新宿の伊勢丹付近で見てきました。
それなりに混んでいて、原作の人気とプロモーションの成功を窺わせます。「全国の佐藤さん。あなた方は数が多すぎるので、減らすことにしました」とか言うキャッチは、やっぱり魅力的で、抗いがたいものがあります。しかし、その魅力も特定の人々には効かない様で、知り合いの佐藤さんに「一緒に見ませんか」と言ったら、にべもなく断られました。
前段で結構スプラッタ的なところもありますが、余り気になりません。佐藤さんだけが追い回される中で、他の人々は一応平常の生活を保っている奇異な世界は、まあまあ見る価値ありです。ただ、プロットがどうも甘すぎるように思えてなりません。妹の大ピンチを救えたメカニズムなどは、どうも「違う」様な気がしますし。あれだけ、佐藤さんが減った中で、足の悪い父親はどうして或る段階までは逃げおおせていたのだろうかとか、よく分からないことは結構あります。やはり、パラレルワールドの設定が説明はされるものの、よく熟成されていない感じが否めません。もしかすると、私の頭が悪いだけかもしれませんが。
人形のような状態で、病室のベッドに座る主人公の(妹の)少女の胸を、医者役の柄本明が揉みしだいたり、「チューしようか」とか言い出したりする場面は、「あらら?、さすが柄本明さん、やるなぁ。こういう役、ホントに違和感なくこなしちゃうよね」と感心しました。
原作か何かで先にファンが居る作品を映画化すれば、映画制作のリスクは回避できるよなぁと、色々考え込みました。若者の可処分所得が携帯電話などのコストで減る一方の中、友人たちとの話をあわせるために、最低限見るものを絞った結果、映画は一定時期に大当たりが一本、それ以外はちょぼちょぼと言う興行成績の分布になると、以前、MJか何かで読みました。今でもそうかどうか分かりませんが、この映画はその見本のようなものかもと考えました。
佐藤さんが追い掛け回される時間枠は毎日決まっているようです。どうして、その隙間で、役場に行って誰か別の姓の人と結婚して逃れようとする人が登場しないのか不思議でした。どうも色々謎は多いのですが、ときたいものは余りないので、DVDは買わないです。