198 数寄の理屈

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経営コラム SOLID AS FAITH 第198号
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ご愛読ありがとうございます。第198話をお届けします。

 留学していた頃、三月はライオンのように訪れて羊のように去るとの英語表
現を習いました。四月も終わろうとする今も、ライオンと羊が交互に現れるよ
うな春の日々が続いているように思います。皆様は如何お過ごしでしょうか。
雨が続いても、花粉が飛ばなくなる分、私は喜んでいましたが、とうとう、マ
スクなしでも歩きまわれる時期になってほっとしています。

 200話発行まで、今号を入れて残す所二号となりました。既に継続的に告知
申し上げているように、200話発行記念特別号は、名著『下流志向』をモチー
フに前代未聞の6話連続企画のお祭り号となります。鋭意準備を進めておりま
すので、ご期待下さい。

 今回のコラムは、愛社精神について考えてみました。愛社精神を涵養するな
ど、言うは易く、仕掛けてできるようなことではないと、誰もが考えることと
思います。勿論その通りですが、何かしてでもそうならないかと問われると、
お引き受けしたくなるのが当社です。その経緯をまとめた一本をお届けします。
タイトルも久々に結構気に入っている号です。お楽しみ戴けたら幸いです。本
文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお
返事の目標納期は5営業日!!
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その198:数寄の理屈

「市川さん、幹部研修の提案、読みましたよ。良いと思います。しかし、実施
に当たって注文が一つあります。幾ら良い幹部を作る研修を行なっても、その
幹部が退職してしまうのでは話になりません。提案下さった教育を幹部に行な
う前に、まずは愛社精神を叩き込んで欲しいのです。愛社精神のない者への教
育など、金と時間の無駄です。私は市川さんの言動にウチへの愛社精神を感じ
るんです。市川さんは、どこの会社に対してもそうなのですか。クライアント
企業の後継者になるよう誘われたことも数度あるとか言う話でしたね。是非、
その愛社精神をきちんと分かる形にして、ウチの連中にも仕込んで下さい」。

 酒の席で酩酊状態に近くなったクライアント企業の社長の要望でも、請負業
者は真面目に取り組まねばならない。愛社精神涵養のメカニズムを構築できな
ければ、提案した研修が実施できない。デッドラインが押し迫る中、未曾有の
リクエストに打つ手はなかなか案出できない。行きつけるようになった創業2
7年の新宿のバーで、還暦のママから、「市川さん、アンタはジコチューで、
愛と言うものを知らない」と面と向かって断言されたこともある。言動に愛社
精神を感じるなど、錯覚と断じようかと何度も迷った。
 
 最近、曽野綾子著の『悪と不純の楽しさ』を持ち歩き、何度も読み返してい
る。危険な記述が満載の魅力的な本である。その中に著者が渡英した際に、侘
び・寂びの定義を聞かれるエピソードがある。答えるに十分な知識があっても、
簡単に答えられないものなら、答えるべきではないと言うのが著者の考えが続
く。
 
 帰宅して広辞苑を広げて、侘びをひく。「閑寂な風趣。茶道・俳諧などでい
う。さび」とある。寂びを引く。「古びて趣のあること。閑寂なおもむき」と
あり、「蕉風俳諧の根本理念の一」ともある。全く理解できない。侘び・寂び
は、何であるのか。各種の「道」の教えなど、定義による伝達が困難なのか、
共通の体験を通した体得を先行させている。説明はあと付けに過ぎない。
 
 件の会社の幹部達に集合してもらって指示をした。
「今度の研修の受講資格を審査します。私が退職を申し出てきた者だとして、
止めるように徹底的に粘って説得して下さい」。
 予想通りのできの悪さだったので、用意してきた台本を渡し、演技指導まで
して、執拗にロープレを行なった。皆、自社で働くメリットを滔滔と述べるよ
うになった。終了後、へとへとの幹部達が、「おかしな話ですが、自分が何で
この会社で寝る間も惜しんで頑張っているのか、今になって、何か分かったよ
うな気がします」と笑う。
 
 このロープレについて社長に報告したら、当初提案した研修のゴーサインが
出た。愛に疎い私は、愛社精神の定義が不問になって幸いである。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

まぐまぐ様より以前から新規に提供されていたのですが
長らく気付かなかったが故に放置されていた
弊社サイトの当コラム読者登録フォームを
最新バージョンに交換致しました。
 http://www.msi-group.org/SAF-index.html

以前のものでも登録・解除はできたはずですが、
新バージョンの方が、見栄えがよく、
さらに、登録と解除が一つのフォームで可能です。
さらにさらに、
読者登録規約へのリンク付となっています。
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【創刊以来最長の6話連続シリーズ 200話発行記念特別号】

前代未聞。未曾有の超ロングシリーズ
『斜陽の樹影』全6話をお届けすることとしました。
5月下旬スタート。

開始までの通常号は残す所、二話。

弊社提携IC担当者による
ソリアズのバックナンバーの振り返りや、『下流志向』の掘り下げなど…
周辺記事も充実! 乞うご期待。
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弊社代表のオリジナルブログが完成!!

 ● ソリアズのネタにもなっている留学時代の悪戦苦闘を描いた
 『 My Life In Klamath Falls 』(英文)
 ● 東京で見た映画の感想を備忘目的で書き留めた
 『脱兎見!東京キネマ』
 ● そして、勿論、弊社代表が8年書き続けて、今尚続く
 『経営コラム SOLID AS FAITH 』

 全部まとめて、ブログになりました。題して…
 MSI?TALES
 http://tales.msi-group.org/

使い勝手がちょっとイマイチかもしれませんが、
内容・機能性、共に発展途上中です。
コンテンツのカテゴリーも今後増加予定。是非、お楽しみ下さい。
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 9年目に突入。

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次号予告:
 第199話 『体験のポテンシャル』 (5月10日発行)
 個人で仕事をしていると、いつか仕事とそれ以外の生活は溶け合っていきま
す。色々な体験も経験も仕事に繋がるものと、そうではないものに、結果的に
分かれていきます。その分かれ目について考えてみました。
(完)