533 覗き窓の世界

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経営コラム SOLID AS FAITH 第533号
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 ご愛読ありがとうございます。第533話をお届けします。

 早いもので500話を超えてから既に600話までの道程の3分の1に到達しまし
た。1年に24話が発行されますから、100話は約4年です。古い号をお読みい
ただくと分かりますが、創刊当初は100話到達で終了しようとしていた当コ
ラムですが、何となく書き続けることができ、ズルズルと今に至っています。
将来には「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸が、合資会社MSIグ
ループも引き継ぎ、当コラムの発行も引き継ぐと考えています。

 奥田は既に合資会社MSIグループの社員(合資会社では出資者のことです)
にもなっていますし、当コラムでもコラム二本を常に担当しています。そう
いった展開を徐々に進める時、クライアント企業経営者とも語ることの多い
「ゴーイング・コンサーン」の重みと難しさの両方を感じます。通称武漢ウ
イルスの蔓延から企業の廃業・解散が増加して久しくなりましたが、補助金・
助成金が尽きるタイミングが来るであろう近い将来、今度は倒産件数の増加
が見込まれると噂されています。

 そのような中で弊社に求められるサービス自体は元々多様なのでそれほど
大きく変化していませんが、お求めいただく背景理由は多様化し、お求めい
ただく頻度は上がっているように感じています。長く続けられそのお客様に
支持される事業を、弊社も長く続けつつ支援してまいりたいと考えています。

 今号は『覗き窓の世界』というタイトルで、スマホから発信される情報の
性質、取り分け、受け手の思考や言動に与える影響面での性質について改め
て考えてみたものです。内容そのものに大きな違和感を持たない方が多いか
と思いますが、その認識を自社のマーケティング活動に反映させてみると、
これまでの思い込みや誤解がたくさん発見できるかもしれません。是非本文
をお読みになって暫しご一考ください。ご意見・ご感想をお待ちしておりま
す。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

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その533:覗き窓の世界

 山手線に乗っていても、もうちょっと近郊から地方部に至るような電車に
乗っていても、スマホに向かって一心に何かをしている人と雑誌・本などの
活字を読んでいる人、そしてそれら二つ以外のことをしている人の三グルー
プの数的バランスを意識するようになった。
 
 通勤時間帯がまだ始まりかけてさえいない早朝の都心に向かう電車では雑
誌・本のグループに今尚新聞が加わる。活字グループが多分最も多数派にな
る数少ない時間帯。一人で電車に乗っている時、私は本を読むか、車中の人
や広告、社外の景色を見ている。スマホでその場で見なければならない情報
はあまりない。ゲームはPCの大画面でやった方が操作も楽でダイナミックに
楽しめる。待ち合わせなどの最低限の情報のやり取りが必要になる時はある
が、急いでいるのに複雑な用事は、タイム・マネジメント的にも移動中の処
理に向いていない。結局、一時期持っていたスマホは捨てた。所謂ガラホを
持って、それが技術環境的に維持できなくなったらスマホに戻るだろうが、
多分あまり使わない。
 
 スマホ利用の脳に対する影響について数々の調査結果が出揃い始めた。過
剰使用は不眠や鬱を起こすなどの話は、どちらかというと、依存症として捉
えるべきかもしれない。スマホの画面の情報を熟慮せず受容する習慣がつく
問題を指摘するのは少数派のように見える。データ・サイズなら文字より画
像も動画も大きい。しかし人間が採取できる思考の原材料情報の量なら、ス
マホは現状やけに貧しい。

 垣内勇威による『デジタルマーケティングの定石』は、従来当たり前のよ
うに思われてきたウェブ運用のありかたを強烈に批判する問題の書。3万サ
イトの定量分析とユーザー行動観察の定性分析を重ねてきた垣内は、デジタ
ルマーケティングの限界の一つとして「3秒以上の営業トークは無視され
る。」と書いている。さらにその説明で、「ユーザは自分の好きなもの以外、
一切見ない。」、「デジタルでは、ユーザに新しい気づきを与えることが極
めて困難。」
と言っている。
 
