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経営コラム SOLID AS FAITH 第475号
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ご愛読ありがとうございます。第475話をお届けします。
とうとう当コラムも創刊から20年の壁を越え、毎月10日・25日の定期的な
発行を崩すことなく今日に至りました。長年の読者のあなたに心から御礼申
し上げます。
ざっと計算すると、来年の同時期には21周年記念特別号と500話発行記念
特別号を前後して発行することになりそうです。通常、周年記念特別号は3
ヶ月から4ヶ月を企画段階から費やして発行に至りますが、二つの記念特別
号を出すには、もう少々長い時間が必要となることでしょう。まだ全く考え
ておりませんが、早めに構想を練らねばならないものと思っております。
ちょっとした話のネタにと考えて、2013年の14周年記念特別号発行後から
始めた「仕入完了報告」もまる6年が経ちました。お会いする機会がある当
コラム読者の方々の一部では、本編以上に好評であるケースもあるので、
2020年の1年間は試験的に紹介書籍数を3冊にする予定でおります。ご期待く
ださい。
今号は、中小零細企業が社内の人員に教えるスキルがどのように変貌して
ゆくかを考えてみた内容です。弊社では弊社サイトの『資料置き場』のペー
ジに各種の弊社作成資料を格納しております。その中で最も新しく追加され
たのが「中小零細企業スタッフのコモディティ・スキル構成図」です。そこ
には、前号『労働の熱意』で描いたようにコスパがやたらに求められるよう
になる社内人員が身につけるべきスキルを一覧にしてあります。
従来のスキルは自動化によって日常的には不要になるかもしれません。し
かし、自転車ができても人は走れた方が良く、電卓ができても人は暗算でき
た方が良いように、潜在的な必須スキルは増える一方であることが分かりま
す。そんな未来の中小零細企業の社内人員育成体制を、ひとときご想像いた
だければと思います。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想
などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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弊社サイト『資料置き場』: http://msi-group.org/msi-stockpile/
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その475:万一の備え
「ん。例えばさぁ。宅配ピザ屋があるとするでしょ。住宅街のど真ん中にあ
るような。今から何十年か先の話。で、ネットで注文が入ったら、店員さん
が受注認証すると、店内作業が始まる訳よ。まるでCAMみたいに自動的に厨
房で焼きが始まって、箱詰めして出てくるんだな。それを店員さんが目視で
確認して、AGVかドローンかに積んで、受注情報から住所部分をピッと転送
すると、勝手に走り出して行って配達する訳だな。で、家の前に着いたら、
お客さんのスマホに連絡が行って、玄関前でピザを引き取るとか。そんな感
じ」。
私が弟子に説明を始めると、彼女はふんふんと頷いて聞いていた。テーブ
ル上には録音状態になっているスマホが置いてある。スキル教育の未来を考
えるための具体例は進む。
「で。そのシステムになった後に入社した店員さんだとするでしょ。私鉄で
3駅ぐらいの所に住んでて店舗の周辺の土地勘もない。『店内の仕事だから
関係ないし』って意識することさえない。で、一ヶ月に一回ぐらい、何か交
通事故とか不測の事態で、配達が途中で止まってしまう。店員さんは現場に
行って事態を確認して、その後、何かのイレギュラーな対応をしなきゃダメ
になるよね。けど、そんな事態はまれで、シフトの関係で同じ店内スタッフ
でも、そういう現場に当たらない人もいる。そういう人は対応の経験もつめ
ない」。
私が言い終わる前に、彼女は私の趣旨に気づき瞳を輝かせた。
また一社、スキル・マップ策定プロジェクトの面倒を見させてもらうお引
き合いを頂いた。まずは製造現場で先行してライン単位のスキル・マップを
策定する。そのプロジェクトには他の部署からもオブザーバーを参加させて
おき、半年のタイムラグの後、他の部署でも一斉にスキル・マップ策定プロ
ジェクトを開始するのだという。
プロジェクトの初日、私はそこに集まったプロジェクト・メンバー達に他
社事例を見せて概要を聞かせた上で、詳細に策定のプロセスを説明した。
「市川さん。職能評価のための職能の一覧表は既にあるのですが、それとは
違って、現場のOJTで教えているような項目を具体的に書きだして、表にま
とめるってことなんですね。いつもやっていることを抜けがないように教え
られるようになるってことなんですか。なるほど」と在職年数の長そうなメ
ンバーの一人が言う。
製造現場でのOJTでは、現物を前にいつもすることを教えているのだろう。
未来の職場では、自分がほとんどやることがないことにも習熟しなくてはい
けなくなる。いつもやることを教えるのでも、組織風土変革さえ必要となる。
実際にはほとんど使うことのないスキル項目ばかりの未来のスキル・マップ
に思いを馳せてみた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
2019年10月末日。予定通りに
『経営コラム SOLID AS FAITH 20周年記念特別号』を
発行することができました。
テーマの
『消えていく社員/小さくなっていく会社』は
多くの読者の皆様に一考を促す内容となったようです。
「さらっと読めるのに、内容が重い」。
と言った感想を幾つか戴きました。
発行者としてとても嬉しく思っています。
20周年記念特別号では、特別プレゼント企画として、
弊社の考える「生き残る中小零細組織の鉄則」を
ご希望の方にもれなく進呈することと致しました。
既に発行日当日からお申し込みを頂戴しました。
お申し込みの期限は今月末日です。
ご希望の方は、以下のメールアドレスに、
件名:
「鉄則希望」
本文:
「お名前(名刺情報としてのお名前(所謂HN的なものは不可))」
「お名前のフリガナ」
「当コラムご講読歴」
「当コラムベスト3(お好きな3話をお教えください)」
を書いたメールをお送りください。
bizcom@msi-group.org
メルマガ読者ではなく、
弊社ブログで当プレゼント企画をご覧になった方も
お申込みいただけます。
メールでのお届けは2020年1月中に行ないます。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『もう親を捨てるしかない …』 島田裕巳 著
■『ピダハン』 ダニエル・L・エヴェレット 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け21年。
マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
http://tales.msi-group.org/?cat=2
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※ ご注意!!
サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる
様子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行
状況のご確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサー
バの受信量規制を行なっているケースがあり、その場合は大幅にメールマ
ガジンの到着が遅れるとのことです。
「届かない」、「再送希望」などの連絡は、まぐまぐの窓口である
「magpost@mag2.com」に、メルマガID(#0000019921)、タイトル(『経営
コラム SOLID AS FAITH』)、購読アドレス、再送希望の旨を記載の上、
メールにてご連絡下さい。
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次号予告:
第476話 『指先の月』 (11月25日発行)
電子書籍が流行ってニーズが縮小しているという書籍。さらに書籍はじっ
くり読むのではなく、速読のような技術も人気であるようです。一方で、書
籍でなくては本当の教養が身につかないとの主張もよく耳にします。今時の
紙の書籍への向き合い方を考えてみました。
(完)