『アイアンマン』

バルト9のかなり遅い回見てきました。

マーベルさんやるな。が第一の感想です。特撮も上手。キャラの描写も、これだけそこそこ売れセン役者を集めれば全く無理なし。ストーリー展開もスピーディーでムダを感じず、コンパクトにきっちりまとめてくれました。映画の冒頭のクレジットロールの背景は、スパイダーマンのシリーズと同じで、マーベル共通であると言うことが分かりました。

観ていないのですが、『インクレディブル・ハルク』には、今回の『アイアンマン』の主人公が、そのままの役で出て来ると言う話を聞きました。そして、今回の『アイアンマン』の最後には、マーベルコミックのヒーローキャラを一堂に集める企画のアヴェンジャーズについて言及する男が出てきます。と言うことは、エクスメンやら、スパイダーマン、ハルクに続いて、色んなのをどんどん映画化して、コミックのキャラ相互乗り入れ状態を、映画でも再現する気なのだろうなと思った次第です。(と思っていて、帰ってきてからパンフを読み込んだらそのように書いてありました)

上手いブランドマネジメントだと思います。切り売りしなくてはいけない理由が何かあるのかもしれませんが、最近連発され、(私の知る限り)不発を繰り返しているように見えるクロサワ映画のリメークものでも、このような発想を見習っていただきたいものです。

この映画の豪華に感じられるところは、私にはやはり役者です。ちょいと固めの秘書のような役割なのですが、私の知る限りグウィネス・パルトローの最も好感度の高い女性役ではないかと思われます。会場から出るときに、周りの女性客から、「あんまり美人じゃないのに、チョーカワイイ」などの声が何度も聞こえました。『スライディング・ドア』などの名作や『セブン』も好きですし、上手い役者とは知っていますが、好感がもてるキャラまでセットになったのは、目新しく感じました。

どちらかと言うと女優を見たくなることが多いのですが、今回の一番の注目は、ジェフ・ブリッジスです。私が好きな男優を上げろといわれたら、ウィレム・デフォー、クリストファー・ウォーケンぐらいがトップで、その次にティム・ロビンスやジョン・マルコヴィッチなどです。平たく言うとキレてる人とかおかしな人、エキセントリックな人を演じてぴか一な人が好きなのです。

第三波を挙げろといわれたら、入ってくるぐらいの感じの男優陣の中に、ジェフ・ブリッジスがいます。私にとっては、時々ウィリアム・ハートと間違ったりする程度の存在感ですが、『白と黒のナイフ』で気になり始め、『タッカー』、『フィアレス』、『隣人は静かに笑う』、『フィッシャー・キング』、『ビッグ・リボウスキ』などなど、彼の名演に支えられた好きな映画がかなり挙げられます。今回も坊主頭に顎鬚ぼうぼうで、渋い悪役でなかなかいい味を出しています。

と言うことで、マーベルさんの成功方程式が見えてきて、ちょっと臭みはありますが、見るところが凄く多い映画だったとは思います。DVDは買いますよ。