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経営コラム SOLID AS FAITH 第40号
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ご愛読ありがとうございます。第40号をお届けします。
今回の号は、日常について考えて見ました。どこまでも平坦で、砂を噛むよ
うな毎日の反復。これが、宮台真司の言う「終わりなき日常」なのかもしれま
せん。
日常の大部分を占める職場での時間。それをどう認識するか、させるかが、
動機付けの原点だと考えます。いつもの如く、一緒にお考えいただきたく存じ
ます。お楽しみ下さい。
お気に入りの号の募集は、まだまだ行っております。本文後の案内をご覧の
上、どしどしご一報下さい。よろしくお願いします。
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その40:日常の透析
最近、女優やら作家やら、歌手から元アイドルまでが、その父親の名を明か
さずに、子供産んだと話題になる。週刊誌に書かれ、エッセイが出版される。
ドラマでも、一人で子育てに臨む主人公が増えてきたように感じる。子供を産
むことは素晴らしいことである。人類の半分である女性のみが可能な体験であ
る。その後の子育てまでも女性が独占できるようになった。
人類の半分の数十億人が経験できること。私の交友関係は狭いが、毎年の年
賀状の内で少なくとも一通は、赤ん坊を抱えた送り主の写真が刷られている。
産婦人科ではそれが毎日繰り返され、保育園・幼稚園には子供がはしゃぐ。
「子供が生まれてくること」は、日常に溢れている。
ニュースは高校生が子供を産んだと言う話を伝える。産んでは虐待し、殺し
たなどと言う。話題の有名人の場合同様、子供は所謂「ててなし児」である。
ある会社の専務と夜の街を歩いた。路上でギターをかき鳴らし、大声で歌う
若者がいる。その脇を通りながら専務が、先ほどまでの会話に続けて私に言う。
「市川さんが留学された話、凄いと思いましたよ。当時あの大手企業を辞める
ってのは、生半可なことではないでしょう。チャレンジですよね。こんな風に
学校に行かず、就職するでもなく、道路で歌唄ってるのも、きっと彼らにとっ
てはチャレンジなんでしょうね。こんな若い人を見ていると、彼らにはチャレ
ンジが足りないんだなって思うんですよね。勿体無いですよね。ウチの会社に
はチャレンジが山ほどあるのに」
私は、そこの会社の現場を知っている。労働集約的作業の反復が大半の職場
にいる社員は専務の言うチャレンジを感じているだろうか。
「ててなし児」は、なぜチャレンジの対象となって、人々の感動を呼べるのか。
何が欠けると、ただの疎ましい存在に堕して、その命を絶たれてしまうのか。
いつかあの専務とこの疑問の答えを探求したい。路上に流離う青年達を専務の
会社に呼び入れるカギも、多分、そのときに見つかるだろう。
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発行 MSIグループ(著者:市川正人)ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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<二周年記念ミニ特集号準備中!>
一周年記念号ほどには気合いを入れず、昨年10月からの1年間をちょっとだ
け振り返る二周年記念号を出そうと思っています。そこで、前回同様、是非是
非、皆様のお気に入りの(昨年秋以降の)号をお知らせ下さい。
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次号予告:誤ったスピード(6月25日発行)
「スピードの経営」は経営用語集にこそ載っていないものの、本当によく使わ
れる言葉となりました。経営のスピードを上げるべき分野に関して考えてみま
した。交通事故の話ではありません。為念。