135 脊椎の退化

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経営コラム SOLID AS FAITH 第135号
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ご愛読ありがとうございます。第135話をお届けします。

先日、お世話になっている或るコンサルタントの先生の所にお邪魔し、感情
労働と言う概念を教わりました。肉体労働でもなく頭脳労働でもない感情労働
です。感情労働者は、職務内容の一つとして一定の感情の表現が必要とされて
いる職業に従事する人とでも言うべきでしょうか。その話を伺って以来、自分
なりに調べて、じっくり考えてみて、有り難いことに当コラムが二話もできて
しまいました。近い将来、発行することになるかと思いますので、ご期待戴け
ましたら幸いです。

さて、今回の号は、中小零細企業などによく見られる文鎮型組織における幹
部の役割に関してまとめたものです。景気の波が徐々に戻って来て、幹部を育
成し組織の拡大を図らねばいけない企業が増えたのか、零細企業の弊社でも、
幹部の動機付けや役割確認のような仕事のお引合いを戴くことが増えています。
下のPR欄にも、そのような場合の弊社での主な対応をご紹介しておりますの
でご高覧下さい。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへ
のお返事の目標納期は5営業日!!
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その135:脊椎の退化

或る会社が、新規事業を開始すると言う連絡を受けた。喜び勇んで足を運び、
打ち合わせをすると、初老の担当役員が言う。
「新規事業の推進を社員のプロジェクトの形にまとめて、市川さんはこの支援
をすると言う提案ですね。なるほど、これならバッチリです。弊社にとって新
規事業は今すぐにも始めなくてはならない、存亡をかけた案件です。ただ、ご
存知の通り、ウチの社長はワンマンで厳しくて、なかなか話を通すのが大変で
す。通りを良くするために、値段をもうチョットだけ引いてもらえませんか?
そうしたら、私が決裁できる範囲ですし。私が責任を持って社長に話を通して
すぐにもプロジェクトを開始しましょう」。

三ヶ月を経てプロジェクトは開始されない。聞けば「社長に話を切り出すタ
イミングがない」と言う。自信を持っている自社存亡をかけた妙案が、月二回
で月額8万円の進行役を招くだけのこと。自分の決裁の範囲でも、社長の顔色
を伺い続けねばならないと言う。

別の会社の社長と食事をしていたら言われた。
「市川よぉ。後継者育成は何年掛かるって言ったっけ。もう、いい加減考えな
きゃ行けないんだろうし、借金もまあまあ片付けたから、プロパーの幹部にで
も任せたいんだけどなぁ。けど、知っての通り、まともな奴がいないだろ。俺
が現場に出張っていかなきゃ、全然気合いが入ってないんだよな。なんかこう
オドオドしているって言うかさ。現場にいつも行ってないと、何が起こってい
るか全く分からんよ」

太古、恐竜のステゴザウルスは、神経の発達が悪く、巨体を信号が伝達され
るのに秒単位の時間を要したと何かで読んだ。信憑性の程は知らないが、尻尾
の先を敵に噛みつかれても、数秒後に痛いと気付くのでは、生存は危ういだろ
う。社内の勉強会で簡単なホウレンソウダについて講演をすることとなって、
動物の神経系に例えてその有用性を説明してみることとした。

数秒を要する神経伝達では甚だ遅い。そんな判断を天上の誰かがしたのか、
脊椎が発達して、膝を小突けば頭で感じる前から、足が跳ね上るようになった。
脊椎が脳を煩わすことなく、判断して反応するのが反射だという。

「中小零細企業はたくさんの段階を経ないで社長に情報を届けられるのが一つ
の重要な強みです。だから、その強みを活かすためにも、適切な情報を正しく
速く伝えられるようになりましょう。けれども、それでは間に合わない時は自
分で判断して対処する。でないと、図体が大きい動物になってしまったのに、
脳が常にしゃしゃり出てきて、脊椎や神経は要らなくなって退化する、おかし
な動物になってしまいます。例えば、巨大なカニかな。あ、私はカニが嫌いな
んですね」などと、下手な講演を締め括ろうかと思い巡らせた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。
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今号『脊椎の退化』に描かれたような幹部。
御社にいらっしゃいませんか?
最近、幹部の意識向上や、幹部の役割の認識向上をお求めの
お引き合いが増えております。

幹部は、社長代行業者でなくてはなりません!
社員育成プログラムに含まれる上位コースと言う位置付けではなく、
社長の代打役を
同時に複数用意するぐらいの覚悟と目標で、コトに臨みませんか?
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ご注意)
上記ページ上では、研修の対象は社員であるかのような表現ですが、幹部に
関しても同様にお考え下さい。中小零細企業における幹部は『幹部』とは、
「役職・年齢・性別に関係なく、社長から実質的にアテにされている社員」の
ことと弊社では考えます。
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有限会社サイバーローグ研究所の大橋社長が、
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さらに、そのブログのページが一新されました!

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合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告: 第136号 危機中毒(9月25日発行)
一時期、猫も杓子も叫んでいた様に感じるリスク・マネジメントのブームは
去りましたでしょうか。企業経営における「リスクの役割」について考えてみ
ました。ご期待下さい。(完)