504 ビオトープの日々

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経営コラム SOLID AS FAITH 第504号
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 ご愛読ありがとうございます。第504話をお届けします。

「京大 集団免疫 コロナ」というキーワードで検索すると、昨年の段階で
日本人には集団免疫が広くできつつあり、通称「武漢ウイルス」の流行は年
末に終焉するという主旨の記事がずらりと並びます。京都大学大学院の上久
保教授の説で、昨年段階で教授の「共同研究チームが10~80代のボランティ
ア約370人の抗体検査をしたところ、全員が新型コロナのIgGを持っていた」
と記事には書かれています。

 勿論、流行が終焉しつつあっても、重篤になる人もいますし、残念ながら
死者も出ます。しかし、死者の方は、他の疾病で亡くなった方がたまさか
PCR検査陽性ならば、通称「武漢ウイルス」で亡くなった死者としてカウン
トされるので、かなり水増しされた数字と言われています。ワクチンも検査
薬も治療薬もすべて揃っているインフルエンザでさえ2019年には3000人以上
の死者が出ていますから、まる1年を経てワクチンもなくこの程度の死者し
か出ないのは、社会的被害で見ると大きなことではありません。

 おまけに、通称「武漢ウイルス」に感染するとウイルス干渉でインフルエ
ンザに罹りにくくなります。インフルエンザよりかなり弱毒性である通称
「武漢ウイルス」に罹った方が死の危険は低くて済むことも考えられます。
経済を圧迫して大量の自殺者まで出して、集団免疫が揃わない他国の狂騒に
歩調を合わせることの是非は総合的な視点で考えられるべきだと思います。

 さて、4回にわたる500話発行記念特別号シリーズも無事終了しました。通
常号に戻った今号は『ビオトープの日々』と題して若者の就労観について考
えてみました。若者だけではなく、老人でさえ、その時点で持ち合わせた自
分の短い物差しでは測ることができない事態に人生の中で遭遇することが頻
繁に起きます。若者の場合、それがよく起きるのは初めての就職先において
かもしれません。そんな場面から物差しをその都度伸ばしていくことを考え
てみた内容です。ご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想な
どへのお返事の目標納期は5営業日!!

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その504:ビオトープの日々

「じゃあ、みんなが結構きつめの運動系の部活の先輩だったとしよう。たと
えば、バレーボール。そう。『ハイキュー!!』みたいな世界。そこに入って
きた一年生が何か経験がある訳でもない素人なのに、『こんな練習は非人間
的です。自分に合った練習方法は自分が一番よく分かっています』とか、い
ちいち激しい練習内容にいちゃもんをつけてきたとしたら、みんなはどう思
うかな。ちょっと中てて聞いてみようか」。

 或る私立大学で私が担当した『職業を知る』という講義。ビジネス誌の記
事が資料。記事には、GMSに大量に採用された大卒女子の一人が配属された
家電売場で孤立して退職に至った経緯が紹介されていた。その家電売場は他
店に比べて売上が低く、店長以下テコ入れに一丸とならなければならなかっ
た。特別対象品は売れ残ると社員が自腹で買うことにさえなっていたようだ。
彼女はその職場体質が嫌だった。当然売上成績も上がらない。

 彼女は時間をかけて対応するので売場に来る老人達からの評判はよく、
GMS全体のアンケートで客から名指しで感謝されたこともある。或る日、彼
女は職場のミーティングで「こんな売らんがなのやり方はおかしい。皆に喜
ばれる丁寧な対応をすべきだ」と発言してみた。先輩社員達は彼女の提言を
あっさり否定した。それからすぐ彼女は退職を決めた。
 
 ここまでで、学生達に意見を求めると、皆女子社員に同情的だった。しか
し、私が「彼女の毎月の給料を彼女は自分で全然稼げていない。先輩達が苦
労して稼いだ売上で食わせてもらっている扶養家族状態だ」と指摘すると、
突如風向きが変わった。そして、『ハイキュー!!』の練習に言及すると、も
う誰一人女子社員の肩を持たなくなった。
 
