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経営コラム SOLID AS FAITH 第466号
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ご愛読ありがとうございます。第466話をお届けします。
雨がちの日が続いていますが、如何お過ごしでしょうか。弊社代表の市川
は、シーズン1で、ガッツリ嵌った『BULL/ブル 心を操る天才』のシーズン
2がDVDでリリースされたので、レンタルしては寝る間も惜しんで見ていま
す。
裁判心理学のプロである主人公ブル教授は、米国の裁判の陪審員を自分の
側の裁判方針に有利な思考パターンを持つ人間で極力埋めるように、科学的
に操作します。そして、選ばれた陪審員が自分の側の主張に同意しやすいよ
うな証人や証拠などを計算づくで用意し、その外観や言動まで調整して裁判
の場に送り込み、裁判を勝ち抜きます。
社員やアルバイト・スタッフの動機付けと構造は全く一緒です。自社の方
針をきちんと理解でき、自社の強みによって動機付けされやすい人間を精査
して選択するのが、採用プロセスです。そして、雇われた社員やアルバイト
・スタッフを、その場に応じて、こちらの考える仕事を喜んで行なうように
指示やツールや環境を設定するのが動機づけのプロセスです。劇中で動機づ
けの方法論は演出と説得に大別されますが、その手法は非常に勉強になりま
す。シーズン1の新鮮さが失せたせいか、シーズン2はややトーン・ダウン気
味ですが、面白いことには変わりません。
PR欄では、『BULL/ブル 心を操る天才』に合わせた訳ではありませんが、
社員が抱える課題の解決と動機付けを一気に行なう、オリジナル研修の紹介
をしました。是非ご一読ください。
今回の号は『イェル・ケ・クク』と題して、今後、社員が当たり前に持っ
ているべきスキルについて考えてみました。AIを含む先進技術がじわじわと
中小零細企業の現場にも入り込んで来て、ヒトにしかできないことをするの
が社員であることになります。その社員は、普通に先進技術の大雑把な原理
ぐらいまでは理解していて、必要最低限の使いこなしができなくてはなりま
せん。一方で、社会が複雑化する訳ですから、単なるネット・ニュースの受
け売りではなく、相応の深さで社会の出来事やトレンドを知っていなくては
ならないでしょう。所謂「情報リテラシー」のような分野の能力です。
「読み書きそろばん」がコモディティ化したスキルだった時代から、社会が
高度化するにつれて、どんどん必須スキル群は増えて続けていくことでしょ
う。組織は、高い人件費をかけて維持するマンパワーの質をどんどん上げて
行かねば元が取れません。そんなことを一緒にお考え戴ければと思います。
ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標
納期は5営業日!!
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その466:イェル・ケ・クク
従業員数100人以上500人以下ぐらいの会社はこれからその構成比を徐々に
下げていくのだろうと思っている。残るのは存在自体がクラウド化したよう
な多国籍企業と零細企業群。フリーランスも今より有り触れているだろう。
緻密で柔軟な対応と機動性がウリの零細事業者には大手企業の当たり前の
経営常識がかなり通じない。自社のウェブ更新も専門部署や専門担当者を置
いていては、動きが鈍くなるし、担当者の離職で機能麻痺してしまう。まし
てや外部のウェブ屋に頼んだりしていては、齟齬は起きるし時間もコストも
かかる。有難いことにCMSが普及した。ウェブページ作りもアクセス解析も
基礎知識は既にコモディティ化し始めている。
お客のニーズ・ベースで商売を広げるのが必然なので、ビジネス・モデル
も一定しない。だから社内システムもパッケージ・ソフトではお話にならな
い。カスタマイズしても、半年待たずに陳腐化が目立ち始める。そんな状態
でSIerに依頼できる訳がない。大体、社内の業務プロセスが、明確に決まっ
ていず、例外だらけなので要件定義さえままならない。有難いことに
Microsoft Access ならあちこちで習える。RDBの社内システム作りのスキル
さえ、基礎レベルならコモディティ化し始めている。ウェブ作りにCMSが登
場したように、コモディティ化の認識が広まれば、簡便なツールがどんどん
登場するだろう。
「ああ。だってB2Bの営業やるんでしょ。じゃあ、簿記は必須でしょ。訪問
先の企業の経営状況が社内を見渡すだけでまあまあ分かるようになるための
基礎知識だし。先方の社長さんの言っている経営状況がスルッと分かるよう
にならなきゃいけないし。P/L、B/Sの構造ぐらいは分かっていて、節税のテ
クニックとかも知ってるとかだったら、社長さん受けがいいんじゃないかな。
単なるウケの問題じゃなくて、与信管理の基礎でもあるし」。
知り合いの大卒入社後2年目の社員が法人営業の部署に配属になって、何
か将来に役立つスキルを身につけたいという。聞けば全く経営分析もできな
いようだったので、日商簿記二級の受験を薦めた。「経理でもないのに」と
不満そうなので、私は真顔でダメ押しした。
「役に立つとか立たないとか考えている時点で、もう下流志向決定ね。簿記
の世界観はそのまま会社経営理解のインフラだから。ビジネスをやるのに会
社がどうやって“動いている”のか分からないんじゃ、お話にならんという
ことよ。ビジネスの常識以前。まるで掛け算の九九のように、意識もせずに
使いこなせて、当たり前の話だから。『2×3かぁ。九九のできる先輩に計算
してもらおう』とか言う奴がいたら、まあ、速攻さよならでしょ」。
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※『イェル・ケ・クク』は清水ミチコの『歌のアルバム』の収録曲です。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】
中小零細企業の現場レベルの細かな課題に
オリジナル社員研修を企画して対応する。
研修と言えば…
まずは会社の階層ごとの研修の種類があって、
新入社員にはマナーや会社で働くルール、
管理者に近づいてくるとリーダーシップ…
と定番の研修プログラムが用意されているような気がします。
実際に、一般の研修会社に研修を依頼すると、
定番のメニューの中のコースを選ばされて、
あとは予算見合いで、値段が決まるような
決まりきった研修ばかりが提示されます。
弊社のサイトには、『研修柔軟企画』というページがあります。
http://msi-group.org/msi-4employees/
オリジナルの研修を現場の課題に合わせて企画します。
値段が上がりがちな「講師料」をカットするために、
社員だけで完結する研修の台本と教材だけを提供することもあります。
世の中のメニュー制の研修サービスが余りに定番なので、
柔軟なオリジナル研修企画は想像しにくいと言われます。
そこで、柔軟な研修企画の事例を合計6本も
弊社サイトで紹介することと致しました。
第一弾は…
『パチンコ店個別研修企画物語 vol.1 「気が利かない副主任対策」』
http://msi-group.org/msi-customized-training-plan-case-a/
気が利かない社員を何とかする研修です!
こういうことも研修で改善することができます。
是非、ご一読ください。
御社のヒトがらみの課題も、
解消はムリでも緩和ぐらいはできる可能性大です。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『新卒はベンチャー企業へ行きなさい』 清水宏 著
■『ジャック・マー アリババの経営哲学』 張燕 編著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ )
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マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
第467話 『メビウス環』 (7月10日発行)
マーケティングの戦略を考える時、プロダクト・アウトとマーケット・イ
ンの区別をしっかりつとつけることが重要です。この二つの関係について改
めて考えてみました。
(完)