114 未明の野菜

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経営コラム SOLID AS FAITH 第114号
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ご愛読ありがとうございます。第114号をお届け致します。

以前も実施しておりましたネット上の通信教育『「経営者のココロを捉えて」
メシを食う』の第三期が、来月よりスタートすることとなりました。この講座
は、組織が必要とするコミュニケーションを切口に中小零細企業の経営者をク
ライアントとしてビジネスを組み立てる方法をお教えするものです。これから
中小零細企業のコンサルタントを目指す方、既に社労士や税理士、FPなど中
小企業をクライアントとして抱える方にお勧めです。詳しくは、下のPR欄を
ご覧下さい。

さて、寄稿文章を二つも戴きまして、5周年記念号の形ができて参りました。
現状の予定では、10月末日発行を目指しておりますが、もしかすると、11月5
日ぐらいまで遅れる可能性もございます。今後のネタに使われそうな最近読ん
だ本のご紹介など、裏話をまとめてお送りしたいと思っております。お楽しみ
戴けましたら幸いです。

今回の号は、中小零細企業の強さについて考えてみた話です。著者としては、
久々に練った展開を狙ってみました。ご堪能戴けましたら幸いです。意見・ご
感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業
日!!
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その114:未明の野菜

「やっぱりさ、営業っていうのは、仕事って言う獲物が居そうな所を考え出し
て、そこに行って獲物を見つけてさ、で、追っかけまわして捕まえるって言う
一連の技術を磨いていかなきゃ話にならないじゃないか。営業がそういうもん
だとすると、ウチの会社には営業は存在しないということになるんだよなぁ」
と、真顔で或る社長が言う。話が進み、他にも欠落している機能が続々と明る
みに出る。なぜ、こんな会社が今まで存在し得たのか。

この会社に限らない。大多数の中小零細企業は、極僅かな大手企業にオンブ
にダッコで生き延びている。大手企業の特定機能を分社化した会社。大手企業
からスピンオフした人材が古巣との商売を拡大した結果の会社。零細フランチ
ャイジー企業。大手元請けを頂く零細製造業。創業社長の独立の端緒を作った
大手が、そのまま圧倒的ボリュームの取引を占めていることもある。

口を開けて待っていれば、大口顧客が納入すべき商品を指定してくる。価格、
仕様、仕入元の連絡先までセットで教えてくれる。元請け大手が必要な設備を
送りこんでくれる。その操作方法もレクチャーしてくれる。FC本部が人件費
の目安も教えてくれる。給与テーブルも雛型を作ってくれる。ポスターや配布
物まで作ってくれる。DMまで制作発送してくれる。金が足りなくなると融資
もしてくれる。店のレイアウトも考えてくれる。

オンブにダッコで食べていけるのに、商品開発・顧客開拓・設備投資・原価
管理・資金調達・採用教育・販売促進などなど、誰が苦労してそれを備えよう
と思うだろうか。そして、目も覆わんばかりの機能欠落を知って尚、本当にこ
れを企業と呼べるのであろうか。現実に、苦しくなると大手はアッサリと“脛
齧り”を切り捨てる。その瞬間から中小零細企業に秒読みで終焉が迫る。

日本の産業の基盤と言う「強い中小企業」の生き残り策が、テレビで頻繁に
紹介される。「中小企業同士が結束して、強みを活かし」、「大手が参入しな
い市場と、独自ノウハウの組合せでニッチな事業展開を」と評論家がまとめる。
一方で、ニッチ経営の実務書を読むと、「零細企業はニッチ事業を展開しても、
一部は旧来の下請仕事を温存したほうが安全」とある。

“植物状態”の患者を英語でベジタブルと呼ぶと、留学時代に知った。生命維
持装置を外せばアッサリ死に至る野菜である。一旦野菜であったものが、数を
まとめようとも、品種改良しようとも、野菜箱から飛び出して走り回るとは思
えない。電極を刺すとサボテンでも感情が読取れると言う。未明の畑に並ぶ野
菜は、一体何を夢見ているのか訝しい。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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<MSIグループの近況>

