『ホームレスが中学生』

酷似したタイトルの、中学生が一ヶ月程度(と聞きましたが)公園で寝泊りすると言う映画が上映されるのと封切日まで同じくして上映されている、逆にホームレスが中学校に転入(?)してくる映画を六本木で見てきました。数年ぶりに行った夜の六本木は平日の夜でもかなり賑わっていました。いつもうろついている新宿の夜よりも人が多いように感じられました。

主役を務める「現役ホームレス」と言う話の芸人が歌う間の抜けた主題歌が、館内で延々流れ続けるのにはかなり閉口しましたが、映画そのものはかなり楽しめました。

唐突に「転入」してくるホームレスが、あっと言う間に、クラスの人気者扱いになって行き、さらに、彼をドキュメンタリー映画の題材に決めた映画研究会がその映画を完成させると同時に消え去るというストーリーなのですが、これは、ファンタジー映画なのだと、中盤ぐらいまで見てみてやっと理解しました。ホームレスが転入してくるときと消え去った後に、教室で教えられているのは、宮沢賢治の『風の又三郎』で、その主人公のような存在を、現代のホームレスで描いたということのようです。(最後に、青いテントシートをマントに主人公が空を飛んで去っていくシーンまであります。)

なかなか楽しませてくれます。体育の授業で、何メートルかを走るのですが、ゴールの先に50円玉を見つけて、いきなり猛ダッシュしてクラスメートを追い抜くなどのギャグもありますし、缶の回収で生計を立てる主人公を中学生が手伝うシーンなどでは、当然ながら、社会批判的な内容も盛り込まれています。中学生的な進路や勉強の悩み的なこと、さらに映画研究会の二人の淡い恋物語など、色々満載で、最後はそれなりに盛り上がって終了します。

パンフレットどころかチラシさえ映画館で入手できない状態だったので、サイトを見ていると、YouTube的画像満載で、知りたい情報を得るのには一苦労でした。完成試写会の中の発言で、酷似しているタイトルの映画のパロディだと言い切ってしまっているのが、潔くて好感が持てました。そんなパロディなのに、阿藤快や蛭子能収が大真面目にやってくれてます。阿藤快の典型的なオヤジ役は、演じていて楽しそうに見えました。また、女性陣は結構人気の和希沙也がメガネっ子の先生役ですし、グラビアアイドルだという望月美寿々とかいう子は、ほのぼの恋愛シチュエーションで、愛くるしさ全開です。

スラップスティック系のコメディ映画はあまり好きではないのですが、はるか昔子供の頃に何となくよく見た植木等の映画が思い出されました。主題歌が難ですが、やはりDVDは出たら買ってしまうでしょう。