037 溢れる循環財

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経営コラム SOLID AS FAITH 第37号
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ご愛読ありがとうございます。第37号をお届けします。

前号の前書きでも書きましたが、雑誌「仕事の教室」6月号の「パワフル・
リーマンでいこう」と言う特集に、私の転職歴が2分の1ページサイズの記事
となって掲載されました。嘘ではないぎりぎりの粉飾内容の上に、写真入りで
恥ずかしい限りですが、「どんな奴がこのメルマガ書いているんだろう」と訝
しくお思いの東京近郊在住の方は、是非、書店にてご確認ください。23ページ
です。

話題は変わりますが、昨年の一周年期年号には、幾つかのご感想を頂戴しま
した。今年も、秋にはまた簡単な記念号を発行しようと思っています。昨年の
後半以降の号で、皆さまのお気に入りの号を、是非、お聞かせ下さい。

前回ご協力いただいたアンケートと異なり、別にベスト3ではなくても構い
ません。1つでも、5つでも、結構です。タイトルでも、号数でも、含まれる
エピソードでも結構ですので、メールにてご一報いただければ幸いです。返事
確実です。(納期は5営業日!)
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その37:溢れる循環財

私の知人の父が亡くなった。その人は北海道庁のお役人であった。会ったこ
とも無いその人のエピソードで、忘れられないものがある。昔、子供の頃の知
人をドライブに連れて行き、ある橋を渡ったときこう言ったと聞く。「この橋
は私が作ったのだよ」

その人が趣味で土建をやっていた筈も無い。その時点では天下りもしていな
かった。その橋ができたのは、その人自身の手によるものではない。彼はお役
所の机に向かって、その橋を作る予算案件に判子を押したのである。

「お母さん、ここにも使われています」とあらゆるところであるメーカーの
製品が使われている物を指摘して行く。少し前まで、ある金属メーカーが放送
していたコマーシャルである。あれは一体誰の何のために放送されていたのだ
ろうか。企業広告として受注にも採用にも大きく貢献したのかもしれない。た
だ、私は知人の父の話を思い出すとき、あのコマーシャルが自社社員とその家
族に与えるプラスの効果は大きいものと想像する。

ある週刊誌によると、「若者たちはありがとうと言われる仕事を目指」して
いるのだそうだ。自衛隊や消防署員を志望する者が増え、ボランティア志望者
や福祉関係の職を目指す者が増えていると言う。「社会貢献型」の仕事が大人
気。記事ではそう言う表現もある。では、社会非貢献型の仕事とは何なのであ
ろうか。

子供の数少ない重要評価基準として学校の成績が定着して長いこと経ち、
「面倒見のいい子」や「正義感の強い子」は夥しい数の絶滅危惧種となって行
く。彼らは多分、他人から「おまえのお陰で助かった」と言われたいだろう。
何の事はない、大人だって、そして「ファウスト」を読めば随分と昔から、
「君のお陰で助かった」と言われたいのだ。

電電公社最後の総裁、真藤氏は数十万の職員を擁する組織の意識改革スロー
ガンの一つとして「次工程はお客様」と説いた。その言葉は彼が検挙されよう
とも地に塗れることは無い。お客様はどこにでもいる。社内にさえいる。「あ
りがとう」と言われなければならない人もそこら中にいれば、「ありがとう」
と言われたい人もまたそこら中にいる。

社員の士気が上がらない組織ができようはずは無い。
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発行 MSIグループ(著者:市川正人)ご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
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次号予告:完成の結末(5月10日発行)
中小企業のある社長さんから伺ったシステム投資の話を元にしたものです。
多少偏見めいてますが、ある面十分に真実だと思います。お付き合い下さい。
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<二周年記念ミニ特集号準備中!>
一周年記念号ほどには気合いを入れず、昨年10月からの1年間をちょっとだ
け振り返る二周年記念号を出そうと思っています。そこで、前回同様、是非是
非、皆様のお気に入りの号をお知らせ下さい。
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