149 家電的経営

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経営コラム SOLID AS FAITH 第149号
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ご愛読ありがとうございます。第149話をお届けします。

4月も10日になりますと、関東圏では既に花見は終わっているものと思いま
す。私は当コラムの65話『桜の記憶』(※)にも書いた、未だ本籍を残したま
まの小田急線沿線の街の夜桜を、先日見物して参りました。毎年恒例でその街
の桜を見に行っていますが、一年ぶりの街並みは、また、かなり変わっていま
した。

ベストセラーになっている『国家の品格』を読むまでも無く、桜をテーマに
した歌が、順次ヒットするのを見るにつけ、日本人の桜好きが本当によく分か
ります。最近では、「いきものがかり」のSAKURAが、まさに小田急線の車窓か
ら見える桜を題材にして、私には耳に残る曲となっています。皆様は如何、春
の麗を感じられたでしょうか。

さて、今回の号は、家電製品の中身が使い手にとってブラックボックスにな
っていることに気付いたことから、店舗経営などによく見られる、儲かる業態
のブラックボックス的な認識に関してまとめてみました。オーナー経営者と言
う言葉がありますが、「オーナー」と「経営者」の色の違いをご一緒にお考え
戴けましたら幸いです。コラムの本文の内容に合わせまして、PR欄では、前
回に続き、弊社のストア・コンセプト構築や、顧客接点の管理の手法を紹介し
てみました。是非、ご覧下さい。本文に対するご意見・ご感想お待ちしており
ます。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!

※第65話『桜の記憶』
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=157
二話シリーズの片方、第64話『犬の記憶』も合わせてお楽しみ下さい。
http://cyblog.jp/modules/wordpress/index.php?p=156
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その149:家電的経営

家電製品の修理をメーカー・機種を問わず引き受けるFC店に掃除機を持参
した。カウンターには先客が居て、持ち込んだ洗濯機の診断結果を聞いている。
「まず、異音の原因は洗濯槽の底にあるギアの不良ですから取替が必要になり
ます。僅かな水漏れはホースの接合部の緩みです。締めるだけででも、急場は
凌げますが、接合部自体に多少の腐食がありますから、取り替えなくては、完
璧にはなりません。あとは、そうそう、洗濯槽の外壁はかなり汚れてますので、
実際には黴菌の温床です。洗濯槽の洗浄を一応お勧めはしております。どの症
状も、実用に大きな支障があるものではありません。どれをどう直すかはお客
様にご判断いただくことになります」。

説明を聞いた所で、問題の深刻性や優先順位は、結局素人には計り得ない。
家から取り外し運んで来た手間を投資したからには、追加投資で洗濯機修理と
言うプチプロジェクトを完結させることとしたようで、その客は店員の提案し
たすべてを発注した。

店舗の設計をやっている友人が来たので、近況を報告し合う。「困ったもん
ですよ。既存店を見学させて、『来店客数が一割増以上になるような店舗改装
を最大予算300万円で頼む』とか言い出すお客が居るんですよ。」と彼が言う。

「だって、テレビでも、『家族が笑って話せる家』や、『父の思い出と暮せる
家』とかを匠が1000万円を切るような値段で実現するリフォーム番組とかある
じゃない。漫才でも見てりゃ、家族は笑えるかもしれないし、どこにいようと
父は思い出せるよね。でも、そのリフォームがその価値を生んだと思って頂け
ればそれが商売じゃないの」と私が答えると、「でも、そう言う依頼をするお
客に限って、『自分の店はこうしたい』って言うのをぼんやりとだけは持って
いるから、後で『なんか違う』って話になりやすいんですよ。だから、ウチで
は打合せにタップリ時間をかけて、お客さん自身にイメージを決めて貰う主義
なんです。だから、『300万円でおまえが考えろ』はウチでは困るんですね」
と彼は説明する。

遥か昔、中小企業診断士の受験勉強の際に見たデータを思い出す。最寄品店
なら通りの通行量の、例えば6%など、店の種類によって、来店客数の目安を
提示した数字だった。業態・業種が差別化し合いながら競合する世の中で、店
のタイプで来店者の割合が読めるなど、殆ど占いのように私には思える。

そんな発想の経営論があるなら、そう信じている店舗経営者も居ることだろ
う。店は一定数の客が来るシステムであり、客が減るのは故障なのであろう。
内部の仕組みはどうであっても、取り敢えず、故障を治すプロに持ち込めば治
ると言うことだろう。だから、「300万円の予算で何とかしろ」と発注する人
が居る。経営も家電同様ただの既成のブラックボックスならば、作ることも工
夫することも、自分で中を弄くることも侭ならない筈だろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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<MSIグループのPR>

店舗の集客改善は、ストア・コンセプトの見直しから。
お客様はどのような方で
お客様のどのようなニーズを
どのように満たすことを目的としている店なのか

これがはっきりしない店に、小手先の手法を講じても無駄です。
品揃え、店舗レイアウト、価格帯、販促手法などなど、
お客様との関係の中で、総て自ずと規定されるべきものです。

ストア・コンセプトの概要は、こちらをご覧ください。
http://www.msi-group.org/MSI-StoreConcept.htm

店舗販売、営業の如何を問わず、
お客様の中に作り上げられる自社のイメージをコントロールしましょう。
バブル期大流行のCIも、
本当はロゴをカッコ良くすることではありません。

ブランド戦略といえば大仰ですが、
自社とお客様がどのように接触を重ね、
その中でどのようにお客様が自社を認識するかをコントロールすること。
それが、本質的なPRや広告、販売促進の目的です。

弊社ではそれを顧客接点管理と言う考え方で皆様に薦めております。
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.msi-group.org/MSI-CRMish.htm
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次号予告: 第150号 『勝者の決め技』 (4月25日発行)
テレビ番組のネタを満載して、大手企業のコア・コンピタンスの有効性に関
して考えてみた号です。笑ってお付き合い戴ければ幸いです。ご期待下さい。
(完)