174 砕けた力

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経営コラム SOLID AS FAITH 第174号
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ご愛読ありがとうございます。第174話をお届けします。

とうとう、今年もゴールデンウィークがやって来ます。当社では、決まった
祝日や休日のない夏休みは、事実上存在せず、年末年始とゴールデンウィーク
が年間を通しての休み時間となっています。この間に、各種の資料整理や提案
資料作成、PCなどの購入・設定など、普段できないことを一気に片付けるこ
とが習わしになっています。今年は、多分、ネタのメモの状態で溜まってしま
った、10話分以上のソリアズの原稿化が一番の課題かもしれません。皆様は、
如何お過ごしの予定でしょうか。

ありがたいことに、関東圏でのお引き合いは、どんどん戴けるようになり、
前号でも報告の通り、東京に拠点を構えることもさることながら、並行して、
提携事業者の募集を強化する必要にも迫られてまいりました。弊社の事業の方
針を容れて、弊社の案件処理をお手伝い戴ける個人事業主の方の募集をしてお
ります。詳しくは、PR欄をご覧下さい。

さて、今回の号は、『砕けた力』と題して、組織における権限によらない力、
「インフォーマル・パワー」の行使について考えてみました。読者の皆様の参
考となるところがあれば幸いです。それでは、本文に対するご意見・ご感想を
お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その174:砕けた力

「プロダクト・マネージャーと言うものになって下さい。プロダクト・マネー
ジャーとはどんな仕事か知っていますか。プロダクト・マネージャーは、自分
の商品の、所謂マーケティングの4Pに出てくる全設定項目について、企画し、
実行し、把握し続けるマーケティング担当者のことです。マネージャーとは言
いますが、これは職位としてのことではなくて、プロダクトをマネジメントす
るということです。だから、プロダクト・マネージャーは、大抵主任か係長ぐ
らいの職位です」
写真用フィルム会社のマーケティング部門に、マーケティング職未経験で中
途入社した。勤務初日に、新しい上司は私の仕事について、二次面接の際より
数段詳しく説明した。

マーケティングの4Pの全項目設定を言うは易く、実際に設定するのも、そ
う難しくはない。一番難しいのは、それを「実行すること」と分かるのにそれ
ほど時間は掛からなかった。正確には「実行させること」である。

取引先の卸会社への配送方法を決めて手配をしても、国内物流部門の課長か
ら内線電話がなって、「どうして、こんな急な出庫なんだ」と詰られる。リベ
ートの支払いの伝票を切ると経理部長から。高コスト覚悟で本社から空輸を決
断すると、国外物流の課長から。かなり嗅ぎ回って練った新什器のデザインを
決めると、営業課長数人が。皆、詰問しに迫り来る。入社時の上司の説明通り、
本当は主任レベルの似非マネージャーは、マネージャーに対して発動する強権
がない。できることは常に説明と説得しかなかった。

何か行動を起こす前に、説明や説得の手間を省くために、主要顧客や倉庫会
社、営業担当者に経理課長。関連しそうな人々と雑談の時間を大量に設けて、
彼らが嬉しいことを探り尽くすことにした。誰にどんな交換条件を出せば、こ
ちらの言い分を飲むかが読めてくると、徐々に仕事が捗るようになる。転職し
ても部下を持つような立場になっていない私は、組織内で何をやるのでも、基
本的にインフォーマル・パワーの行使しかなかった。

管理者ではなく、リーダーが求められていると言う。その類の書籍に依れば、
管理者は答えを与え、リーダーは問いかけると言う。管理者は命令し、リーダ
ーは示唆するともある。ただの企画請負業者の私は、きちんと学んだこともな
く、理論も何も知らないが、流行のコーチングも、アクション・ラーニングも、
ファシリテーションも、そして、多分、SPINなどの聴く営業手法なども、
本質的な原理は、権限に依らず人を動かすための方法論として括ることができ
るだろう。

私が企画運営する勉強会を見て、クライアントの経営者は、一様に「答えを
言わせるように導いて、自分で判断したことになっていることを自分で実行さ
せるんですね」と驚いて下さるので、似非マネージャーの経験は役に立ってい
る。管理者が鬼になっても社員には面従腹背の道がある。社員には命令せず、
示し、唆せば良い。リーダーとして必要な「示唆」。含蓄溢れる言葉である。
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次号予告:
第175号 『余命の堆積』 (5月10日発行)
社長は何のために事業をやっているのか。普段なかなか意識しない疑問です。
そんなことを数人の社長との会話の内容をつむぎつつ考えてみます。(完)