238 能動の基点

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経営コラム SOLID AS FAITH 第238号
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ご愛読ありがとうございます。第238話をお届けします。

 今年もとうとう、クリスマスの最終発行日となりました。皆様にとって今年
はどのような一年でしたでしょうか。皆様のご多幸を年の節目に当たり祈念申
し上げます。

 前号の『徒労の寸前』は多くの方から、「共感できる」、「頷ける」とのお
言葉を頂戴しました。インターネット全盛の時代における超ローテクの情報収
集の価値は、インターネット全盛の時代だからこそ、いや増しになっているよ
うに感じます。顧客との長い関係の確立が叫ばれる今こそ、顧客も見込み客を
もよく知るための活動の重要性はあるものと思い、まとめた号でした。

 さて、今回の号は、英単語の意味から考える弊社のドメインのあり方です。
久々の自省的な内容の号ですが、年の瀬にでもお読み戴き、お楽しみ戴けまし
たら幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴した
ご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その238:能動の基点

 留学時代に世話になった大学教授の夫婦が年に一回ぐらい来日するので時間
を共に過ごす。移動のバスの中から、風景を見て、「警備が甘そうな銀行があ
ちこちに支店を出している。この前来た時よりも広告が増えている。大体、柔
らかい銀行とはどういうことなんだ」と携帯電話会社の看板を指差して言う。
命名の所以を説明すると、次を思い出す。
「時々見るinspire the next は、次の何をインスパイアするのか分からない。
名詞が無いじゃないか。おかしな企業スローガンだ」。
 
「しかし、形容詞に the を付けると、そのような人々と言う意味になるのじゃ
ないのか。The old と言えば、『高齢者』と言う意味だろう。なら、The next
だって、次の人々と言うことだろう。文法的にみたら、おかしくはないはずだ」
と私が指摘すると、確かにとは頷いたものの、次の人々をインスパイアすると
はどういうことなのかと訝る。これは、インスパイアの原義にまで遡らねばと
私も考え込んだ。

「どうせ、英単語を全部手入力する人は居ないんでしょうが、市川さんのサイ
トの子ページのアドレスは、やたら長い英語名ですよね。社長の言うことを受
け流せる自律的な幹部を作る勉強会の事例紹介のページに、Decentralization
ですもんね。確かに言われてみれば、ニュアンスが分かるような気はしますが。
多分、一番考えちゃったのは、中高年の転職や独立の支援が、enlightening
だったことですよ。あれは分かりづらい」。
 或るクライアント企業の課長が当社のサイトのページをよく読み込んで下さ
っているらしく、雑談の中で、ページ名について話し始めた。
 
 大手企業を早期退職した中高年人材を、オーナー社長率いる典型的な中小零
細企業へと転職させる仕組みづくりを説明する内容。単に案件の紹介に留まら
ず、大手企業での知識・経験・人脈は維持しつつ、次の人生に向けて働き方を
リセットしてもらうための研修の企画が肝となっている。日本語なら、何とな
く、遥か昔の組合活動の際に習った「教宣」がピタッと来るような気がしてい
たが、英語では何と言うのか分からない。考え込んだ末に、「啓蒙」などの意
味を持つ、enlighten を採用した記憶がある。

 Inspire の原義は、spirit (魂・精霊)を入れ込むことと何かで読んだ。他
動詞であるのは、多分、土やら男の肋骨などから神が人を創造した後、息吹を
吹き込んだようなプロセスを経て、人々はインスパイアされるということなの
だろう。Enlighten の原義は照らすこと。これも他動詞なのは、光で照らされ
て、暗い蒙昧な状態から抜け出られるということだと思う。相手に新たな魂を
吹き込んだりするという企業もあるのだから、せめて当社も、相手の過去から
の積み上げを照らし、整理することぐらいには挑戦したい。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

経営コラム SOLID AS FAITH
第238話『能動の基点』に登場の
弊社サイトの二ページのご紹介。

1 《事例》 社長の言うことを聞かない幹部作り
 http://www.msi-group.org/MSI-Decentralization-Case.html

つまり、極論ながら、文鎮型組織においては、
社長の命令を、長年にわたり確実にこなす幹部が、
「良い幹部」と言うことになります。
一方、階層型組織では、幹部こそが、
市場環境や顧客ニーズに合致しない自社のあり方に気付き、
組織全体の動きと大きく矛盾しない範囲で、
どんどん「適応」を進めてゆくべき存在です。
(サイトのページより抜粋)

さて、文鎮型組織が成長して階層型組織になる場合に
幹部を育てる方法が問題となりますが、それについては当該ページを。
ミンツバーグまで動員して丁寧に説明致します。

2 大手出身 中高年ホワイトカラー人材の転職・独立を支援
 http://www.msi-group.org/MSI-4enlightening.html

 中小零細企業のオーナー経営者に、
「失敗」と感じられる大手出身中高年人材の採用に関して意見を伺うと、
その人材について、以下のような印象を持っていることが般的です。
『★経験・ノウハウ・人脈などは十二分に持っていて、
  面接などの段階で分かっていた以上に有能であることが多い。
 しかし、一方で
  ★覇気が感じられず、職場の雰囲気が暗くなる
  ★評論家的な発言が多く、自ら動いて仕事をするような姿勢が見られない
  ★既存の経営課題解決のための採用であることが理解されていない』
(サイトのページより抜粋)

さて、それではどのような大手出身人材が
中小零細企業組織において求められているかについては、
当該ページで詳しくご説明致します。

ご質問・お問い合わせは、こちらのメールアドレスまで。
 bizcom@msi-group.org

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第239話 『事件の背後』 (1月10日発行) 
 新年第一号は、ハヤリの携帯小説には、なぜ事件が連鎖するのかについて考
え、そこからイマドキの若者の認識のあり方を考えてみました。ご期待下さい。

(完)