 光の屈折や色の原理を知っていると、美しい万華鏡の画像がなぜ生まれる
のかがかる。万華鏡だけを覗いていて、物理の授業で習う光の性質について
思いを馳せる人間はあまりいない。覗く者は自分の好きなもの以外は一切見
ず、新たな気づきも学びも生まない時間を徒に蕩尽する小さな覗き窓。それ
が多くの電車内の人々を魅入らせて止まない。

 垣内は「デジタルでは見込み客の質を高められない。」とも言っている。
スマホの研究者によれば、ゲイツもジョブズも自分の子供には自社の素晴ら
しい技術の結晶を与えなかったらしい。見込み客以前に人間の質も高められ
ないことが多いのだろう。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
働いている従業員のほとんどが若い女性の職場で
日常の人間関係の状態を感情論で解釈してしまうことが
多くのトラブルの原因になっていることがよくあります。

組織全体でお客様のサービスを実現する目的感を基に
自分自身や周囲との人間関係を見直す面談を実施しています。
20代前半のアルバイト・スタッフたちも
組織人として自覚を持つ方向に育っていきます。

女性社員活用の考え方は、
以下の合資会社MSIグループのページをご笑覧ください。
http://msi-group.org/msi-report-on-college-grads-and-females/

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『萬屋のもっと深く愛してい』第30回「記録メディア(CD-R、CD-RW)」

PCに接続できる外部記憶装置を「記録メディア」と総称し、紹介していきま
す。代表的な記録メディアとして、光ディスク、フラッシュメモリ、ハード
ディスク(外付けハードディスク)に分けられます。

光ディスクとは、CDやDVD、Blu-ray Discのように、ディスクにレーザー光
線でデータを記録し、読み取る記録メディアを総称したものです。

光ディスクの一つである「CD-R」、「CD-RW」についてお話したいと思いま
す。知らない方がいないほど普及しているものだと思いますが、フラッシュ
メモリ、ハードディスク(外付けハードディスク)と比較して、価格が安く、
入手もしやすいという特徴があります。

1988年に太陽誘電が消去や書き換えはできないCDである「CD-R」を開発し、
1989年6月から販売を開始しました。その後、消去や書き換えもできる
「CD-RW」がリコー、三菱化学メディア、ソニー、フィリップス、ヒュー
レット・パッカードの5社による共同開発で登場しました。

そして、CDよりも大容量の記録が可能な「DVD-R」、「DVD-RW」、さらに大
容量のBlu-ray Discである「BD-R」、「BD-RE」が登場しています。「DVD」
「Blu-ray Disc」については次回以降で詳しく紹介していきます。

「CD-R」、「CD-RW」はディスク1枚の単価が安いので金銭的な負担にならず、
会って手渡ししたり、郵送したりすれば、受け渡しが簡単にできるのが利点
です。バックアップや記録メディアごと相手に渡してしまう場合などには、
CD-R、CD-RWが適しています。

700MB(約0.7GB)の容量がある「CD-R」、「CD-RW」は、価格は約50円、1GB
あたりのおよその価格は71円です。700MB(約0.7GB)という容量は他の記録
メディアと比べると大きくはありませんが、WordやExcelの文書のほとんど
は数十~数百KBなので1000ファイル以上記録することができます。

各種文書ファイルや、1、2日程度の短い旅行で撮影した写真をバックアップ
したり、受け渡しのためにファイルを記録したりする場合には、最適の記録
メディアです。

このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『ヤクザと原発』 鈴木智彦 著
■『実録!ビットコイン&仮想通貨の深い闇』 猫組長 他著
■『古武術でカラダがみるみる蘇る』 高橋佳三 監修
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ ) 

毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け23年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
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子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行状況
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次号予告:
 第534話 『時間凍結』 (4月25日発行) 
 流行りのジョブ型組織で働く人々のモチベーションのありかたについて考
えてみました。お付き合いください。

(完)