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経営コラム SOLID AS FAITH 第626号
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ご愛読ありがとうございます。第626話をお届けします。
2月後半になり、関東では花粉が飛散する状況が始まり、帰宅すると洗髪・
洗顔が必要な時期になりました。先日は世田谷区の羽根木公園で満開の梅が所
狭しと並ぶ圧巻の景色を満喫して参りました。春はすぐそこです。
激動の衆院選結果を受けて、各種の政策の実現の道筋が見えて来ました。消
費税減税も、不法外国人労働者の締め出しも、今後も続く円安基調も、労働政
策の見直しも、中国との実質的なデカップリングも、各種補助金の見直しも、
年収の壁の変更も、中小零細企業の経営環境を揺るがす事態につながることで
しょう。幸いにして現政権は情報発信が充実しています。押し寄せる具体的な
変動の衝戟に備えなくてはなりません。
そんな話をあちこちでしていましたら、ご縁をいただいて、某業種店舗の業
界団体様から講演依頼を頂戴しました。3月下旬の開催です。お題は殆どあっ
て無きが如くで、「兎に角危機感を煽る、目の覚めるような話を」とのことで
した。その昔、中小企業診断士の師匠である小谷喜八郎先生から、「業種別組
合の言いなりになって思考停止している多数の店舗が存在している業界は、ど
んどん淘汰されて行く」と教えられましたが、どうも今は業界団体の人々が持
つ危機感の方が、加盟店舗側よりも強烈であるようです。
今回の号は今も継続傾向にある家電量販店の取引先虐めの構造を考えてみた
ものです。業界外の人々に話すと、文中にもある通り「そんなバカな」などと
驚かれる内容が含まれていますが、(多少事実関係を誤魔化してあるものの)
すべて実話です。巷間に出回ることのないこうした不当取引の実態とそれが発
生する背景について、ご一緒に一考下さい。ご意見・ご感想をお待ちしており
ます。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その626:聖戦の傭兵
家電量販店がまた公正取引委員会から勧告を受けた。毎年不当廉売か優越的
地位濫用による取引先苛めが報道されているように感じる。私の会社員時代の
仕事を知る社長から、「不当な取引は他人事に思えない。昔からこんな風に酷
いのか」と聞かれた。
デジカメがない時代、写真用フィルム会社のマーケティング担当者として働
いていて、私は家電量販店の殺風景な会議室に数時間に亘って軟禁されたこと
がある。この店にデモ販マネキンの仕事をする若い女性スタッフを送り込んで
いた。老人客がお手洗いの場所を尋ねたが、その日に入店したばかりの彼女は
それを知らず、よく確認もせず「あちらの方です」と案内したら、クレームに
つながったらしい。量販店の担当者は激昂して彼女を軟禁し、「迷惑料100万
円を払わなければ帰さない」と連絡してきた。
腰が引けている上司の判断を待たず、私は取り敢えず店に行き、軟禁され役
を交替して彼女を帰した。その後数時間、時々店の管理職が現れては「迷惑料
を払え」と言われたが、結果的に会社が手配した弁護士との話がついたらしく、
私も帰社した。今でも山手線沿線のターミナル駅の真ん前に陣取っている家電
量販店店舗である。
家電量販店は概ねこんな感じで、自社の販促誌に勝手にこちらの広告を載せ
て、掲載料の請求書を送りつけて来たり、四半期に一度の棚卸には要員を出さ
ねば売場を削ると通告してきたりした。新商品の価格提示をしたら、「見栄え
が悪いからこの辺は削ってください」と営業担当者に向かって消費税の欄を赤
線で消して迫ってきたこともある。
彼らは自分達が製造者の支配を壊し、顧客目線の流通革命を起こすのだと息
巻いていた。製造も卸も一丸となって彼らに協力してより魅力的により安く売
ることに挑戦しているのだと常に熱く語っていた。聖戦に協力する味方である
かを私達に問うているのだという。
「うわ、滅茶苦茶だな」と言う社長に、私は笑って言った。
「けれど、ネット通販がどんどん勃興して、今となっては彼らの方が革命を起
こされる側になりつつあるから、もう誰も彼らの聖戦に付き合わなくなって、
彼らが面倒なことを言うと、表立って反抗してすぐ告発するような人間が出る
ようになったんでしょうね。」
当時も表立たず反抗する方法はあった。お客様第一主義の彼らは、お客様の
声を経営者層が回覧して、その内容に過剰なほどに反応する。だから、私の会
社の営業担当者は友人知人に依頼して、あらゆる不便や不快をアンケートで投
書して、狙った売場担当者を左遷することさえできた。しかしその手口を私は
社長に告げず、被害者然として話を終えた。
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次号予告:
第627話 『魔法の小径』 (3月10日発行)
公共図書館に行くとパス・ファインダーと呼ばれる資料が置かれていること
があります。よく話題になるテーマの調べ方の道筋を示した資料のことです。
組織の人材育成におけるパス・ファインダーの功罪を考えてみました。
(完)