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経営コラム SOLID AS FAITH 第534号
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ご愛読ありがとうございます。第534話をお届けします。
今年も3分の1が終わろうとして、有耶無耶になりつつある通称武漢ウイル
ス禍が引き摺る中でゴールデン・ウィークが始まります。通称武漢ウイルス
禍と実質的宇露戦争の結果、経済のグローバル化にブレーキがかかり、まる
で第二次世界大戦前のようなブロック経済が現出しようとしています。輸入
すれば何とかなるはずのものが、とどまらない円安も相俟って、全然何とか
ならなくなってきました。
今月に入って色々なモノが値上がりしています。そして、平均すると年3%
ぐらいの勢いで、確実に最低賃金も引き上げられていきます。昨今の物価上
昇の中で実質賃金を守ろうとすれば、3%どころでは間に合わない賃金引き上
げを実現しなくてはならないかもしれません。「どうする?」と聞かれれば
「GOする」と答えたくなりますが、中小零細企業においてさえ、生産性を上
げて利益を確保し、付加価値を上げて値上げ余地を作り、最終的な価格引き
上げに生き残りの道を見出すのが定石です。そのプロセスに向けて躊躇なく
「GOする」必要が既にどの企業にも生じていると考えるべきでしょう。
問題は従業員が賃金引き上げに足り、更なる付加価値を実現するに足るほ
どに能力を伸ばしているかということです。放っておいて、自発的にどんど
ん能力を伸ばしていく労働者はほんの一握りです。努力好きの日本人気質は
やや褪色し始め、何やら休みなく取り組んでいるようでもナンチャッテ自己
啓発に励んでいるだけの意識高い系の人々だったりしますので油断できませ
ん。
中小零細企業に多くの場合“吹きだまってくる人々”は、組織が強いなく
ては、組織にとって望ましい能力向上が実現できないことでしょう。「ビ
ジョンを示し、やる気を引き出す」とされる本当の意味でのリーダーシップ
もその有効性が十分に検証されるべきであろうと思われます。引き上げられ
る賃金を前に能力が伸び悩む人々の扱いが、中小零細企業の大きな課題にな
る時代が迫っています。
今号は『時間凍結』というタイトルで、まさに、そのようなリーダーシッ
プ論の現実を考えてみます。ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴し
たご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その534:時間凍結
ここ最近モチベーションについて現場責任者や店長などが尋ねてくる。私
はモチベーションなどないよりはあった方が良いぐらいのものと認識してい
る。行なう仕事が何であれ報酬を得ているなら、職場にいる人々はプロだ。
モチベーションの大小も有無も関係なく業務を遂行するのがプロだろう。次
工程の人々は誰の仕事にも存在する。次工程の人を満足させるのが仕事であ
って、こちらの気分は次工程の人々に関係ない。
答え倦ねていると、「優れたリーダーはメンバーのモチベーションなど意
に介さない」という胸の空く見解をネットで見つけた。曰く、「優れたリー
ダーはメンバーにできる仕事しかさせない。モチベーションはできる仕事を
することで、勝手に湧く」。モチベーションの源泉には自己効力感があると
いう。できることばかりさせれば、モチベーションは確実に上がる。ミスも
クレームも失敗も最低限に抑えられる。業務の計画性は上がり、生産性も常
にハイレベルに保てる。一見良いことばかりで、頻りに頷く。
その職場のリーダーの仕事を考えてみた。「個々のメンバーのできること
を把握し、丁寧に指示してやらせる」、「個々のメンバーの仕事状況を把握
し、その把握している事実を認識させる」、「トラブルにはすぐ助言・支援
・代行をする」、「仕事が完遂したら個別に適切な方法でほめる」、「スケ
ジュール管理やコスト管理をすべて行ない、メンバーに余計なことを考えさ
せない」、「メンバーができない仕事に遭遇したら、できる人間に割り当て
直すか自分で代行する」。何かがおかしい。この職場のメンバー達は内田樹
が『下流志向』で言及した「無時間モデル」そのもので、全く成長の余地が
なく、その時間は止まっている。
