430 堕ちる気配

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経営コラム SOLID AS FAITH 第430号
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 ご愛読ありがとうございます。第430話をお届けします。

 恒例の年の最後の配信はクリスマス当日です。これまた恒例の大判寒中見舞
いの発送の準備を進めつつ、年の瀬を迎えております。皆様は如何お過ごしで
しょうか。

 幸いにして、有難いことに年末から来年にスタートする幾つかの引き合いも
頂戴し、通例案件が減る1月から2月も、新規案件の準備を色々と行なうこと
になっています。案件に至らなかったお声掛けなども含めまして、弊社事業に
ご関心を賜った方々に御礼申し上げます。
 
 PR欄は最近発売した電子書籍のご案内を書いてみました。中小零細企業への
就活をどのように学生がするべきかについて、ラノベ・テイストにまとめてみ
た内容です。中小零細企業は、基本的に外部からその経営状況を計り知るのが
非常に困難です。また、多くの中小零細企業が採用に漕ぎ着ける多くの非高偏
差値の学生にとって、自己分析から自分の適職を占うこともかなり困難なこと
と考えられます。この組み合わせを意識して、「会社研究ほぼナシ」・「自己
分析ほぼナシ」の就活の在り方を探ってみました。読んだ方からは、「目から
ウロコ」的な感想をよくいただきます。是非、PR欄をご高覧ください。
 
 今年最後のコラムはダメな中小零細企業経営が肌身に感じて分かる話を書い
てみました。狙っていた訳ではありませんが、なぜか年の最後の号はそれなり
に「年の瀬感」がある話が例年多かったのですが、今年は全くその気配のない
号が巡り合わせたようです。お楽しみ戴けましたら幸いです。本文に対するご
意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納
期は5営業日!!

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その430:堕ちる気配

伊藤忠商事名誉理事だった丹生宇一郎の『人を育てよ 日本を救う、唯一の処
方箋』をストレートな題名に惹かれて読んだ。仕事人・組織人の育て方につい
て、誰しもが漠然と理解している事柄について、説得力を持って描いている。

「囲碁に興味のある人は井山裕太さんの名を知っていると思います。二三歳で
史上初の六冠を達成した棋士です。彼が対談の中で、こんなことを言っていま
す。定石からすると、まずこんなところには打たない。自分でもそれはわかっ
ている。それでもどうしてもこっちに打ちたい。そう思うときがあるそうです。
これが感性や「直感(ひらめき)」といわれるものです。
 どの分野でも初心者は『どこでもいいから石をおきなさい』と言われて、適
当におくことはできるかもしれませんが、感性や直感ははたらきません。どう
してもここに打ちたい。そういう感性がはたらくというのは、よほど定石だけ
でなく、その道を究めた人でなければ生まれてこないのです。
 ナイト・サイエンスを身につけるのは相当に難しいことだと私が言っている
のは、この点です。どの業界においても、技術を究めたからこそ手に入れるこ
とのできる感性や直感があります、逆にいえば、そうした感性や直感がはたら
くようにならないと、本当に仕事を究めたことにはならない、ということです」。

 本文中に説明されている「ナイト・サイエンス」は、ノーベル物理学賞を受
賞した江崎玲於奈博士が直感や感性の科学を意味する言葉として作った言葉。
これに対して、論理と知識の科学を彼は「デイ・サイエンス」と呼んでいる。

「中小零細企業の経営は、95%オーナー経営者の人物次第って市川さんは言う
じゃないですか。じゃあ、会社をダメにする経営者の条件とか特徴みたいなも
のってありますか」。
「3代目の社長にして会社は没落かな」と言った私に、案件に同行している弟
子が尋ねた。

 自分で最後に決断することができないこと。課題の発生要因や過去の失敗に
ついて部下や他人のせいとしか考えることができないこと。未来に向けて投資
ができないこと。学びに貪欲でもなければ、忠実でもないこと。色々と思い浮
かぶが、そのどれもが絶対でもないと分かっている。私は弟子にそれらを聞か
せ、簡単に解説した。弟子は「ああ、なるほど」と頷き、「そういうことを会
話の中から読み取るんですね」と言った。

「まあ、5分、10分話せばほぼ確実に分かるけど、15年とかこの商売してるか
ら、入口から応接に行くまでに見聞きする物事とかで、何となく結論は出るけ
どね」と私は答えた。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

とうとう二年越しで作業が進められていた弊社サイトの大更改が完了!

今までのコンテンツだけでも膨大な文章量でしたが、
今回の大更改にあたって…

■中小零細企業のよくある悩みの14分類を追加
■弊社でよく用いる用語集(約100語)を追加
■弊社でよく提供するレポート類を「資料置き場」で14編大公開
■今まで図解がなかった弊社主力商品の一つ、VASSを詳細説明
■弊社サービスを紹介するためネガティブ・テスティモニアルを設置
■以前他サイトにあった弊社作の学生向け就活対策ページを14枚を追加
 http://msi-group.org/

そしてさらに、その学生向け就活対策ページにふんだんにリンクを張った
『オリジナル版 戦略的内定の取り方: 美香、本当の就活に再挑戦』
 という電子書籍を発売開始しました。

この電子書籍は2014年6月発売時に好評を博し…
 アマゾンで電子書籍の販売実績、総合15位を記録し、
 三つのジャンルで1位を獲得しました。

当時の電子書籍のリンク先のサイトが閉鎖になったため、
改めて弊社サイト内に学生向け就活対策ページを設け、
弊社代表が当初作成したオリジナル版として復刻を果たしました。
是非販売ページをご覧になってみてください。
実は近日中に続編発行の予定もあります。
 http://amzn.to/2ALTbtS

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『おじさんはなぜ時代小説が好きか』 関川夏央 著
■『超訳 哲学者図鑑』 富増章成 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
このメールマガジンは、
インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。
(http://www.mag2.com/ ) 

毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け19年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
★全バックナンバーはまぐまぐのサイトで掲示されております。
 http://archive.mag2.com/0000019921/index.html
★弊社代表のコラムが色々満載。
 ソリアズのバックナンバーも各号の全文が読める弊社ブログ。
 http://tales.msi-group.org/?cat=2
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※ ご注意!!
 サーバのエラーなどで読者登録が解除されてしまった方がいらっしゃる様子
です。当メルマガは毎月10日・25日に休まず発行しております。発行状況のご
確認は上述の弊社ブログにて行なってください。
 また、まぐまぐからの連絡によると、一部フリーメール運営企業でサーバの
受信量規制を行なっているケースがあり、その場合は大幅にメールマガジンの
到着が遅れるとのことです。
「届かない」、「再送希望」などの連絡は、まぐまぐの窓口である
「magpost@mag2.com」に、メルマガID(#0000019921)、タイトル(『経営コ
ラム SOLID AS FAITH』)、購読アドレス、再送希望の旨を記載の上、メール
にてご連絡下さい。
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次号予告:
 第431話 『寄合所帯』 (1月10日発行) 
 400話以上も書いていて、ふとテレワークについての話が一つもないことに
気づきました。以前そのたぐいの会社の社長と話した内容を一話にまとめてみ
ました。

(完)