140 ゲームのルール

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経営コラム SOLID AS FAITH 第140号
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ご愛読ありがとうございます。第140話をお届けします。

今年のソリアズ発行も今回を含めてあと三回。北海道では根雪にはならない
までも、雪や霙が降り続き、いよいよ、冬が近づいてきた感じがします。この
季節に誕生日が来る私は、大学二校での講義の合間を縫って、久々の運転免許
の更新やら、メガネ店や靴店の誕生日プレゼントの受取やら、航空券のバース
デー割引の手配やらに追われています。今月中に海外の友人へのクリスマスカ
ードも発送せねばなりません。同封するA4で2枚分の英文近況の原稿書きも
必須です。

さて、そんな中でも休まず発行のソリアズの今号は、最近私がお引合いを戴
く、営業強化の案件について考えてみたものです。できる所から手をつけ、無
理な背伸びをしない営業強化のあり方について私の考えをまとめてみました。
読者の皆様にも、何か参考となる所がありましたら、幸いです。ご意見・ご感
想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業
日!!
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その140:ゲームのルール

二十歳の頃、北海道の田舎から初めて上京して、「一発屋」と呼ばれる生活
が始まった。当時勤めていた電話会社では、選抜試験に受かると、二年の間、
調布にある研修施設で研修を受けることだけが仕事になる。高卒で入社して、
受験資格を得るには二年の勤続が条件。二十歳の年齢そのものが、「高卒で一
度目の挑戦で合格した一発屋」であることを示す。

後に変更になる受験資格は当時、年齢や職位・職種、勤務場所など、どれに
もよらず、試験に受かると誰でも無条件に二年間の研修を受けられた。「他の
社員が汗水垂らして稼いだ利益で勉強させてもらっているのだから」と、教官
が皆繰り返し、二年間で200科目以上を、朝から晩まで勤務として受講する。
選択科目はなく、二年間に60点の及第点を5科目以上で割ると、“不名誉除隊”
と言い含められている。

一発屋も含めて、高卒は一学年300名の半分強。経営学、経済学、心理学、
哲学など、大学の教養レベルは一年生で終わる。分厚い教科書を渡されて、
二週間程度の講義が終わると試験が待っている。聞き慣れぬ言葉、難解な論
理。少数派の大卒、院卒がらくらくクリアする試験を、高卒は皆、悪戦苦闘
して脱落して行く。

点数はどうでも良く、落第しないことが最重要と悟るのに時間はかからなか
なった。どの科目も、70点ぐらいを目指して勉強し、それ以上は深追いしない。
確実に点を取れる部分を積み重ねて70点分だけ理解したら、次に移ることに決
心した。ルートはどう設定しても良く、決められた山々を六合目まで連続で指
定時間内に登る競技など、多分存在しない。私はこれを、「六合目登山ラリー」
と呼んで、取り敢えず一度も及第点を割らなかった。

営業力強化を掲げる中小零細企業に最近よく巡り会う。それらの殆どが、今
まで、極少数の取引先に売上を依存していたが、その取引が激減して、経営が
一気に悪化する可能性が見えてきた会社である。提案どころか、ご用聞きさえ
満足にできない営業部。もともと、営業という組織がなく、元請けの組織の一
部がスピンオフしただけのような会社もある。

そんな組織で、突如「営業を強化せよ」と号令して、売上が増えるなら苦労
はしない。中途採用の営業経験者も、業務フローや顧客情報など、営業インフ
ラが整っていなければ、新天地の活躍はままならない。元請けから人を貰い受
けても、下がり続ける売上に歯止めは掛からない。「これでは、坐して死を待
つ状態です」と幹部が嘆く。

「営業って、営業ができている会社のまねをしなくてはできないものなんです
か。御社に今できることを、今ある接点を、取り敢えず、売上増に結びつけて
は如何でしょうか。最初から、普通の“営業行為”は必要ないし、できないん
じゃないですか。できないことは、すぐにできるようにはならないのが普通で
す」と私は答える。
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次号予告: 第141号 匙降る地(12月10日発行)
大学で就労観を教える中で、学生達の言う“やりがいのある仕事”について
考えると共に、自分の仕事の“遣り甲斐らしきもの”を省みてみました。ご期
待下さい。(完)