ミスも増えるし生産性も下がるので、この組織ではメンバーにはできない
ことに端っから挑戦させない。アルダファの動機づけ理論でも最高位の「成
長」は全く存在せず、その下の褒められる「関係性」だけでメンバーは同じ
仕事を半永久的に反復する。企業、特に中小零細企業の経営環境は激変する。
「こんな硬直的な組織はあり得ない。早晩淘汰される」と考えた刹那、これ
はジョブ型雇用の組織であると気がついた。
日本企業に比べ海外企業はジョブ型雇用で生産性がやたらに高いと論う
人々は多い。そこで働く多くの人は日本より激烈に開いた社会格差構造の下
辺の人々で、食っていければ御の字で、まして長期休暇もつけてもらって限
られた日数勤務する職場では褒めてもらえる。ならば苦労を伴い自分に変化
を強いる「成長」の果実を欲しがらなくても良いだろう。海外企業の寿命が
総じて日本企業に比べて短いのも、この点が要因の一つかもしれない。
凍り付いた時間の世界で生きる人々。目先の生産性を追う組織。色々と得
心できる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR
「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
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『萬屋のもっと深く愛してい』第31回「記録メディア(DVD)」
前回はPCに接続できる「記録メディア」のなかでも、光ディスクの一つであ
る「CD-R」、「CD-RW」についてお話ししました。今回は「CD」と同じく
ディスクにレーザー光線でデータを記録し、読み取る光ディスクの一種であ
る「DVD」について紹介していきます。
数多くの規格がある光ディスクですが、1980年代に登場したCDやLD(レー
ザーディスク)を「第1世代」というのに対し、「DVD」は1990年代に登場し
た「第2世代」の一つです。
「DVD」は当初デジタルビデオの録画目的で作られたことから、Digital
Video Disk(デジタル・ビデオ・ディスク)の略称と言われていました。開
発が進むにつれてさまざまな用途に対応すべく、データを保存できるように
なるなどしたため、多目的を意味する「Versatile」に変わりました。現在
の正式名称はDigital Versatile Disk(デジタル・ヴァーサタイル・ディス
ク)と言います。
媒体の形状や記録・読取形式は「CD」とほぼ同じですが、一般的な「DVD-
R」は、「CD-R」の6倍以上となる4.7GBの容量があり長時間映像の記録を可
能にしました。標準画質の動画であれば2時間程度を保存することが可能で
す。デジタルカメラの写真1枚の容量を5MBとすると、1000枚近くの写真が1
枚のDVDに記録できます。
1枚約50円で購入できる「CD-R」と比べると、「DVD-R」1枚あたりの価格は
150円程度となり少々高くなりますが、容量あたりの価格では「CD-R」より
も「DVD-R」の方が安くなります。
さまざまな規格がある「DVD」ですが、主に「DVD-ROM」、「DVD±R」、
「DVD±RW」、「DVD-RAM」などがあります。「+」と「-」は企画を策定
した組織によって異なり、性能的な部分で明確な違いはありません。
「DVD-ROM」は読み出し専用で、「DVD±R」は1度だけ書き込みが可能です。
書き換えはできないため、データ保存や映像ディスクの作成に適していま
す。「DVD±RW」は書き換えが可能で、定期的なデータのバックアップに向
いています。「DVD-RAM」も書き換えが可能で、頻度の高いデータのバック
アップに適しています。
このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『…「透明資産」実践ビジネス活用術』 勝田耕司 著
■『デジタルマーケティングの定石』 垣内勇威 著
■『オレンジの悪魔は教えずに育てる …』 田中宏幸 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
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次号予告:
第535話 『血塗れの覚悟』 (5月10日発行)
或る映画で語られていたらしい恋愛論を適職幻想に演繹してみました。お
付き合いください。
(完)