192 付加価値の実技

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経営コラム SOLID AS FAITH 第192号
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ご愛読ありがとうございます。第192話をお届けします。

一月半ばの連休中にも、前号のPR欄で紹介した、弊社サイト新設ページに
は、かなりの数のアクセスがありました。ご関心を賜りまして、心より御礼申
し上げます。長いとのクレームは二三戴きましたが、内容の充実について、
「参考になる」、「気付きがある」などのコメントを戴いております。皆様の
営業組織の強化の一助となれば、幸いです。

今号から、200話発行特別記念号についてのお知らせを入れることと致し
ました。コアであるコラム部分は4回連続で、100話発行特別記念号のカウ
ントダウン形式とは異なり、200話からスタートです。企画を盛る毎に今後
随時報告したいと考えております。ご期待下さい。

さて、今年二回目のコラムは、付加価値作りの方針についてです。或る社長
との会話からで巡らせた考えをそのまま書きまとめてみました。起承転結のエ
ッジが効いていませんが、そのまま読んで戴きたいと存じます。本文に対する
ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標
納期は5営業日!!
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その192:付加価値の実技

「最近、自分にとって高い買い物をして、嬉しかった記憶は何ですか。『高い
買い物だったが、それ以上の価値はある。面白い。楽しい。これなら次回もっ
と高くても、たぶん購入するだろう』と言うようなものを振り返って思い出し
てみてください。長く付き合いたい市川さんだから、この話をしておきたいん
ですが」と真顔で、数百億円規模の資産家社長は私に話し始める。私より年下
のその社長は、アミューズメント系の店舗展開をしている。

「そうですねぇ。知り合いの女子大生が可愛い子なんですが、就職してOLに
なったので、ちょっと高めのビシッとした革の名刺入れを買ってやったことで
すかね。私にとってはそれほど高いもんではありませんでしたけど、彼女はと
ても喜んでいました。こんなに嬉しいのかと私の方が感動したようなぐらいで
す」。と応えると、ふんふんと社長は頷いて聞いている。

「なるほど。いいですね。それですよ。そういう体験をどんどんして下さい。
どんどん、その若い子にプレゼントをしてやって下さい。それで、その喜びを
ウチの店のスタッフ達に話して聞かせてやって下さい。私が言うより、市川さ
んが言う方が、彼らも納得して聞くことでしょう。
市川さんは、付加価値作りは、高い利益性を実現するために、相手の気に入
ることをもっとしてやることぐらいに思っていますよね。私の考えでは順番が
逆です。お客様には、金がどうのと言う前から、もっと喜んでもらうように努
力しなくてはならないんです。そうすれば、それが付加価値と感じられて、お
客様はもっとお金を払ってでも来て下さる様になります。『楽しい体験をした
ら、結果的に高いお金を払うこともあるが、それ以上の価値ある体験だったか
ら、また行こう』と言うのじゃなきゃ駄目です。だから、市川さんにも、高い
お金を払って得られるそれ以上の喜びをもっともっと経験して欲しいんです
よ」。

帰途、歩道脇の段ボール箱の寄せ集めから突き出ている浮浪者の足は、私の
ものよりかなり高価であろう革靴を履いていた。私のカバンは、一個1500円
ぐらいのプラスチック製ブリーフケース。電話はかなり古い機種のPHS。
「高い買い物を楽しめってかぁ」と嘆息する。

若い女の子にプレゼントを贈って喜んでいるバカオヤジ体験を振れ回る仕事
は気が重い。件の社長の言う高い買い物は、どうも身の丈にあっていない。何
よりも、付加価値は本当に、客に高い価値を納得するよう働きかけることでは
なく、客に嬉しくてたまらない体験をさせるよう心掛けることから生まれるの
だろうか。そうすれば、本当にいつもより余計な金は付いて来るのだろうか。
企画は性悪説で立てるのが鉄則。企画請負業者として、色々な依頼は受けて来
た筈だが、ここに来て、未曾有の依頼が頭を悩ませる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

弊社サイト 新設ページ
『典型的中小零細企業の営業機能改善』!
1月半ばの三連休中にも、アクセス多数!
多数の方のご関心に、心より御礼申し上げます。

感謝の印と言うほどのことでは全然ありませんが…
とうとう、ページ相互の移動のリンクも完成。
別途、随時、推敲を重ねて、
徐々に読みやすくなって来ております。

中小零細企業の潜在力と限界を強く意識した
営業組織の形成の一方法論。是非、ご一読下さい。
「なるほど」と頷いて戴ける内容が必ずあるかと存じます。

既存ページの
『営業基本定着』のページの子ページとして位置づけてあります。
http://www.msi-group.org/MSI-4sales.html

新設ページ
第一弾:『典型的中小零細企業の営業組織の想定』
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol1.html
第二弾:『中小零細企業の営業組織の改善の方向性』
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol2.html
第三弾:『中小零細企業の営業組織の顧客満足向上』
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol3.html
第四弾:『モデル的中小零細企業の営業組織の段階的改善』
http://www.msi-group.org/MSI-Sales-Strategies-vol4.html

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【200話発行記念特別号 鋭意準備中】

5月上旬の発行開始が迫る!

コアとなるのは、200話から始まる、
創刊以来最長の4回連続シリーズ。
題して『斜陽の樹影』。

100話発行の際は、98話からカウントダウン的に
3話のシリーズをお届けしました。

テーマは『XYZの彼方』。
「クビ切りの回避と動機付けの限界」をコンセプトに、
本来一つの長編の話を三話に分解して、
「できない社員をどうしたらよいか」と言う普遍的なテーマへの
三つの答えをケースごとに提示したものです。

●第98話  『適正設置義務』
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=192
●第99話  『至福の配給』
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=193
●第100話 『諸悪の根源』
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=194

200話から始まり203話までの今回は、
何度読んでも学びの或る一冊の本から、
日常を透かし見てみた話を、四回に渡って展開!
100話の際のコンセプトを更に掘り下げます。
※過去に唯一の四回シリーズ『愉悦のフライト』と異なり、
一冊の本の内容にテーマを絞り込んだ、凝縮感をお楽しみ下さい。

関連した企画を付加して、4回連続で構成される
特別記念号を企画しております。
随時、準備の経過を報告致します。お楽しみに。

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 9年目に突入。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
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★検索機能が楽しい。バックナンバー・サーフィンはブログで。
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次号予告:
第193話『降って湧く口実』 (1月25日発行)
営業担当者は、お客様との商談の際に、次に会うまでの約束をして来いと言
うのは、結構、古典的な教えです。自分が持ち歩いて読んでいる本について、
お客様が関心を持って下さったことから、お客様とのコミュニケーションの機
会の創出について考えてみました。ご期待下さい。(完)