過去二期30名弱の参加で好評を博したネット上の通信教育
『「経営者のココロを捉えて」メシを食う』 (第三期)

毎週1回 全10回の通信教育を
『個人の意思決定サイト 起-動線(きどうせん)』を通して、
11月12日(金)からスタートします。
料金は僅か21000円(税込)

講座の概要・目的
この講座は、対人コミュニケーションのスキル(コーチング、カウンセリン
グなど)を活かして独立を考えている方向けに、中小企業向けのサービスメニ
ューを構築していくための実践的な知識を身に付けていただくことを目的とし
ています。コミュニケーションスキルそのものの講座ではなく、「メシの食い
方」(稼ぎ方)に焦点を絞っています。

対象者
できれば、中小零細企業をクライアントとして、コミュニケーション力で独
立したいと考えている方。中小企業診断士、社労士、税理士、FPなどの資格を
活かして中小企業によりよいサービスを提供したいと考えている方
※特定の資格やスキルなどの条件はありません。

講座内容や、早速稼げている卒塾生インタビューなど、詳しくは…
http://www.ki-dousen.net/go.php?challenge=7

起-動線をご存知ない方は、こちらをご覧下さい。
http://www.ki-dousen.net/modules/freecontent/index.php?id=19
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発行:
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
bizcom@msi-group.orgこのメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
発行しています。(http://www.mag2.com/ )
毎月10日・25日発行
盆暮れ・年始、一切休まず 創刊からマル5年
マガジンID:0000019921
全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000019921
講読の登録・解除はこちらのURLでお願いします。
http://www.msi-group.org/SAF-index.html
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※※ 弊社 新ホームページ とうとう移転完了 !! ※※
弊社のホームページが移転致しました。新しいURLは…
http://www.msi-group.org

元のURLからも自動的にジャンプするようになっておりますが、この機会
に御早めにブラウザの「お気に入り」や「ブックマーク」の変更をお願い申し
上げます。

また、現在のページはかなりバージョンの古いホームページ作成ソフトとテ
キストエディタを使っての手作りで、現在主流のブラウザで見ると、
○ ページが画面に収まりきっていない
○ 改行が崩れ、フレームに収まっていない、など
そこここに不具合が発生しております。
弊社のITインフラ大整備作戦の第二ステップは、年末にかけてこのような
不具合などを一掃することとしておりますので、今後の変化にご期待下さい。
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※ ご注意!! サーバーエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいら
っしゃる様子です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。
届かなかった際には、弊社ホームページで発行状況をご確認の上、再登録をし
て下さい。http://www.msi-group.org/SAF-index.html
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5周年記念号 発行準備中 !!

ご寄稿下さった方々、お祝いのメールを下さった方々、誠にありがとうござ
いました。皆様のお力を得て、『経営コラム SOLID AS FAITH 5周年記念号』
の発行準備は着々と進んでおります。
現在の予定では、1999年10月末日に発行してから丁度5年目の、今年10月末
日の発行を目指しております。(遅れた場合は、翌月5日に延期になります)

主な内容は、
・ご寄稿戴いた文章二編
・戴いたお祝いの言葉の紹介
・最近のネタ集め読書の書籍の紹介
・恒例のタイトルベスト10の発表
・弊社のITインフラ向上計画の紹介
などを予定しております。

いつもの如く、経営コラムの形での経営に関して考えて戴けるような内容は
含まれておりません。年に一度の無礼講号です。お楽しみ戴けましたら幸いで
す。(また、今までの1周年?4周年の記念号に比べると多少短めですが、それ
でも通常号よりはかなり長くなります。ご不要の方は、削除の程をお願い申し
上げます。)
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次号(通常号)予告: 第115号 無知の商品化 (11月10日発行)
『顧客のニーズを知れ』だの、『顧客のニーズを聞くな』だの、お客様のニー
ズとどう付き合うかについての議論が喧しくなっている様に感じます。夜の街
で店仕舞いする手相見との会話から、顧客のニーズを考えて見ました。ご期待
下さい。(完)