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経営コラム SOLID AS FAITH 第405号
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ご愛読ありがとうございます。第405話をお届けします。
寒い日が続きますが、如何お過ごしでしょうか。弊社ではクライアント企業
さんの多くが繁忙に入る12月から翌年4月ぐらいが毎年暇になる時期です。世
の中一般の年度始めに売上が下がる時期が到来します。暇に任せて、お訪ねで
きないままになっていた方々を訪ねたり、見ておきたいものを見たりしつつ、
案件獲得に向けた活動をチマチマ重ねたいと考えております。
その閑散期の作業の一環と言う訳でもないのですが、弊社の際と全般のリニ
ューアルの準備を数年がかりで進めておりましたが、とうとうジワジワとお目
見えする段階に至りました。まずは、ブログから衣替えとなる予定です。PR欄
にも少々書きましたが、また、改めて詳細をご報告いたします。
今回の号は、『10年爆弾』と題して、確実に成長してきたはずの組織の閉塞
感と、定番になったビジネス・モデルの陳腐化を、創業10年目の危機としてま
とめて描いてみました。創業から、5年間売上や利益を積み増すことができる
と、弊社ではその中小零細組織が市場の一定のニーズを捉え、持続可能な形に
なったものと看做すことが多いです。しかし、その後、安定の組織運営を重ね
ていくと、どうしても、組織と事業の各所に澱のようなものが堆積して、効率
は下がり、効果は色褪せていきます。そのような組織の場面を描いてみました。
本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへの
お返事の目標納期は5営業日!!
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その405:10年爆弾
机上のプリントに向かって作業を進める幹部達の表情を見つめながら、私は
漠然と過去4年ちょっとのこの会社の案件の経緯を振り返った。従業員数60人
余り。オーナー社長が幹部と認識する人々は、年齢も役職もばらばらな6人ほ
ど。最初の引き合いは、幹部に危機感を与えること。彼らは会社に寄りかかる
だけの連中と言うことらしかった。
「そうでしょうか。自分の役割を仮に認識していても、方法論が分からないの
が、実際のように思えます。大体にして、この人々は各々の職場で他より年功
が長いだけで幹部になってしまったのではないですか。10年前の創業から程な
く入社した人ばかりですね」。
私が指摘すると、社長は「立場が人を作るはずだ」と小声で言っていた。4
年前に採用によって、自分より社歴の短い社員が現れただけでは、立場は彼ら
を変えなかったようだ。
創業から順調に組織が成長すると、初期メンバーは徐々に組織上層に押し上
げられる。幹部の立場だけができても、そこにいる人々の役割認識は創業時の
ままの一社員。社長は末端まで目が届かなくなり、上からは大手が総力戦で、
下からは零細がゲリラ戦で攻めてきて、市場での立ち居地も危なくなってくる。
私は「10年問題」と呼んでいる。
その翌日、全国の中小零細企業に通販で社員育成教材を売る会社に打ち合わ
せに来た。この会社は創業12年目。会員と呼ばれる企業は全国に1万社弱。
『社員の現場力を上げる』、『稼ぐ社員の当り前10か条』など。毎月新作冊子
の案内を出すと注文が来る。会員企業のオーナー社長の心を掴む企画をコンス
タントに出せるのが、この会社の最大の強み。その独特のテイストにあった企
画を多少なりとも私も立てられるので、引き合いを戴いた。
「最近、1回当りのレスポンスの率がジワリと下がって来てんだよなぁ。おま
けを付けたり、チラシの工夫をすれば、ちょっとは上がるけど、それも想定内
の範囲で、梃入れを止めればまたジリジリと反応は下がる訳よ。最初の頃の
どっと来る反応の感じが全然出ないんだよなぁ。まあ、儲からなくて喰えない
ほどの悪さじゃないし、新規会員も少しずつ増えているから、文句を言えば罰
が当るのかもしれないけどさ」と社長は嘆息していた。
企画の仕事を頂戴できるのは有難い。しかし、同じ容器にやや目新しいもの
が入った数ヶ月が過ぎれば、またレスポンスは落ちるだろう。社長の手詰まり
感は、定期購読のビジネス誌の出版社にいた私にも想像がつく。
似たような刺激が延々続けば、継続客もその反応を鈍くして行く。完成した
利益創出の仕組みそのものが、倦怠を招く。「10年問題」の別バージョンが見
つかった。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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まずは近日中にブログの引越し作業が行なわれることとなりました。
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】
■『「学び」で組織は成長する』 吉田新一郎 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
第406話 『可鍛の露見』 (12月25日発行)
本年最後のソリアズは、人間の能力の“のびしろ”について考えてみた内容
です。ご期待ください。
(完)