215 バイオ・エシックス

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経営コラム SOLID AS FAITH 第215号
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新年明けましておめでとうございます。第215話をお届けします。

 本年最初の発行です。既に仕事始めから一週間経ちましたが、皆様は如何お
過ごしでしょうか。本年も従来通り、毎月二回の発行を続ける予定ですので、
ご愛読の程、よろしくお願い申し上げます。今年はこのメルマガも創刊10年を
迎えます。何か気の利いた企画を考えねばと、早くも漠然と考え込んでおりま
す。

 今年最初のコラムの第215話は、かなり最近まで「引鉄の設計」と言うタイ
トルがつけられていました。最近、偶然書棚を見ていて、このタイトルの新書
を見つけ、ニュアンス的にはぴったりと感じたのでタイトル変更を行なったも
のです。第213話の『線香花火』、第214話の『積木遊び』と、何となく会社の
寿命とその意義について考える号が続いています。今号の『バイオ・エシック
ス』もその流れの中に位置しています。

 これらの三話は当初シリーズ化も検討したのですが、括りが悪いように感じ
たので、独立した話として発行することとしました。お楽しみ戴けましたら幸
いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想
などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その215:バイオ・エシックス

 少年Aによる神戸児童殺傷事件が起きたのは1997年。それ以降、急速に少年
法改正の動きが進み、一方で少年Aの冤罪説や共犯説などは疑われ続けたと、
斉藤貴男氏の『国家に隷従せず』の一節にある。犯罪が行なわれたのは事実で
も、真相は未だ闇の中であり、その表面上の「事実」を活用した者が居ると解
釈できる。
 
 知り合いのタクシーに乗って四方山話が戦争の話に至った。友人の運転手は、
「今時米国民以外、皆、9・11は“やらせ”だと知っていますよね」と笑っ
て言う。9・11には、早くから単なるアルカイダによるテロとは異なる説が
数々存在する。映画『華氏911』でさえ好意的。各種の書籍にはSFに近い
ような話が溢れている。その後の首謀者探しを名目とした泥沼の戦争へと米国
が嵌まり込み、事実上の第三次世界大戦に拡大してゆくプロセスを考える時、
『千の風になって』や消防士の美談は額面通りに受け止められなくなる。

「あくまでも、私の知る或る経営者の話を単に思い出話として聞いて戴きたい
んですが。その会社の創業経営者は息子に社長の立場を譲って会長になっても
尚、ずっとその会社の経営を仕切ってきたんですよ。ところが、70を越えて
記憶が混乱し始めて、さらに、自分のそんな状態を情けなく思ったのか、会議
などの発言などでも覇気がなくなってきたんです。それでも、息子さんに経営
を任そうとはしない。息子さんもこのままでは会社が危ないと思って、悩んだ
末に、会社の業績を故意に悪化させたんですよ。そして、1年がかりで会長を
引責引退に追い込んだんです」。
 資金ショートの演出。業績悪化の演出。長年の取引先の離反劇。畳み掛ける
ように打たれた手を思い出しながら、自社社長の老害に悩む後継者に私は呟く
ように説明した。

「つまり、市川さんは、私に一芝居打って、社長を引退させろと言っているの
ですね。結局、彼が作った会社なんですから、脇から私がそこまでして会社を
自分のものにするべきなのか悩みどころです」と彼は困惑する。
 背任行為ではないか。経営を私物化している。この話の過去の聞き手の主な
反応を、私も全部覚えている。所詮、創業者の金儲けの手段として始まった事
業体。しかし、そのような組織でさえ社員とその家族の生活を支えている。そ
のような組織でさえ地域に金を落とす。そのような組織でも顧客の役に立ち、
いつか当てにされる。

「背任になっても尚、何を守るべきかと言うことだと思うんですよ。で、どう
せやるなら上手くやったほうが良いに決まっているってことでしょうかね」。
「用意周到に」と最後に言いながら、私は自分の頭をこつこつと小突いて見せ
た。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

好評の『人材育成のレポート』の続編
『人材採用のレポート』初版がとうとう完成!!

クライアント各社様にて、
幹部研修のテキストとして、
そして、離職抑制対策の実践マニュアルとして活用されている
弊社代表執筆の『人材育成のレポート』。

このたび、その続編として、
中小零細企業における一般社員の採用の指針をまとめた
『人材採用のレポート』が
提携事業者である市場真理子の原文に
大幅な加筆修正をする形で完成致しました。

人材側から見て「不人気企業」である中小零細企業が挑むべき
マーケティング原理を各種応用した
一般社員としての新卒人材採用の原理を詳細に解説。
そして、中小零細企業の実態を精緻に検討した上での、
中途採用と新卒採用の功罪の対比。

年末は腱鞘炎を危ぶむぐらいの注力で書き上げました。
『人材育成のレポート』のテキストファイル91kBを大幅に超え、
『人材採用のレポート』はテキストファイル103KBとなりました。
読み応えたっぷりです。

ご希望の方にメールにて進呈致します。メールにてご連絡下さい。
 bizcom@msi-group.org

本文部分に、
 ●ご希望レポート名(複数可)、
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 ●お役職名、
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 ●お仕事の概要、
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 列記の上、ご送信下さい。

弊社サイトの関連ページも是非ご覧下さい。
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弊社代表のオリジナルブログが完成!!

 ● ソリアズのネタにもなっている留学時代の悪戦苦闘を描いた
 『 My Life In Klamath Falls 』(英文)
 ● 東京で見た映画の感想を備忘目的で書き留めた
 『脱兎見!東京キネマ』
 ● そして、勿論、弊社代表が足掛け10年書き続けて、今尚続く
 『経営コラム SOLID AS FAITH 』

 全部まとめて、ブログになりました。題して…
 MSI?TALES
 http://tales.msi-group.org/

 特に映画の感想を増量して40本分以上となりました。
 お楽しみ下さい。

使い勝手がちょっとイマイチかもしれませんが、
機能性の改善方法を現在検討中です。
カテゴリーの細かい分類が自慢です。
是非、お楽しみ下さい。

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
 発行しています。
 (http://www.mag2.com/ ) 
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 足掛け10年目。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
 第216話 『心の顕れ』 (1月25日発行)
 古いマーケティングの教科書を読み返してみて再認識したCI活動の本当の
意義。組織の理念を掲げたい、浸透させたいと言うリクエストが増加する中、
理念の形を考えてみました。

(完)