129 文化請負事業

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経営コラム SOLID AS FAITH 第129号
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ご愛読ありがとうございます。第129話をお届けします。

今年も、札幌市でヨサコイソーラン祭りが開催されます。この号が発行され
た翌日の土曜から、私も「さぁさ、みんなでどっこいしょ」と言うチームの一
員として路上で踊っていることと思います。当地での人脈作りを目的とした、
重要な弊社マーケティング活動の一環です。観客動員数では既に雪祭りと肩を
並べるこのイベントにお越しの方がいらっしゃいましたら、私の参加するチー
ムもご覧になってみてください。

その重要なマーケティング業務の時間の捻出するために、クライアント様へ
のレポート作成に終われる日々を過ごしております。企画請負業と名乗ってお
りますが、中小零細企業経営者に対して、企画の背景にある考え方を説明する
ことは非常に重要と考え、提案に際してや、勉強会などが一定期間終了した後
にも、結果の解釈や今後の展開方針に関して、レポートにまとめることとして
おります。「簡単で分かり易い経営診断のようだ」と非常に好評ですので、忙し
くなっても止められません。

さて、今回の号は、三浦展氏の『ファスト風土化する日本』と言う書籍を読
んだ衝撃を交えまして、小売業の社会的役割について少々考えてみたものです。
ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納
期は5営業日!!
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その129:文化請負事業

近隣の国道脇に大手のスーパーが開店する。核店舗になるような大型スーパ
ーが他に数店ある古い商店街の周りには、団地がある。国道を挟んで反対側の
山側には上に行けば行くほど裕福気な高級住宅街が広がる。この地域初の24
時間営業である。行き付けの床屋に行くと、そこに件の店の副店長なる人物が
いて、私の隣で髭を剃って貰っている。

世間話から開店の繁忙に話が移ったので、「ちょっと興味があるんですが、
あの店は広い国道で商圏が切られていて、国道の自分側の後ろには、団地と競
合店の多い商店街ですよね。川が国道と直角になってまた商圏を区切っていま
すよね。で、国道の反対斜線からは交通量が多くて右折では入れないし。どの
辺のお客さんが来るんですか」と尋ねてみた。

すると、彼はこちらを向いて微笑み、「あんまり詳しいことは言えないんで
すけどね。今、そちらさんが言った全部ですよ。どっちの方向にも障害はある
んですが、小商圏を想定して根こそぎそこのお客さんに来てもらわないとね」
と言う。働く人も小商圏なのか、24時間営業を支えるパート労働力を募るチラ
シが近隣の家々に届けられる。深夜は寝ているだけだった人々に、買うのであ
れ働くのであれ、根こそぎ来て欲しいのだろう。

三浦展氏の『ファスト風土化する日本』を読んだ。目次には「犯罪現場の近
くにはなぜかジャスコがある」、「消費社会化してイカれた地方」等の項目が
並ぶ。あまりの衝撃に知人に勧め回り、「下手なホラー映画よりも怖い本」な
どの評を聞いて、自分の頭がおかしいのではないと安心した。国道と川のある
「地方」への大型店の進出。地域社会の流動化。地方の若者の労働意欲・学習
意欲の低下などが、論じられ、相互に関連付けられて行く。

近隣の24時間スーパーの正面、国道の反対側の道路脇に、永らく献花がされ
ている。聞けば、そのスーパーの帰りに自転車で国道を横断しようとした老夫
婦が、各々別のクルマにはねられ亡くなったのだと言う。総てが店のせいと言
うのは短絡的で、こじつけっぽい。地場のタクシーの運転手は「ここに信号を
つけなきゃだめだよね」と言い、店に行くと主婦が「折角、配達無料なんだか
ら、手ぶらで行き来するようにしなきゃ、危ないね」などと話している。

夜間歩く人は見た目では増えていない。24時間の店で働くので、家族が擦れ
違いばかりになって家庭崩壊の話が増えたとは、少なくとも私には聞こえて来
ない。自分の住む地では、本にあるような状況が進行しているのか否か。目下
の所、私は判断する根拠を持たない。

消費は文化に根ざすと言う。大手商業者がその地の消費も労働も根こそぎ引
き受けると言うのなら、その人々の生活の残りの部分も良くあるべく、引き受
けて欲しいと私は思う。
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次号予告: 第130号 優しい言葉 (6月25日発行)
「ヒトに優しいビジネス」などと言う表現を聞きます。ホームページ更改を行
ないながら、今流行りのユニバーサルデザインの姿勢を考えてみました。ご期
待下さい。(完)