145 祖母の憂い

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経営コラム SOLID AS FAITH 第145号
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ご愛読ありがとうございます。第145話をお届けします。

大学の800人に教える学期が終わり、皆さんにこの号が届く頃には、800人分
のレポートに目を通して、成績評価がめでたく終わった頃と思われます。レポ
ート内容に浮かび上がる学生の意識は、同じ学部学科でも毎年僅かずつ変化し
て行き、それを感じ取っては、翌年の講義内容を調整し、クライアント各社で
の新卒採用や入社後の育成企画に反映させると言う作業スパイラルがここ数年
続いています。

有り難いことに、新卒社員向けの研修企画をゼロから組むようなお引合いが
増加の傾向にあります。中堅企業・中小企業でも、新卒採用の比率が高まり、
社員数の1割以上を採用する会社も珍しくはありません。仮に1割の新入社員
が全員定着し、望ましい姿に育成できるなら、2年も続ければ、現場レベルで
実質多数派の社員が望ましい形になる筈で、真っ向既存社員に向き合う風土改
善より、よほど確実な選択肢です。

そんなことまで視野に入れた新卒社員研修や、各回を随時企画する一般職O
Lの戦力化研修などなど、単なるスキル習得に留まらない、最近の弊社オリジ
ナルの研修企画サービスをPR欄に紹介致しましたので、是非ご一読下さい。

今号は、遥か昔、私の子供時代。記憶に残る祖母の一言から、カッツのスキ
ルモデルを振り返ってみる話です。ヒューマン・スキルが大事とは、そろそろ
言い尽くされた感がありますが、その価値の主さは強調して余りないものと思
われます。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返
事の目標納期は5営業日!!
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その145:祖母の憂い

「先生、エクセルやワードの資格って、色々ありますが、どれがどんな風に役
立ちますか」
就職課で貰ったチラシを片手に、私の教える大学生が聞いて来る。
「じゃあ、それを受けると、誰が儲かるの」と私が聞き返すと、
「え、最終的には、その資格を活かして、私が儲かるってことでしょうか」
との答え。
「んじゃ、前回の講義は『スキルと資格』でしょ。カッツのスキル・モデルを
使って考えてみて、答えが出なかったら、来週また来てよ」と私は言った。

有名なカッツのスキル・モデルは用途が広い。テクニカル・スキル、ヒュー
マン・スキル、コンセプチュアル・スキルの三分類だけなら、ただの定義。そ
れを役職や立場毎にどれがどれほど必要か、簡単に図示した所が、スキル・モ
デルのモデルたる由縁である。担当者レベルから中堅に至るまで漸減するテク
ニカル・スキルの重み。中堅から経営層に向かって漸増するコンセプチュアル
・スキル。しかし、どの層にも共通して一定割合以上を占めているのが、人間
同士の関係性を円滑にし、組織機能を支えるヒューマン・スキルである。

数十年前、私が幼稚園や小学校から帰宅すると、母は自宅で婦人服仕立てを
していて、出迎えてくれるのは、午前中を近くの電話局で清掃のパートをして
いた祖母であった。祖母は夕方まで、私を連れて田舎町のあちこちを散歩して
回るのが日課であった。戦争中、ガタルカナルで祖父がマラリヤで亡くなった
報を受けた時、祖母は老人二人と、当時2歳と1歳だった母と叔父を一人で養
うこととなった。私が中学二年の時に、癌で亡くなるまでの短い期間は、祖母
の苦労に苦労を重ねた人生のうち、孫と一緒の幸多いものであっただろうと想
像する。

散歩・散策・遠出の途上、祖母は浮かない顔をしていることが、たまにあっ
た。「ばあちゃん、どうしたの。お仕事は大変かい」と尋ねると、
「お仕事は大変じゃないし、電話局がきれいになるんだから、気持ちいいよ。
だけど、一緒に働いている人と仲良く仕事をすることのほうがもっと大変なん
だよ。お給料を貰っても、多分、殆ど全部が、お仕事の人と仲良くすることで
貰っているもので、掃除してもらっているお金はほんのちょっとだぐらいに思
わないと、大変なんだよ」と答えた祖母の顔を今尚、朧気に覚えている。

カッツによれば、ヒューマン・スキルの重みは常に付き纏う。報酬と評価は
連動するのが常である。組織として動けること。その構成要員同士、大人の付
き合いができること。毎月の給料は、その大部分が、そのようなことへの対価
であると、クライアントの風土改善などに取組んで思い知ることがある。
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次号予告: 第146号 (2月25日発行)
『脆弱のレッテル』 シリーズ『感情の労働』(1)
感情労働と言う言葉の定義、その実際に関して、色々考えてみる内容を二回
連続のシリーズでお届けします。第一回は感情労働と心のケアについて考えて
みます。(完)