164 公認の未曾有

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経営コラム SOLID AS FAITH 第164号
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ご愛読ありがとうございます。第164話をお届けします。

北海道では、雪が舞い始めています。寒さも本番になりつつありますが、皆
様、如何お過ごしでしょうか。

今号は、顧客が認識する自社の強み、つまり差別化に有効な優位点について
考えてみました。PR欄では、とても分かり易いと大好評の、弊社サイトの差
別化解説ページを紹介します。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしており
ます。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その164:公認の未曾有

北海道庁に電話をかけて、二人目の担当者が出てから、また保留音をしばし
聞いている。個人事業主として独立して、個人事業税を北海道に払うこととな
り、税率決定には業種確認が必要だから連絡せよとの手紙が来た。電話をして、
担当者が応じ、業務内容を説明する。経営コンサルタントでもない。研修講師
でもない。大学で教えているものの、非常勤講師だし、その収入も限られてい
る。採用や研修の企画立案が或る程度多いとはいえ、代行もする。首切りの面
接も手伝えば、営業担当者の持つツールのデザインもする。ホームページの立
ち上げも手伝う。

これでは業種が特定できませんねと担当者は嘆息し、保留音となる。そして、
第二の担当者に電話口で大方同じ内容を説明する。なるほど、これは難しいと、
その人物も言う。独立当初から、事業ドメインの定義上で、同業者を見たこと
がなく、珍しいものと知ってはいたが、オカミにまでその珍しさを証明して戴
いた。「お父さんのお仕事は何?」と問われたら、「企画屋」と答えるよう4
歳の娘には言い聞かせてある。

「幹部会議で社長と自社の強みについて話をしたんですよ。『他店とは違うと
言うことに自信があるなら、それをパネルにして店内に貼り出せ』と社長が言
い出したんですよ。近くの競合店に比べて、この点とこの点がウチは凄いと、
説明してみろってことですね。全く困ったもんですよ。どう思いますか」と、
クライアントの大型チェーン店店長が言う。

「それは斬新なアイディアですね」と、私は、あははと笑いながら応える。
「だけど、そんな風に書き出したら、すぐにその競合店とやらは、自社の劣っ
ているところを直すんじゃないんですかね。大体にして、差別化された優位点
とか言うのは、お客に意識されるべきもんなんでしょうか」と、続けた。

「弊社の強みは何でしょうか」と既存顧客に問う調査を、二桁の中小企業の後
継者に実施してもらったことがある。各々のケースで回答の方向性はほぼ一致
しているものの、自社が意識的に取り組んでいることと必ずしも一致しない。
顧客の半分無意識の支持によって、自社の強みは芽吹き育つ。強みを重ねて研
ぎ澄ませば、どの企業にも似ていない会社ができる。それは同業他社が事実上
居なくなることなので、比較広告もできない筈であろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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『差別化が簡単に分かる!』と大好評。
弊社サイトの人気ページ。
差別化解説シリーズ3ページを改めてご紹介。

1ページ目
『中小零細企業の差別化の構造を考える』
他社と違うことさえすれば差別化なのか。コア・コンピタンスとは何なのか。
差別化とそれを形成する要素について解説するページです。
http://www.msi-group.org/MSI-Differentiation-vol1.html

2ページ目
『中小零細企業の差別化と顧客ニーズの関係を考える』
顧客から支持されてこそ、差別化は利益につながります。顧客ニーズ把握の
方法論の解説と共に、差別化をすべき競合他社の位置づけについて解説するペ
ージです。
http://www.msi-group.org/MSI-Differentiation-vol2.html

3ページ目
『中小零細企業の差別化の実践』
前の2ページの内容を受けて、中小零細企業でもできる、お金の掛からない
顧客ニーズ把握から、まず眼前の顧客接点から、少しずつ確実に差別化を進め
る方法を具体的に説明するページです。
http://www.msi-group.org/MSI-Differentiation-vol3.html

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次号予告:
第165号 『風の感じ方』 (12月10日発行)
「若手の離職を防ぐと収益は伸びますか」との質問への答えをまとめてみた内
容です。勿論、因果関係は必ずしも明確ではありません。考えてみると、経営
に関わることは、何でも仮説であって、「ああだから、こうなる」と、はっき
りしているものではありません。経営を考える上での仮説の重要性を考えてみ
ました。ご期待下さい。(完)