『置かれた場所で咲きなさい』なる本が流行り、それへの批判的な意見もよ
く目にするようになった。そんなことをしていたら、ブラック企業で酷使さ
れるだけだ。経済成長を前提とした昭和的価値観の時代錯誤の考え方だ。平
成・令和では、「適した場所に移って咲きなさい」が大事だ、と言う。本当
だろうか。大体“適した場所”はどうやって分かるのか。

 講義終了後。一人の学生が「先生だったら、あの女子社員にどう助言しま
すか」と問う。
「『何のために大学出たの?その手の本なんて幾らでもあるから、先輩達も
見返せる売り方を自分で考えて作ればいいじゃん。通販番組のトークを真似
してみるとかも良いし。それで先輩達に自分の丁寧な接客も真似させたら良
い。ちゃんと売れるのが会社が求めていることなんだから、上手く行けば会
社ごと味方になってくれる。そうすれば、仮に転職しても活かせる能力が身
につく』かな。あ。けど、まあ、もっと簡単な答えもあるな。『俺に仕事を
くれ。売れるようにするから』かも」と、馬鹿みたいに笑えるのを堪えて私
は言った。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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『萬屋日和』 「会社の萬屋 企画改善請負本舗」からのPR

「会社の萬屋 企画改善請負本舗」の奥田美幸です。
今回の号から新たに連載を書く機会をいただきました。
その名も『萬屋のもっと深く愛してい』。

ICTに関するアレコレの中小企業における活用方法について考えていきます。
少しでもお役立ていただける内容となっていたら幸いです。

今後以下のブログからもご覧いただけますので、ぜひご笑覧ください。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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『萬屋のもっと深く愛してい』第1回「IoT」

IoTの仕組みを利用して、例えば、人手不足の解消や業務効率化などに繋げ
ることができます。ある製造業の会社では、機械の稼働率には余裕がありま
したが、人手不足の問題から製造工程の監視の人員を増やすことができず、
これ以上稼働率の向上を見込めない状況にありました。そこで、インターネ
ットにつながったカメラを設置し、すべての機械の稼働状況のデータを取得、
管理用のパソコン画面上に表示し、一括で把握できる仕組みを整えました。
製造ラインの監視を少人数でも行なえるようになったことで、結果として、
従来と同じ人数で機械の稼働率を高めることができ、1.5倍もの生産量向上
に繋がったと言います。

「IoT」とは、Internet of Thingsの略で、「モノのインターネット」と訳
されます。さまざまな「モノ」がインターネットに繋がることで、その「モ
ノ」から個別の情報を取得でき、その情報を元に最適な方法でそのモノを制
御できる仕組みのことを表しています。中小企業ではなかなか導入までの
ハードルが高いと思われているようですが、上述のようにIoTを活用した、
中小企業向けに作られたシステムも増えてきています。

導入には、まず社内のネット環境の構築が必要です。また、万が一何かトラ
ブルが起きた時にも迅速に対応できるよう、IoTの仕組みを理解した社員が
いると望ましいです。

さらに、IoTを導入する前段階として、業務全体の流れを把握した上で検討
することを強くお勧めいたします。IoTに限らず、新たなシステムを導入す
る場合なども同様ですが、部分的に理解しているのではなく全体を理解して
いる方が適切な置き換えを考案することができます。そのためにも、検討段
階で業務の流れ全体を見直すことが必要となるのです。

このテーマについてさらに詳しいご説明が可能です。
ご希望の方は萬屋までご一報ください。
contact@kaisha-yorozuya.support

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『わが子をAIの奴隷にしないために』 竹内薫 著
■『売れる広告 7つの法則 …』 香月勝行・妹尾武治・分部利紘 共著
■『地域批評シリーズ43 これでいいのか北海道札幌市』 鈴木士郎 他編
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
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マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
 第505話 『仏陀の誤認』 (2月10日発行) 
 価値観の多様化が進んでいるとよく聞きます。人生に求める幸福の形も多
様化したのであれば、社員の動機づけ策も見直しが必要になるでしょう。そ
んなことを考えてみました。

(完)