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経営コラム SOLID AS FAITH 第12号
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第12号をお届けします。
ありがたいことに、第11話を発行後も引き続き、第10話「雑用に勤しむ社
員」への感想を数人の読者の方からお寄せいただいています。中には、「職場
で部下に話したら、職場の雰囲気が変わった」というメールもありました。当
コラムが皆様のお役に立てれば、望外の喜びです。
また、ノーマライゼーション住宅財団様の機関誌「With Life」に、当コラ
ムの第9話「個性ある社員」がイラスト付で転載されます。お話を下さったH
氏と素晴らしいイラストを発案いただいたイラストレーターの方に感謝申し上
げます。掲載号はこの第12号が皆様のマシンに届くころ発行されるとのことで
す。機会がありましたら、是非ご覧ください。
ご感想はいつでも歓迎ですので、どうぞご遠慮なくお寄せ下さい。今後とも、
SOLID AS FAITH にご愛読を賜りますようお願い申し上げます。
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その12:意見の伝達
エスキモーの言葉には雪と氷に関する語彙が豊富であると聞いたことがある。
日本語には、天気の種類を示す言葉が多いという。私は語彙が乏しい人間だが、
例えば雨一つ取っても、霧雨や大雨から、五月雨、時雨、いろいろな言葉に思
い至る。感情表現や性格描写の言葉も多いのではないかと感じる。
米国に居た2年間に一番多く聞いた子供の発言は、”It’s not fair!” である。
「子供は早く寝ろ」、「子供はお菓子を食べ過ぎるな」こんな言葉を投げつけ
られるたびに、米国の子供は「それはフェアではない」と反論する。
懐かしの「出る単」では、どこが違うのか良く分からない「議論する」だの
「主張する」など、似たような意味の単語を必死に覚えた記憶がある。米国の
大学では、発言しない学生を減点したりするクラスもある。テレビで見ている
と、街頭インタービューで、中高生までもが彼の国の政治について、何かの受
け売りのような意見を堂々と述べている。
古くは、外資系携帯電話会社が日本ではアンテナを立てるのに必要な賃料が
高くて不公平だと主張しているらしいなどと聞いた。最近では、グローバルス
タンダードから、私には奇妙に聞こえるビジネスエシックスなる話まで色々な
主張を耳にする。根拠に妥当性は認めるが、それがこちらにとってもすべてで
あるとは限らない。海の向こうから伝わるその主張を盲信する者に辟易するこ
とがある。
手段には用途がある。日本語が叙情・叙景を主たる用途とするなら、英語は
主張・説得がその主たる用途だろう。口を開けば、止めど無い主張をする碧眼
の子供を黙らせるのに、私はいつもこう言ってきた。「公平などという理想は
存在しない。存在しないものは、要求しても手に入らない。理想は自分で創る
ものだ」と。
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発行 MSIグループ
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次号予告:現場処理(4月25日発行)
テレビで、犯罪現場の捜査にあたる警察官の姿を見て考えたことを書いてみ
ました。私の盗難の経験から始めたいと思います。ご期待ください。