霧雨の降る日、渋谷で見てきました。
ミニシアターの会場に、結構客は入っていて、単館上映の形で長く上映され続けてきた、この映画の「力」を感じさせます。子供づれの客もいて、親の期待とは多分裏腹に、子供達は寝込んでいたり、何かで遊んでいたりしていて、全く映画に対する関心を失っていたのが印象的でした。
私は食べ物を残すのが大きらいですが、この映画を見ての一番の感想は、やはり、食べ物を無駄にすることに、単純に罪悪感をもてるようになることだろうなと言うことでしょうか。
頭のない魚を加工機械にセットするだけの仕事や、吊るされ、殆ど体を真っ二つにされた豚の前足を鋭利な鋏で切り落とす仕事など、各種のこのような仕事に従事する人々の在職動機などについて、つい、商売柄想像してしまうこと頻りでした。
基本的に何の解説もないどころか、ストーリーさえない状態で、どんどん映像を見せ続ける展開の映画ですが、考えさせられることは多々あります。おまけに、映像はどこをどう切っても絵になるような美しさを感じるものばかりです。例えそれが、血まみれの動物の屍の列であっても、余りに無機的であるが故だと思いますが、何かの美しさが、間違いなく存在します。
DVDは、出れば、間違いなく買います。