188 充実の比喩

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経営コラム SOLID AS FAITH 第188号
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ご愛読ありがとうございます。第188話をお届けします。

8周年記念特別号の発行が無事終わり、常に10話程度の完成原稿のストック
を持つことにしているために、原稿の先行作成をしていたら、もうすぐ200話
に到達することに思い至りました。つい最近100話を突破したような気がして
いましたが、あっという間に約四年が過ぎ、第200話発行が目前です。通常の
発行原稿をどうするかは、思いついた順番で原稿を作成した結果でしかありま
せんが、何らかの企画を100話発行の際のように行なうとすればどうすればよ
いのかを、また考えねばなりません。悩みどころです。

PR欄では、もしかすると、弊社事業に関して、最初で最後かもしれない経
営誌の記事掲載についてお伝えします。

今回の号は、『充実の比喩』と題して、医療系の現場における丁寧な説明に
ついて考えてみました。他号に比べて、あまり意見やメッセージが含まれてい
ません。単に何か落ち着きの悪い状況をどのように解釈すべきなのかが分から
ないままに読者の方々に提示してみようと思い立ってまとめた号です。フツー
のコラムっぽい文章かもしれません。本文に対するご意見・ご感想をお待ちし
ております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その188:充実の比喩

二十年ぶりにメガネのスタイルを替えた。縁がなく、昔、怪盗ルパンシリー
ズの挿絵で見たモノクルを両目につけているような感じになった。鏡を見ると、
顔がむき出しのようで、もう十年来放って置いた目尻の大きなシミが気になり
始める。喫緊の問題ではないものの、妻が教える美容整形外科に行って、方法
論やらコストやら時間やらを聞いてみることにした。

医師が、「レーザーですと、一発2000円ほどかかるんですが…」と説明を始
める。照射中の痛みをかなり苦痛に感じる患者さんも居ますと、医師は説明を
続け、「その痛みはどんなものかといいますと」と、A4一枚のトークマニュ
アルのようなものを出して読み上げる。「えっと、いいですか。『痛みは、輪
ゴムで強く弾くような痛みがベースとなって、それと並行して針でチクチク刺
すような痛みが加わる』と言うことですね。必要でしたら、麻酔も可能ではあ
りますが」。
「なるほど。輪ゴムで弾かれながら、同じ場所を針でも刺される。SMでもあ
まりないシチュエーションですね。余計想像が難しいです」と考え込んで、看
護師の失笑を買った。

背骨がずれて歪んで来ると、胸に違和感が生じ、呼吸が苦しくなってくる。
そこで、今度は、掛かり付けのカイロプラクテッィクに赴いた。若い担当者が、
私の背中を揉み解しながら言う。「お客さんの背中はかなり酷い状態です。表
面は柔らかいんですが、奥の筋肉の強張り様は、かなりのものです。上から揉
んでも筋肉を解す所までなかなか至りません。例えると、低反発枕を揉んでい
る感じでしょうか」。
ここでも私はなるほどと頷かされた。その納得性の高い比喩が頭に刻み込ま
れた。帰途上のデパートの寝具売場にわざわざ立ち寄り、低反発枕を指で押し、
一方の手で自分の首を押してみた。

母が心臓疾患で電気療法のため入院した。その説明に図解はあったが、医師
が「コンセントに指を入れるとビリビリ来る所ではないですよね、そのような
電圧を…」などと言い出すことはなかった。医療の現場を取り上げたコミック
やドラマが増えているように感じる。「開かれた医療」の方針の下、医療現場
の矛盾が暴き出される様になったからだと聞く。その幾つかを読んでみても、
輪ゴムや針に例えて痛みを説明する場面には遭遇しない。

美容整形とカイロプラクテッィクでは、なぜ素人向けの説明が念入りに用意
されるのか。保険適用の可否。特定対象者群へ特に必要な配慮。色々考えて、
色々尋ね回っても、決め手となるような答えが見出せない。

顧客満足は良い驚きを与えること。分かり易い説明も丁寧な接遇も顧客満足
の構成要素。ただ、私には素人迎合の説明の技より、施術結果による良い驚き
が遥かに好ましい。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

どうも弊社事業が経営誌に掲載の模様!!

『戦略経営者』(株式会社TKC発行)12月号掲載予定と言うことで、
クライアントの株式会社ハラサワ様の勉強会の取材と共に、
弊社の「社員勉強会企画運営支援サービス」について取材を受けました。

既に原稿チェックもさせて戴きましたので、多分掲載して戴けるでしょう。
機会がございましたら、是非ご一読下さい。
※店頭販売はしていない経営誌とのことです。

★取材に関する弊社の方針:
通常、弊社では経営誌などの取材を原則的にお断りしております。弊社サイ
トで紹介している各種サービスのカテゴリーにおいて、何らかのコンサルティ
ング活動を展開しているものとの解釈の上での、取材依頼が圧倒的多数だから
です。
弊社の事業は、弊社サイトでも説明している「業務系対人コミュニケーショ
ン企画請負業」であり、弊社サイトのサービスカテゴリーは、過去に事業ドメ
イン内のご依頼を受けて完遂することができた案件事例やその原理を、便宜上
分類した結果に過ぎません。つまり、弊社は「社員勉強会企画運営支援」屋で
もなければ、「店舗目的定義活動支援」屋でも、「新卒育成定着企画立案」屋
でもありません。業務系対人コミュニケーション企画請負屋としてご依頼を受
けた結果、それらの分野の具体的結果を生みやすい方法論を偶発的に確立する
ことができたに過ぎません。
よって、業務系対人コミュニケーション企画請負業者としての活動について
の取材依頼が(過去に頂戴したことは一度もありませんが)来ない限り、弊社
事業への誤解を生むメディア露出の可能性が高いものと判断し、取材をお断り
することとしております。
今回の取材対応は、以前、税理士の方々への販売を企画する案件を手掛けて
いた際に、株式会社TKC様出身の方にお世話になった関係で、先方の事業展
開に関心があったというのが直接の理由の、非常に例外的なものです。

【ご参考URL】

●弊社サイト 「代表挨拶」(含む事業ドメイン説明)のページ
http://www.msi-group.org/MSI-passage.html
●弊社サイト「社員勉強会企画運営支援サービス」紹介ページ
http://www.msi-group.org/MSI-4sessions.html
●弊社サイト「社員勉強会企画運営支援サービス」好評事例紹介ページ
http://www.msi-group.org/MSI-Decentralization-Case.html
http://www.msi-group.org/MSI-OfficeWork-Improvement-Case.html

●株式会社TKC様 サイト トップページ
http://www.tkc.co.jp/
●経営情報誌『戦略経営者』サイト トップページ
http://www.tkc.co.jp/senkei/index.html

●株式会社ハラサワ様 サイト トップページ
http://www.harasawa-m.com/

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。
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毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず 9年目に突入。
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次号予告:
第189号『財の効用』 (12月10日発行)
価値観が多様化していると言われます。既に遥か昔から言い尽くされている
感があるでしょうか。価値観が多様化すれば、人によって嬉しいことが異なる
筈ですので、動機付け策も当然多種多様になる筈です。経営資源は有限なので、
動機付け策の種類を限定すれば、それが嬉しい人材ばかりが集まる結果になり
ます。動機付け策の多様化を考えてみました。
(完)