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経営コラム SOLID AS FAITH 第623号
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ご愛読ありがとうございます。第623話をお届けします。
新年になり10日が過ぎました。営業日ベースでは1週間が経過した所なの
で、まだまだ日常業務のモードに切り替わっていない企業もあるかもしれま
せん。中小零細企業にとって、今年は激変の年になる可能性が高いと思われ
ます。そういうと毎年恒例のクリシェに聞こえますが、昨年の劇的な政権交
代の結果が明確になるのが今年であろうことに意義のある方はあまりいない
ものと思います。
色々な書籍を読んでも、海外の多くの国々の社会や経済、政治体制に行き
詰まりを感じずにはいられません。その中で、所謂「ザイム真理教」もその
虚偽が暴かれ、経済が活性化する兆しが今のところ消えません。昨年最後の
号のご挨拶にも書いた通り、人件費の上昇は中小零細企業を恒常的に苦境に
追いやる力となっていますが、一方で不法合法に関わらず外国人労働者を引
き入れつつ、日本人には残業を規制して副業を奨める異常な労働政策にも見
直しの手が及んでいます。総じてプラス材料は微増しているように見えます。
諦め型倒産や同じ理由による廃業も既に進むところまで進んだ感はありま
すが、中小零細企業の経営展望に多少なりとも光が差せば、収束の方向に向
かうのかもしれません。中国人観光客が減ったなどの話も、それに依存しな
い経済体質になればよいだけのことで、そうした動きは既に大分見えて来て
います。いずれにせよ、中小零細企業の経営には微風とは言え追い風が発生
し始めているように感じられてなりません。機械やAIの効率化が及ばない領
域を指向しましょう。機会を自社周辺に見出しましょう。そこに活路は必ず
存在するものと思います。
毎年恒例の寒中見舞いを年明けからお配りし始めますが、今回のテーマは
再度採り上げる「中小零細企業の読解力教育の必然性」です。中小零細企業
が進むべき活路には必ず乏しい読解力が障壁となって存在しています。それ
を攻略できない限り、大きな歩みは期待できないものと考えられます。今回
の寒中見舞いは久々にA5判からA4判に戻し、読解力教育の必然性をたっぷり
とご説明する内容になっています。お手元に届きましたらご笑覧ください。
(2月初旬の段階で手元になく、ご一読をご希望の場合にはメールにてご一
報ください。)
新年最初の号は『自己都合』と題して、経営苦境に対して中小零細企業が
打ち出す対策が、お客様不在、お客様視点欠如の中で案出、実践されている
ケースについて考えてみたものです。お客様は敏感で冷酷です。企業が打ち
出す施策を無意識レベルで評価し、それを購買態度にすぐさま反映します。
そのスピードはインターネット普及時、そしてSNS発展浸透時に格段に増し
てしまい、誤った一手が致命的な結果につながることもあり得るようになり
ました。
そんな時代の中小零細企業の事業施策について客観的に考えてみる機会に
今号がなれば幸いです。年始の繁忙も収まりつつある日々の一時、お付き合
いください。ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへ
のお返事の目標納期は5営業日!!
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その623:自己都合
下町の外れ。その住宅地の中の古びた商店街には小さな料亭があり、クラ
イアントの社長と会食する際には時々そこに連れて行っていただく。大将は
銀座の老舗料亭で長く修行をして自分の店を持った。その界隈では有名な人
物。毎日魚河岸に行って目利きをし続け、食材についてもその調理方法につ
いても造詣は深く、腕も確か。ホテルの厨房勤務の経験もあり、知識技術の
範囲は和食に留まらない。中華でもフレンチでもイタリアンでも語る。
その商店街のあるエリアには、大家族が代々経営する鰻屋がある。家族が
増えると、近隣に店を出すので、数キロ圏に一応系列店が2店存在する。或
る日、料亭で大将にカウンター越しに和食のレパートリーについて尋ねると、
「寿司でも、焼き鳥でも、鰻でも、なんでも本当はできますよ。実際、お客
さんのそういうご要望もありますよ」と言って続けた。
「けどね。この界隈に街の付き合いのある色々なお店があるから、そことぶ
つかるのはね。特に鰻はね。一家全部知っているし、付き合いもそれなりに
ありますからね」と言葉を濁す。大将の「できる」は本当に高いレベルの
「できる」であることを私は知っている。
クライアントの食品販売店に行くと、打ち合わせの中で、「人が不足して
いるので、今までの週一日の店休日を二日に増やそうかと考えている」と社
長は私に告げた。それは店舗の内部に魅力がなく人を雇えないことをお客に
知らしめる行為と私には思えた。
お客の購買行動は無意識に深く刻まれていて、一朝一夕には変えられない。
どれほど告知を重ねても、新たな店休日には、誤って来店するお客や、来店
を思い立ってから、店休日を思い直すお客が大量に発生することだろう。お
客に不便を強いることになる。社長は同業他店も同様の動きをしていると言
う。ならば余計に差別化が望ましい。
まだスマホは疎かデジカメもなかった遥か昔、私は写真用フィルムメーカ
ーのマーケティング担当者だった。商店街にはフィルム販売と写真現像・プ
リントで儲ける写真店が沢山あった。彼らのカメラ販売は既に量販店に奪わ
れて、さらにプリントサービスは洗濯屋や文具店の0円プリントに奪われて、
フィルム販売さえコンビニに奪われていった。写真店組合は「写真店ならで
はの発想の新サービスを」と考えて、フィルム購買時のカメラへのフィルム
装填サービスを発案し、組合員に1本装填で数百円の料金設定を指示した。
お客は店の都合など微塵も考慮しない。閉店を決めると「惜しい店だった」
とのおためごかしの声を上げるが、それまで不満や不便も伝えることなく、
ただ距離を置く。自己都合のフィルム装填で金を取ろうとする店舗群もあっ
という間に淘汰の波に飲まれた。
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次号予告:
第624話 『虚業家群』 (1月25日発行)
実業と虚業という言葉があります。必ずしも対義語になっていないこれら
二つの言葉に実際の職業を当てはめて考えてみます。
(完)