250 総値札制

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経営コラム SOLID AS FAITH 第250号
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ご愛読ありがとうございます。第250話をお届けします。

 とうとう、今年も後半に入ります。早いものです。暑くなって参りました
が、皆様は如何お過ごしでしょうか。大阪の出張を終え、前号までのPR欄で
お伝えしていた、11月の愛知県岡崎市でのゲスト講師の仕事など、関東圏以
外の仕事が多少増えてきておりますが、今号のPR欄では、私が現地に赴くこ
となく企画立案のみ協力したウォーキング講座を紹介致します。是非、ご一読
下さい。

『総値札制』と題した今回の号は、人が作り得る付加価値について考えたみた
号です。世の中では不況の拡大と深刻化と共に、賃金の下降が観察されると言
います。局地的な賃金減少ではなく、人種、雇用形態の違いを超えて、広く発
生していることと聞きます。それと強い相関を持って発生するのが、人の付加
価値の低下のように私には見えます。細かな配慮や顧客志向の気配り。このよ
うなことが既に日本は全世界においてトップクラスと聞かされつつも、実際の
消費の場面で、一消費者としてあまりそれを実感したことがありません。

 よく耳にする「付加価値形成」。意外に色々な場面で、意外に色々な形で、
付加価値は付与できるものと考えた結果を一話にまとめてみました。日々の業
務の顧客目線からの見直しと味付けに思いを巡らせて戴ければ幸甚です。本文
に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返
事の目標納期は5営業日!!
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その250:総値札制

「やはり、加盟金を引上げるなら、付加価値の提供を充実しないときついじゃ
ないですか。加盟した後のサービスを積み上げることにして、そのサービスの
一覧とセットで加盟金額を提示しないと、加盟説明会でも一気に参加者が引い
てしまうのを感じるんですよ」。
 フランチャイズ本部の作戦会議。加盟金引き上げの値頃感の議論が展開され
る。

 商店の来店客は、商品の善し悪しだけで値段を決めることはない。接客の質
や店舗の雰囲気、来店などの利便性、既存客の質など、様々な要素を加味して
価格の高低を判断する。法人向けのサービスでは、判断は多少合理的になるも
のの、サービスのコンテンツだけで価格が決まることはほぼない。価格の決定
には、様々な要素が絡んでいるからこそ、様々な方策での差別化が実現し得る。
「加盟するのは殆ど法人ですよね。経営者かそれに近い立場の方なら、P/L
の中で、原価以外で最も大きいコストのパイは大抵人件費と知っているでしょ
う。ヒトが一番高価な要素ですから、ヒトの面からの改善を図ったら如何でし
ょうか。
 先日、私も説明会を見学しましたが、ビルの入口に案内はなく、開場間近ま
でテーブルの配置を変えている。当然、配布資料の用意や音響設備の段取りは
疎かになります。長い説明の間に、ペットボトルのお茶が配られるだけです。
皆さんがイメージする給料が高そうなデキル人材がいるとして、その人物だっ
たらどういう説明会を演出するか、ゼロから検証してみたら如何でしょうか」。
意見を求められた私は即座に応えた。

 IT系のベンチャー企業に勤める友人に会ったところ、拡張現実の話題にな
った。セカイカメラの例などを説明して、現実の空間にインターネット上の情
報を重ねて見せる技術と教えてくれた。ドラゴンボールのスカウタ?のような
ものと理解した私に、アプリケーションが問題なんだよなと彼はいう。アイデ
ィアを求められたので、店内のPOPが全部見えるようになるのはどうかと言
ったら、使用者の位置を確定する技術さえきちんとすれば十分可能で、実験段
階では既に存在すると言う。

 それじゃあと、一頻り考えて、口を開いた。
「例えば、何回かお邪魔して、クライアント企業になりかけているような会社
で、幹部とか見て、『中途入社だったら、前職の大手に較べて給料下がったの
かな』とか、つい考えることがあるんだよね。人材紹介をやってたから、ヒト
の値頃感って気になって。だから、人材紹介会社のサイトとかで謳われている
“適正年収”と現実の年収が、周囲の人間の頭にタグで見えるってのはどうだ
ろう。これだと、かなり仕事が面白くなるんだけどなぁ」。

 サービス業はヒトによって作られる付加価値勝負と、関係企業に行くと必ず
言われる。その材料の善し悪しが寿司ネタ以上に誰しもに分かるようになった
ら、何が起こるか議論してみたかったが、その前に友人は私の新案を「危な過
ぎ」と却下した。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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ソリアズにも登場したプロの振付師による
本格的ウォーキング講座が開催されます。

体による美しい表現のあり方を知り尽くした
有名振付師 北村真実先生が、
身体の歪みを丁寧に取り除き、
キレイにアイロンをかけたような状態にすることから始めて、
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※講座企画原案は、弊社、合資会社MSIグループです。

講座のご案内は、こちらをご覧下さい。
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北村真実先生が登場するソリアズは、シリーズ『夢中夢』の全三話。
第227話『面白い仕事』
 http://tales.msi-group.org/?p=339
第228話『暫定関心事』
 http://tales.msi-group.org/?p=346
第229話『力積の積算』
 http://tales.msi-group.org/?p=348

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第251話 『高揚の不良在庫』 (7月10日発行) 
 人と話し、喜びを伝えて、自分も楽しく仕事をしたい。このように言って、
弊社の事業のあり方を学びたいと仰る方々に連続してお会いしました。先方の
お話を伺って、腑に落ちなかったポイントをまとめてみました。

(完)