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経営コラム SOLID AS FAITH 第249号
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ご愛読ありがとうございます。第249話をお届けします。
皆様のお手元にこの号が届いた翌日、弊社では珍しい二日がかりの大阪での
仕事に出かけます。仕事で行くのは5年ぶりの大阪で、柄にもなく講演メイン
の管理者集合研修を実施しに参ります。訪問する会社は、当コラムで反響が多
かった第237話『徒労の寸前』でアポ前の下見に訪れた会社です。市川市の東京
本社で頂戴している仕事の内容をご評価戴き、大阪本社にもお邪魔することと
なりました。初日夜の空き時間には、久しぶりの大阪の街を見て回ろうと思っ
ております。
前号までの全四話のシリーズ『思考の羽化』を終えて、今回からはまた通常
通り、単発のコラムのお届けです。今号『贅沢な時間』は、ホスピタリティの
あり方やその教育方法について偶然伺った話に、その前後に遭遇した、本来ホ
スピタリティにあふれているべき整骨院の話を組み合わせてみました。誤解が
多いというサービスとホスピタリティの相違点。そして、それが頭で理解でき
ても、実践が困難なホスピタリティ。読者の皆様にもそのようなことを思い巡
らせて戴ければと存じます。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしておりま
す。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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経営コラム SOLID AS FAITH 第237話 『徒労の寸前』
http://tales.msi-group.org/?p=365
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その249:贅沢な時間
アポの日時に行くと、個人事業主のクライアントが前日にぎっくり腰になっ
て駆け込んだ整骨院に再び行かねばならないと言うので、付いて行くことにし
た。診療時間の終了前30分に着くと、ビル入口とドアの貼り紙に、診療終了と
書かれている。
「初めてのぎっくり腰で昨日、慌てて行ってみてもらって、『明日も来てくだ
さい』と言われたので、同じ時間で良いかどうか確認したから、こちらの記憶
は間違いない」と言う。
施錠されていないドアを開けて入ると、狭い待合室脇のカウンターに立つ白
衣の男性が、「今日の診療は先ほど終わっています」と当り前のように告げる。
市ヶ谷に程近い立地。帰り支度の会社員がいる。白衣の男性はその日から診療
時間が繰り上げになることを、ホームページでもメールでも伝えていると主張
する。しかし、待合室を見渡しても、患者であろう有名スポーツ選手の写真と
コメントが目立ち、どこにも診療時間変更の案内はない。
腰の痛い患者を入口に立たせて、自院の非の有無を見極めることを診療に優
先させる。「無責任ではないのか」と言った言葉に対して、「まだ診ないとは
言っていない」などと、弁明に時間を割く。有名スポーツ選手は、この「間違
いのないサービス」が好きなのか。
ホテルの専門学校の授業を見学する機会があった。見学後、頭数揃えの留学
生の受入を止め、真面目に経営改善に取り組んできたと長年勤めた先生が説明
してくれる。確かに壁に貼り出された就職内定者の顔写真の下に書かれた勤め
先は、皆有名ホテルだった。顔写真の列は壁一杯に溢れかえるほどで、多くの
卒業生が含まれていることを物語る。
「大変失礼な質問で恐縮なのですが、受講態度とか発言を授業で見てみて、学
生達の何が評価されて、これらの有名ホテルがこちらの学校の卒業生を採用す
るのかが、正直分からないんです。人材育成の仕事も多いので、どうしても
伺ってみたくて」と尋ねてみた。
先生は、「なるほど、素晴らしい質問ですね」と微笑んで一息に説明した。
「確かに平均的な学生がこのまま大型の居酒屋の正社員になったら、フロアを
駆け回るだけで、『おもてなし』もホスピタリティも分からない作業員と化す
でしょうね。市川さん、ご存知でしょうが、サービスはマニュアル化できます
が、ホスピタリティは異なります。ホテルにもよるのでしょうが、一般に従業
員の数は多く、一つずつの持ち場のオペレーションは極めてシンプルです。つ
まり、居酒屋よりも相対的に暇なのです。この暇な間にお客をじっくり観察す
るように教育すると言うのが、市川さんの疑問の答えだと思いますよ。困って
いるお客様に何かをして差し上げようと思うのが基本の筈ですから。学校では
きちんと職場に行かせて、指示を理解する所までが精一杯ですよ」。
暇にすることによる「おもてなし」の教育方法が理解できて、頭の中の「接
客」のジグソーパズルが一気に組み上がったように感じた。閉院間際の暇な時
間でさえ、患者を立たせて議論を始める診療院もある。ただの暇では、「おも
てなし」の必要条件に過ぎないことも、一つのピースになった。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
岡崎商工会議所様主催の「おかざき経営革新塾」の中の
“売れるお店づくり実践塾” にゲスト参加することになりました。
スポット型の経営者向け講演のお仕事は
既存クライアント様からの依頼を例外として、
原則的に辞謝して参りましたが、
元弟子にして現提携事業者の
市場真理子氏の全体企画であることや、
単なる講演ではなく、
店舗の現場観察も組み合わさった企画内容であることなどから
お役をお引き受けすることに致しました。
日程はまだかなり先ですが、
既に岡崎商工会議所様のサイトに掲示されている様子です。
“売れるお店づくり実践塾”案内ページ
http://www.okazakicci.or.jp/kakushin/1.JPG
“売れるお店づくり実践塾”カリキュラム紹介ページ
http://www.okazakicci.or.jp/kakushin/2.JPG
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け11年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
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http://tales.msi-group.org/?cat=2
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次号予告:
第250話 『総値札制』 (6月25日発行)
人の持つ価値。人が作り得る付加価値。そのようなことについて、最近流行
の拡張現実の議論から思い至った話をまとめたものです。お楽しみ下さい。
(完)