395 差分の共感

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ご了承ください。
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経営コラム SOLID AS FAITH 第395号
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 ご愛読ありがとうございます。第395話をお届けします。

 とうとう395話まで到達しました。400話まであと少しです。400話からは
「400話発行記念特別号」として、三回シリーズの『相違と多様』をお届けす
る予定です。さらに、記念特別号の三号には、もう一つの三話連続シリーズが
つきます。題して『アラウンド・ソリアズ おんなの生きる道』です。ライ
ターの石原さとこさんに取材結果やご自身の体験談をまとめてもらいました。
漸く準備がほぼ完了して安堵しています。

 400話からのシリーズの連載は9月25日から10月25日まで。そして、全くの偶
然ですが、その直後の10月31日には17周年記念特別号が発行されます。4号連
続の記念特別号に、是非ご期待ください。詳しくはPR欄をご覧下さい。

 前回の号のご挨拶文で、オタク社長・コミュ障社長に言及致しました。その
後、何度か訪問先で、そのような社長について質問を戴きました。ご関心を賜
りありがとうございます。早速今回の号にも、そのような社長が登場します。
社員に対して非寛容なケースを描いてみました。ご一緒にお考えいただけたら
幸です。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想
などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その395:差分の共感

「来月から始める勉強会ですが、社員の連中への連絡はもうしてあるので大丈
夫だと思いますが、私の方では、何か気をつけることがありますか」と打ち合
わせで社長が尋ねる。
 社員に現場改善の意欲を植え付けるための勉強会を始めることにした社長は、
やたらに細かいことが気になる人物である。社内で朝礼をしない理由を尋ねる
と、自分のスピーチは「寝られないぐらいに文章を練ってみたくなるから」と
答えたこともある。

 勉強会では課題が毎回出る。簡単なものばかりだが、社員によっては課題以
前に議事録を書くことさえ初体験であったりするので、勉強会関連の提出物の
内容を絶対値で評価しないように伝えると、社長は信じられないと言った顔で
口を開いた。
「絶対値って。課題とか議事録とか、そういうものの出来栄えを評価してやる
のは当然ですよね。良い、悪いをきちんと伝えればよいだけのことでしょう」。

 心理学者のリチャード・デビッドソンが挙げるポジティブな感情には二種類
ある。一つは、目標に向かって前進することに伴って得られる「目標達成前ポ
ジティブ感情」。もう一つは、欲求していたことを達成した時点で生じる「目
標達成後ポジティブ感情」。快楽として大きいのは、前者であるとデビッドソ
ンは述べている。
 
 社員が普段の業務とは異なる新たな作業に取り組めば、課題であれ議事録で
あれ、作るまでのプロセスが苦にならず続けられることが肝心だ。成果がどう
であれ、達成前の段階が快いなら、それを認めてやらねば、共感したことにな
らない。新たな取り組みの微かな愉しみが定着しないうちは、成果を精緻に評
価しても、社員はそれを喜ばない。
 
「確か、小学生に100マス計算をさせる陰山メソッドでも、計算時間そのもの
ではなくて、繰り返すごとに時間がどれだけ短くなったかについてきちんとフ
ィードバックするとか言っていましたよ。オタクがツンデレが好きだったり、
筆記具や鞄なんかも“こなれてくる”といい感じになったりとか。日本人はも
ともと、最初の状態からの変化を愉しむことが得意な民族らしいですよ。そう。
なんかに書いてありましたよ。“差分を愛でる文化”だと。ならば、社員も、
スキルや価値観の“差分を愛でて”下さい」。

 私がダラダラ説明しても、どうも社長は納得できない様子でいた。過去数年、
業績は伸びても離職の多い組織。言って直ぐ“差分を愛でられる”訳もないか
と私は嘆息した。

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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

今秋の発行迫る! 2大記念特別号!
400話発行記念特別号の3号と、17周年記念特別号の大長編特集。
9月25日から4号連続で、記念特別号祭りの1ヶ月余。

400話発行記念特別号は…
 通常シリーズ『相違と多様』の3話で、
 中小零細企業のダイバーシティを考え
 ライター石原さとこさんによるソリアズにまつわる女性の話を
 色々な切り口で描く
『アラウンド・ソリアズ おんなの生きる道』の3話を
 並行して発行します!

さらに、17周年記念特別号は…
 弊社代表の元弟子で、アイソリューション社代表の山口佳織氏による
 大長編『人工知能で変わる 中小零細企業の経営』(仮)をお届けします。

時節柄の経営ネタを扱うのも異例なら、
二つの記念特別号が連続するのも異例中の異例!
今年の秋は、ソリアズ記念特別号祭りを
目一杯お楽しみください。

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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『恋愛しない若者たち…』 牛窪恵 著
■『人間は「心が折れる」からこそ価値がある』 苫米地英人 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第396話 『死に絶えるべき人々』 (7月25日発行) 
 以前、『応急処置』と言うシリーズで「死すべき技術としての経営」を考え
てみました。切り口は全く異なりますが、今度は今流行の経営トレンドから死
に絶えるべき人々について考えてみました。

(完)