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経営コラム SOLID AS FAITH 第266号
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ご愛読ありがとうございます。第266話をお届けします。
二月も終わりに近づき、札幌では降雪が最盛期ですが、東京では春の兆しが
見えかけているように感じます。二月の真ん中辺りの週末に東京で見たかった
映画を映画館で一気に四本見て参りました。そのような目線で見てしまうから
の感想とは思いますが、どれもが当コラムのネタにできそうな論点を含んでい
て、考えさせられました。感想はブログにアップ致しました。PR欄でも紹介
しておりますので、ご笑覧ください。
今回の266話も、映画を見て感じたことから、会社の経営方針や経営理念に
ついて考えたものです。その必要性に関して、ご一緒にひと時お考え戴ければ
幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感
想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その266:アンドロイドの夢
また、ゴーイング・コンサーンの話をすることになった。
法によって人と同じ扱いになった法人。金も借りられるし、貸すこともでき
る。土地も持てるし、税金も払う。罪を犯せば刑罰も受ける。永続前提の経営
の本質論を追求すれば、永遠の命を持つヒトが現れることになる。では、どう
やったら、この千年前には間違いなく存在しなかった新種のヒトを、不老長寿
にすることができるのか。こんな問いから、企業のあるべき姿や社員の役割に
対する考察を始める。
経済的評価やキャリア評価を度外視した上で、働かないことや働くにしても
報酬の支払が確かではない集団で働くことなどの選択肢が、多くの若手人材に
意識上に常在するらしい。だから、会社とはどのような場所で、自分のその中
での役割は何であるのかを知りたがる者が増えているという。喰うに困らず、
その余裕の産物のような問いに応じることに、報酬を払うというクライアント
がなぜか存在するので、持っている答えを提供する。
『空気人形』、『アイ・アム』、『エレクトロニック・ガール』。少々古くは、
封切時にかなり話題になった『アイ・ロボット』。科学が発達したせいなのか、
現実がSFに追いついているためなのか、最近見た映画には、自我に目覚めた
アンドロイドの話がやたらに多い。ちょっと探すとさらにきりがないほどに存
在する。主人公のアンドロイド達は、芽生えてしまった自我故に、煩悶し、奇
行に走り、事件を引き起こす。ハッピーエンドの展開なら、その後、安住の形
を見出す。
何らかの男女の関係性の証として出自が自明の自然人でさえ、沈思黙考も懊
悩も避けて、生き甲斐やら働き甲斐を求めて、各種の専門家やカウンセリング
のサービスに走り易い。青い鳥を探して転職も繰り返す。有り触れた理由に因
らないで、この世に存在することになったアンドロイド達が奇行に走るぐらい
不思議なことではないのかもしれない。
「先代は自分の一生の仕事として始めた結果のこの会社だと言っていましたが、
その先代を知っている社員もかなり減ってしまって、まして、先代と共に汗し
て働いた経験のある社員は、幹部を中心にほんの一握りになりました。だから、
この会社の存在意義や社会での役割をきちんと文章にまとめて、特に若い社員
に示して見たいと思うんですよ」。
先日話す機会のあった二代目社長が意欲を語る。
最近、継続案件を下さっているクライアントが現金払いに変わった。支払を
受ける期日に、印紙付の領収書を用意して訪問する。実質個人事業主として糊
口を凌いでいる私は、お客様から現金が戴けることが重なるだけで、自分自身
の存在意義や自分の仕事の社会での位置付けに思い悩むことなく日々を過ごし
ている。設計者の意図が理解できなくなるから、多くのアンドロイドは悩み始
める。ヒトが作った法人もそのようなものかもしれないと、アンドロイド映画
の新作を見て考え至った。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
二月の或る週末に一気に見た映画四本を一挙紹介。
なんとなく、経営関係のネタ満載で…
ソリアズネタがかなり潜在しています。
●『ソーシャル・ネットワーク』
世界最大のSNSサイト「フェイスブック」の立上げを描いた物語。ベンチ
ャー企業立ち上げの紆余曲折の見本としても、オーナー経営者の孤独の肖像と
見ても、色々学びがあります。
●『平成ジレンマ』
刑期を終えて学校を再開した戸塚ヨットスクール校長の姿を描いたドキュメ
ンタリーです。体罰にまつわる議論を超えて、人間教育のあり方や極身近な日
本社会の病理に気付かされます。
●『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』
ポルノ映画からAVの業界に至る世界の中で常にトップランナーであり続け
た代々木忠監督の半生を描いたドキュメンタリーです。「『企画力が凄い』と
言われるけど、そんなことはない。全ては巡り合いの産物だ」など、求道とも
見える姿勢で仕事を続ける人間の説得力溢れる言葉が散りばめられた名作です。
●『冷たい熱帯魚』
地方都市の乾いた世界で暴走するエゴ。大型ロードサイド店で熱帯魚販売を
行なう悪役が登場しますが、私の商売上のオーナー経営者モデルにほぼぴった
りの人物像でつい見入ってしまいます。
四本の映画の感想を弊社ブログにアップしました。
是非ご笑覧下さい。
『脱兎見!東京シネマ』
http://tales.msi-group.org/?cat=4
ご関心を賜れましたら、メールにてお気軽にご一報下さい。
bizcom@msi-group.org
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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次号予告:
第267話 『表彰辞退』 (3月10日発行)
若手社員に教えるべき“仕事の優先順位”についての考え方を、ハーズバー
グの二要因論を用いて再考してみました。ご期待下さい。
(完)