167 生の教え

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経営コラム SOLID AS FAITH 第167号
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ご愛読ありがとうございます。平成19年発行の第一回目は、第167話をお届
けします。

弊社では、恒例のA4版葉書の挨拶状を用意致しまして、お世話になった皆
様の仕事始めが落ち着いてきた頃を見計らっての発送をしようと、この号の配
信設定をしている三賀日現在、鋭意、宅内印刷に励んでおります。皆様の年末
年始のお休みは如何でしたでしょうか。

さて、今年最初の『経営コラム SOLID AS FAITH』は、『生の教え』と題し
て、弊社で講義内容の企画を担当している大学の就労観教育のクラスの学生の
問いかけを中心に描いてみたものです。年始の挨拶状にも図解致しましたが、
世の中では「少子化の進展による学生の“売り手市場”就活」が取り沙汰され
ていますが、その裏で内定が貰えない学生は、全く就職の見込みが立たないの
も現実です。語弊を恐れずに言えば、「不人気人材と不人気企業の不本意なマ
ッチング」をどう解決するかが、就職バブルの再来と喧伝される「今」の大き
な問題の一つと感じられてなりません。

シリーズではありませんが、今号と次号の内容が、そのような現状などにつ
いてお考え戴く参考となれば幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ち
しております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その167:生の教え

中小零細企業の経営情報誌の出版社に勤務していた頃、勤務地は繁華街スス
キノのど真ん中。事務所はオフィススペースとは名ばかりの、上下がホテルの
客室とフロントと言うビルのワンフロアにあった。そのフロアも幾つかの廊下
沿いに幾つかの部屋に仕切られており、面積にして半分ぐらいはその出版社が
使っていたが、残りの部屋は風俗業のアウトソーサー数社が使っていた。

日々、廊下を通りすがりに見ると、シャンプーだのローションだののボトル
がケース単位で納品される。夏、開け放たれたドアの内側に、輪ゴムをかけた
タイムカードの束。風俗嬢達の勤怠管理の代行までしている様子の会社もある。
白衣を着た人が健康診断結果を説明している声が聞こえたこともある。電卓を
手早く叩いては、伝票を処理する女性。カタカタとパソコンに入力を続ける女
性。事務の風景は効率良いオフィスそのものである。

締切りの近い夜、残業をしていると、「ヘルス、ここっすか」とドア口に立
つ若い男性。突如のことに「ヘルスス?」と聞き返す。ヘルスマッサージの店
舗スタッフの面接に来たらしい。採用代行まで行なう広く柔軟なサービスメニ
ューに驚かされたのを覚えている。

独立してからすぐに大学で学生にキャリアパスなどを教えることとなった。
或る日、講義を終えると、一人の男子学生が近づいて来て言う。
「先生、質問、いいっすか。あの、セイサン業の管理の仕事って、どんな感じ
ですか」。
「ああ、製造業のこと?ものづくりはモノになるのに時間かかるかもよ」。
「いえ。その。あの。性の産業のようなことなんですけど」。
「あっ。じゃあ、よく言う射精産業の話?」。
「あ、それです。叔父がその商売で店を3つほど持っていて、他に就職口がな
いなら、継げって言うんです。教授とかに相談しても、ただ止めろって言われ
るだけで。自分ではそれでも良いようには思うんです。先生はどう思いますか」

得心して、私は応えた。
「自分でもそれで良いのなら、きっちりやってみたら?別に合法な商売でし
ょ?ただ、すぐ入るのは薦めないよ。あの商売って、流行廃りは激しいし、ス
タッフは管理が大変だし、色々法規制はあるし、叔父さんのやり方だけ修行し
て今は良くても、先行きは難しいかもよ。入社の前にその業界のことを色々勉
強したら、どうだろう。中小企業の後継者とかによくあるパターンだけどね」
と言って、驚きの業界アウトソーサーについて話す。

「あり場所は分かっているから、『企業研究してます』って、きちんと話を通
したら、会社説明ぐらいしてくれるんじゃないの。危ない会社には見えなかっ
たけど。何にしても、業界研究・企業研究は就活の基本でしょ」というと、
「先生、聞いて良かったです。」とにこやかな顔で彼は去って行った。

社会の歪みも人々の欲望も、すべて生業の種であると独立してから体感した。
だから、そのナマの学びをきちんと教え伝えたいと思っている。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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≪年始特別企画≫
年頭に当たり、人事政策の見直しをお勧めいたします。
拡がる若手労働力の質の格差。二極化に対応した人事政策を検討しませんか。

不人気企業(中小零細企業・不人気業種企業・3K企業など)と言えども、
若手人材を確保し続けねば、事業の存続はままなりません。

一方、若手人材は質において二極化し、
上位層は人気企業(大手企業・有名企業・高好感度企業など)と
人材ビジネス各社が浚って行きます。

そうすると、不人気企業の、採用コスト、育成コスト、離職の投資ロスは
どんどん膨らみ、(逸失利益も含めると)膨大な額になります。
※新卒大学生を採用して、半年教育した後に、離職されるとすると、
一人あたり粗利ベースで一千万円以上の損失のケースもあります。

この状況下で、不人気企業の取るべき道は…
1)発生コストに耐える収益力の改善を図り続け、現状の人事政策を維持する
2)存続を諦め、採用を控え続け、利益を追求する
3)本質的な企業ブランドの構築により、人気企業になる
4)不人気人材を取り込み、戦力化するメカニズムを内部に構築する
のいずれかでしょう。

『不人気人材を取り込まねばならない不人気組織体の経営』と題した
構造解説モデル図を年始の挨拶状の一部として作成致しました。
ご希望の方に、(ご主旨確認の上)進呈致します。

ご住所・ご氏名・御社名・部署名・お役職名を明記の上、
メールにてご一報下さい。
※タイトルは「モデル図希望」で結構です。
bizcom@msi-group.org
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合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第168号 『必然のリサイクル』 (1月25日発行)
自宅の最寄駅の名前を漢字で書けない説明会参加者。低質の若手労働力の戦
力化について、先進事例の幾つかに接した感想をまとめた号です。ご期待下さ
い。(完)