285 小人の集団

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経営コラム SOLID AS FAITH 第285号
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ご愛読ありがとうございます。第285話をお届けします。

 とうとう、今年も残す所20日余りとなりました。国難と呼ばれた大震災の影
響も、零細サービス事業者には限られたもので、クライアント企業の経営環境
対応企画を現場レベルで考えることに時間を大きく割いた年であったように思
います。来年早々に発送する恒例の業務用年賀状のデザインを考えながら、今
年を振り返ってみたりしています。

 半年以上の熟成期間を経て、日常の仕事の中で思いついたことを原稿化した
ものがメルマガとして皆様に発信されていますが、今年もあと二話と言う段階
で、漸く震災ネタが登場致します。『小人の集団』と題した今回の話は業務量
と組織風土の変化について考えてみた内容です。

 タイトルの「小人」は儒教の教えの「小人閑居して不善を為す」からつけた
ものです。その意味は、本来「暇にしていると…」ではなく「他の目がない独
りの状態であると…」との解説もありますが、慣用的な意味に従った展開にな
っています。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご
感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その285:小人の集団

 震災で取引先からの注文が激減したとクライアント企業の取引先社長が状況
を説明する。いつものように伺ったクライアント企業の社長が、うちの関係会
社の話も聞いてくれと、その会社の社長を引き合わせて下さった。この会社は
下請構造下の50人に満たない組織。近年になって人材育成に注力し、業績を僅
かに伸ばした。伸びた業績は殆ど受身。既存の大手取引先からの信頼が厚くな
った結果である。震災と東電の人災で既存大手取引先からの発注が急激に細っ
たと言う。
 
「少しの仕事を社員が取り合うようになり、例の補助金を貰うことを前提に、
社員を自宅に待機させたりしていますが、出社させた社員も生産性そのものが
落ちていて、わざと不要な仕事を水増しして作ろうとする。社内の人間関係も
悪くなって、以前は、よく協力していたのに、我関せずのような態度に出る社
員もいて、今までの育成の取組みは何だったのかと、腹が立ちます。このまま
の状態が続けば退職勧奨も考えなければなりませんから、分かりやすく勤務態
度が悪くなってくれるのは好都合かと思うようにしていますが」。

 話を伺って、以前見た映画『ブラック会社に勤めているんだが、もう俺は限
界かもしれない』が思い出された。劇中のシステム開発会社の人材は自己中心
的な人間ばかり。互いの誹謗中傷は日常茶飯事。不公平や理不尽が毎日反復さ
れる職場。システム開発業界は何層にも元請・下請の関係が累積していて、時
折明らかに納期と予算が合っていない案件が元請企業から打診される。断れば
次がなくなる。無理を押して受注した案件は殺人的労働を社員に要求する。本
来ブラック会社の有様を描くのが主目的の映画と聞いていた。しかし、劇中の
殺人的繁忙に当たって、社員皆が突如結束し、納期と品質をクリアする場面が
幾度もある。酷い社内風土は社員が暇だったから故との解釈が成立する。
 
「う?んと。育成は社内の作業技術を中心としたものだったと言うことですか
ら、特に自社の組織構成員としての教育をした訳ではないですよね。では、勤
務態度が悪くなったのは、暇だからと言う考え方も成り立ちます。今の閑散に
合わせて去って頂くと、またいつか仕事が増えた時に、教えるノウハウも教わ
った結果もかなり失われてしまいます。それも耐えられないぐらいに逼迫して
いないなら、今度は社員の方々に営業ノウハウを教えて、慣れない営業活動で
物凄く忙しくなって戴いたら如何ですか。去って頂く方を選ぶのはそれからで
も遅くないように思いますが」と私は頭を掻きながら、社長に言った。
 
 そう言えば、独立当初からお世話になって、先日逝去された原澤勝社長も
「社員は忙しくなると、一所懸命働いてくれる。暇になるとアラばかり見えて
しまう。評価するなら忙しい時のことともバランスをとらなきゃいけない」と
仰っていた。この言葉を先に思い起こせば早かったと反省した。
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次号予告:
 第286話 『歴史認識』 (12月25日発行) 
 企業が顧客へ提供する価値は、常に陳腐化の波に洗われています。価値の減
衰の経緯について考えてみました。

(完)