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経営コラム SOLID AS FAITH 第437号
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ご愛読ありがとうございます。第437話をお届けします。
先日、物凄い混雑の『AI・人工知能 EXPO』を二時間ほど掻い摘む感じで見
てきました。各種の所謂ハイテクがずらりと並ぶ、学ぶことや驚くことの多い
展示会です。展示されているどれもが、実現の原理が理解できるものですが、
その一部が、廉価な価格で提供されつつあることの方で驚かされることが多か
ったように思います。そろそろ、弊社でも、AI技術や音声認識・文字認識技術、
ロボット技術などの中小零細企業に対する導入企画支援のような商売も始める
べきであろうと考え至りました。
また、PR欄でも述べているように、弊社では以前から中小零細企業における
人材調達の方法論をクライアント企業ごとに企画し実践の指導をするサービス
を展開しています。一方で、展示会を見る限り、人材調達に拠らない「最新技
術に拠る労働力不足解消」は、中小零細企業にとって、コスト的にも十分実現
可能なオプションになって来ているようです。
弊社では営業部門や販売部門のマーケティング・プロセスの見直しもよく手
掛けています。従前は、その多くが、各種情報発信を人力で企画・設定してレ
スポンスをウェブに集め、それを人力で刈取ると言った効率的な流れの設計で
した。ここでも、先程の労働力不足解消の場面同様に、営業担当者・販売担当
者の人力の対応どころか、判断にさえ拠らない「最新技術に拠る漏れの少ない
営業販売推進」が、中小零細企業にもコスト的に可能になっているように感じ
られました。私がMAの概念を知ったのは4年ほど前のことですが、中小零細企
業にも実現できる身の丈のMAが到来したことを興味深く思います。
今回お届けする第437話は、人材育成の現場を描いてみました。「コミュ障
のスタッフにコミュニケーションさせる場面」は、一見かなり無理筋ですが、
現実には日常的に発生することが多いものと思います。そんな現実的な実践の
場面について考えてみた内容です。本文に対するご意見・ご感想をお待ちして
おります。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その437:人々の間
「そうそう。まず『今日テレビで血液型占いを見たんです』って言って、『そ
れで、僕の運勢が凄く良かったんです。僕、O型ですけど、最高ですよ』と言
う。それで、向こうが反応するよりも早く、畳み掛けるように『それで、お客
さんは何型ですか』って尋ねるんだな。お客さんがO型だったら、『同じです
ねぇ。今日、良いことありますよ』って台に視線を投げれば良いし、仮に違う
血液型だったら、『あ。それO型より良い奴です。お客さん凄いですね』と言
えば良い。それじゃあ、その会話の練習をしてもらいましょうか」。
パチンコ店の事務室の脇のスペースで、私が数人のスタッフに話したのは、
お客さんの血液型の尋ね方。この店では私が支援するカルテ型接客を店ぐるみ
で始めた。お客様カルテにはまずお客様の趣味や血液型など普段の話題になり
そうなことを書き込まねばならない。最初に書き込むことをお客様に不審がら
れず、お客様を不快にさせることもなく聞き出す必要がある。
コミュ障と言う便利な言葉ができたのは、もう十年近く前かもしれない。コ
ミュニケーションが明らかに苦手そうなスタッフでもパチンコ店は雇わねばな
らないことが多い。居酒屋やコンビニでも相応のお客様応対が求められ、本当
にコミュニケーション能力が不足していると、全く務まらない。倉庫のピッキ
ング作業やビルクリーニングの仕事は深夜のシフトも多く、通いがままならな
いと務まらない。仕方なく選ばれるのがパチンコ店なのではないかと、店長達
は話す。
血液型や行きつけの外食店をお客様に尋ねてカルテに記入してと指示すると、
スタッフ達はストレスを感じ、「辞めたい」と言い出すこともある。それを未
然に防ぐために、念入りにロープレを行なう。
「ここ最近の若手の社員は、他の年上の社員とコミュニケーションをとらない。
だから、組織がうまく回らなくなった」と言うのは、色々な業態の会社の社長
から比較的頻繁によく聞く意見。「本当にそうでしょうか」と私は応じている。
「カルテに基づいたお客様との会話がどの程度喜ばれているのか分かりません
が、スタッフ達が皆、明るくなって活き活きと働くようになった。こんな状態
は開店以来初めてで、明らかに離職率も下がりつつある。カルテ型接客は零細
店舗の稼働アップの切り札と聞いていたが、それ以外の内部のメリットの方が
よほど大きいんじゃないかと思う」。
カルテ型接客を導入して1か月ぐらい経った店舗の店長ら管理者陣は、皆一
様に言う。そんな時、私はスタッフの個別面談をさせて貰って、スタッフの笑
顔を見たくなる。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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次号予告:
第438話 『続・錬金の原理』 (4月25日発行)
日本の企業の生産性が悪いという話をよく聞きます。当たり前のことに思え
ます。日本の企業は人材育成に手間暇をかけつつ、大きな儲けにつながらない
事業を維持しつつ、雇用を守るからです。そんなことをちょっと考えてみまし
た。
(完)