嵌っている増田悦佐氏の書籍の一節を思い出し、考えたことをまと
めてみました。

(完)