440 千年紀の足音

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経営コラム SOLID AS FAITH 第440号
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 ご愛読ありがとうございます。第440話をお届けします。

 寒暖の差が大きい日々が続きますが、如何お過ごしでしょうか。弊社では毎
年恒例な訳でもありませんが、春と共にぽつぽつと新規案件の打診を戴き、方
針説明やカリキュラム作りに弊社代表の市川が勤しんでいます。

 先日、クライアント企業の社員の方から、「前回の推薦図書を買って読んで
みたら、とても面白い」とお声掛けをいただきました。当コラムの「推薦図書」
とは何であるのか、その場でピンとこなかったのですが、「仕入完了報告」の
ことだと後刻判明しました。弊社の事業は「業務系対人コミュニケーション企
画請負業」です。その企画の原材料になるのは、人・組織・社会の在り様に関
わる情報です。その原材料の仕入の記録を余興的位置づけで載せていたのです
が、実際の選書の参考になっているケースは初めてで、非常に嬉しく感じまし
た。
 
 数えてみると、2013年11月より仕入完了として列記した書籍群は既に200冊
を超えています。決して多い冊数ではありませんし、中には弊社代表が「駄
作」・「羊頭狗肉」と感じた書籍も少数ながら混じっています。振り返ってみ
ると、『地方消滅 – 東京一極集中が招く人口急減 』が誤って二度登場してい
るなど、粗い管理がアリアリな記事枠ですが、読者のあなたの参考のなる所が
あるなら幸いです。
 
 今回の号はスピリチュアル系の人々が集う自己啓発セミナー的な会に誘われ
て参加してみた感想を軸にまとめた内容です。弊社代表の市川は内田樹氏他に
よる『日本霊性論』なども好きな書籍の一つですので、スピリチュアリズムを
否定するものでは決してありません。しかしながら、あからさまに馬鹿げた内
容を掲げる個人や集団も多いように感じますし、現実逃避目的のスピリチュア
リズムの心酔者も非常に多く目につきます。まともな経営に取り組まないまま
に事業に失敗し、「やはり、今年は運気が悪かった」などと語る人物に遭遇し
たことも一度や二度ではありません。
 
 今回の会は「今は1000年に一度の変革の時期。数年かけて世の中は大きく変
わる」と、代表者がイミフな根拠を羅列して説いていました。イミフの根拠が
なくても、今が変革期であると多くの人々が思っていることでしょう。大掛か
りなコールド・リーディングのような論調を耳にして考えたことを簡単にまと
めてみました。ご意見・ご感想お待ちしております。頂戴したご感想などへの
お返事の目標納期は5営業日!!

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その440:千年紀の足音

「あのさぁ。日本が核攻撃されるとしたら、中国によるもので、中国が自壊し
そうになったら、周辺国に覇権を握られるのを防ぐためにアジア周辺国にダメ
ージを与えようとするんだとさ。戦争の始まり当初なら横須賀基地を叩いて東
京湾ごと封鎖してしまい、自壊決定の段階だと、市ヶ谷と皇居の間辺りを狙う
んだそうな。新宿もアウトだなぁ」。

 私が最近読んだ『東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうな
る…』の要点を話すと、高校生の娘は「ああ。なるほどなぁ」と頷いた。「核
攻撃ってどうなるのかが書いてある本があるんだね」と言った表情は、何かが
背景で処理されているようだった。

 杜撰なリストでスパイと同じ苗字だったせいでマークされ、飛行機に搭乗が
許可されなくなった国民が数千数万の単位で存在するアメリカについて。東大
受験に挑戦したAIプロジェクトは失敗だったが、MARCHレベルには楽勝で受か
ることが分かり、そのAIの弱みと目される読解力も大学受験生の8割はAI以下
で、将来AIに仕事を奪われる予備軍であることについて。人間の多くの資質の
大部分は遺伝によって決まっていることについて。本で読んで「これはちょっ
とヤバいな」と思ったことは、娘との話題にしている。

 知人から誘われて、五反田の大きなホールで開催された自己啓発セミナーに
行ってみた。暦だの魂の奥底のナンチャラだの到底よく分からない根拠で、千
年に一度の変革の年が今来ているという。会場には200人以上の参加者。半分
以上が30代から40代の女性。涙して聞いている人もいる。2時間少々の時間の
うち、後半の30分は足早のグループワーク。即席の近隣座席のグループでは自
己紹介だけで終わってしまう。その後、45分をかけて今後のセミナーの宣伝と
勧誘。千年前は藤原道長の栄華の時代。それ以降のどんな武将も維新の立役者
達も知らない未曽有の変革が来る割には、随分本論が短い。

「ピンチはチャンス」とファシリテーターが参加者を励ます。「そうですね。
AIもIoTも3Dプリンタも世の中を大きく変えて、失業者の山を作ると言われて
ますし…」と私が応じる。「そうですよ。頑張りましょう」と彼女は多分予め
決めていたであろう言葉を言った。

 受付を通って会場を出ようとすると、「このセミナーを是非スマホでもアッ
プして拡散してください」と声をかけられた。「スマホレスな生活をしてるん
で、すみませんが無理です。皆があまり考えなしにしていることとは、取り敢
えず距離を置いてみると、変革の年の生き残りのヒントが見えるようには思い
ませんか」と私が応じる。千年紀は多分すぐそこに迫っている。千年に一度で
はなく、始まったが最後、今後どんどん加速していくだろう。感涙しつつ語ら
れる個々の魂の声などお構いなしにやってくるのだと思う。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『シンギュラリティ・ビジネス …』 齋藤和紀 著
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 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第441話 『報恩の形』 (6月10日発行) 
 後継者の見つからない中小零細企業の存続の手段としてM&Aが話題に上がり
ます。零細企業以下のサイズの個人事業主の事業存続について考えてみました。

(完)