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経営コラム SOLID AS FAITH 第45号
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ご愛読ありがとうございます。第45号をお届けします。
一昨年の10月末日から発行を始めた当コラムですが、とうとう、45話に辿
り着きました。一応、100話を目指していることになっておりますので、もう
すぐ、折り返し地点です。それまで、できるだけ読者のみなさんに中小企業の
経営を色々な切り口で考えていただけるような、「質」を維持しつつ頑張りた
いと思います。
今回の号は、簿記の試験勉強の経験などから、一つのことをマスターすると
はどういうことなのかを考えてみます。お楽しみいただいたり、参考にしてい
ただけるところがあれば幸いです。
みなさまのお気に入りの号の募集は、まだまだ行っております。本文後の案
内をご覧の上、どしどしご一報下さい。よろしくお願いします。
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その45：シンクロの妙味
「やはり、その簿記の精神が大切なんですよ。簿記を作った人の気持ちになっ
てください。会社をやっているでしょ。そこで、色々起きてくる取引を効率良
く整理して表現する方法。これをあなたが編み出さなきゃならない。そして編
み出した気持ちになってください。その気持ちになれたら、あなたのやる仕訳
は、絶対間違っていないことになりますね。だって、あなた自身が簿記を考え
たのと同じなんだから」
私が通った簿記の速習コースで、講師は言った。３日間で簿記３級をクリア
し、５日間で簿記２級をクリアすると言うコースだ。合計８日間のコースに半
信半疑で通いとおした。２級受験の会場では、他の受験者は皆、鉛筆を持ちか
えること無く左手で電卓を連打する。電卓を右手の人差し指一本で押すのは私
だけだった。
それでも、同じ日に受験した３級・２級、二つの試験に合格した。簿記の精
神は私に宿ったか。答は自分でも分からないが、体系化された知識には、その
本質が存在するのは本当のようだ。
英検一級も、存在する筈もない英語を作った人の気持ちを、真剣に想像した
ら受かった。中小企業診断士は、会ったこともない中小企業庁の出題者の思考
を必死に想像したら受かった。嘘ではない。自慢でもない。司法試験合格者に
聞いたら、同じようなことを答える人が何人かいた。
「ＨＡＣＣＰが中小企業にも要求されるようになる」と、あの乳製品メーカー
の不祥事のあとでも尚、或る研修会で聞かされた。ＨＡＣＣＰは金がかかる。
そんな議論もよく聞く。海沿いの町で育った私は、海岸沿いの水産加工所を思
い出す。そこでは、夏の暑い日、窓を開け、長靴を履いたパート社員が木枠入
りの切り身を水濡れした床に直接置いていた。
ＨＡＣＣＰもＩＳＯも資格に過ぎない。資格は本質が伴わねば意味がない。
王道の追求と金の算段は忘れて、まずは、その精神をマスターし、実践するこ
とが早道と、多分あの簿記学校の講師は教えてくれるだろう。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと一層楽しめます。
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発行：
「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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＜二周年記念ミニ特集号準備中！＞
一周年記念号ほどには気合いを入れず、昨年10月からの１年間をちょっとだ
け振り返る二周年記念号を出そうと思っています。そこで、前回同様、是非是
非、みなさまのお気に入りの（昨年秋以降の）号をお知らせ下さい。
まぐまぐのサイトで全バックナンバーが掲示されておりますので、ご参照下さい。
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000019921
ベスト１でも、ベスト５でも結構です。（号数やタイトルが分からなくても、
エピソードだけお伝え頂ければ十分です。）よろしくご協力下さい。
宛先： msi-group1@mbb.nifty.ne.jp
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次号予告：陶酔の営み（9月10日発行）
中小企業経営者にとっての、そしてその人生における「会社経営」とは何で
あるのか、ちょっと考えてまとめた文章です。