363 ネガティブ・ハッピー・カスタマー・エッジ

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経営コラム SOLID AS FAITH 第363号
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 ご愛読ありがとうございます。第363話をお届けします。

 前号で告知致しました「ママ起業家養成講座」第五期が、いよいよ明日3月
11日から始まります。このコラムの200話発行記念特別号や9周年記念特別号
の執筆もしている市場真理子氏が主催を独立起業講座です。遥か以前、通信講
座の形で弊社代表の市川が行なった“中小零細企業向けの企画請負業”の仕事
のあり方を教えるコンテンツを受け継ぐ形で、全8回の講座にまとめられてい
ます。PR欄の詳細情報も是非、ご覧下さい。
 
 今回のコラムは、或る大手航空会社のおかしなCRMについて考えてみました。
たとえば、パチンコ店では貯玉システムと言うCRMシステムが多くの店に普及
しています。文字通り玉を貯めておくシステムです。その「貯玉のカードを台
に挿し込むと、前回大当たりした客をシステムが即座に検出して、自動的に当
たらないように台を調整するんだ」と、実しやかに語るパチンコ・ファンがよ
くいます。全くの誤解で、そのようなシステムは存在しません。しかし、受け
手からすると、そのように感じられる根拠があるのでしょう。

 お客様の満足は、あくまでもお客様の主観の中に形成されていきます。こち
らの行なうことの善し悪しを振り返ることはそれほど難しくありませんが、お
客様の中に形成される自社のイメージを意識することは、なかなか困難です。
変わったタイトルですが、『ネガティブ・ハッピー・カスタマー・エッジ』と
題してみました。昔の映画のタイトルをもじったものですが、本文の主旨にか
なり嵌ったので、気に入ってます。
 
 本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへ
のお返事の目標納期は5営業日!!
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その363:ネガティブ・ハッピー・カスタマー・エッジ

「こんな風に、読書灯が自分の手許を照らしていないので、不便です。満席に
近いぐらいお客さんがいるので、席も移れないし、今すぐ調整できることでは
ないことは分かっていますが、今後のお客さんのためにも、後で調整しておい
たほうが良いと思います」。
 夜の機内。離陸前後に照明が暗くなり、読書灯で本を読むことした。点灯さ
せると手許ではなく、隣席との間にある肘掛付近を照らす。飲み物を配りに来
たCAに告げた。

「あ、お客様、読書灯はそのように備え付けられているものなので、変えるこ
とはできないんです。そのようなものですので」と彼女は言う。私は耳を疑っ
て、「ええ。すぐ直せるものではないことは私も分かっているので、整備の時
にでも直したらよいのでは、と言うことを言っているのです」と告げたが、彼
女は同じ答えを繰り返し、終いには私を無視して、隣の客の飲み物の注文を尋
ね始めた。

 この類の対応は珍しくない。常日頃から私は高頻度で不当に差別的な待遇を
受けている。降機待ちの混雑の中で、無理にビンを開けスーツケースを下ろそ
うとした客が後ろに居たことがある。その客を手伝いCAが無理に引っ張り出
したら、受け止め損ねて、私の頭に激突したことがあった。謝罪されたが、そ
の主旨はスーツケースをぶつけたことであって、無理を通そうとした客の都合
を私の安全に優先させたことではなかった。
 
 降機の列で前の方の客が何人もスマホを弄っているのに、私がPHSを出した
ら、「まだ携帯電話はお使いにならないで下さい」と私だけ警告されたことも
ある。足をやたらに伸ばして前の座席の下にあった私の鞄を踏みつけていた隣
席の客の言い分だけを聞いて、勝手にCAが私の鞄をどこかに持ち去ったことも
ある。
 
 優先客が搭乗の際にゲートを通ったら、QRコードが読み取られて、画面に
その旨が表示される。一般客は「ご搭乗ありがとうございます」と言われるが、
優先客は「いつもご利用ありがとうございます」と深々と挨拶される。同時に
横のゲートを通った優先客は相応に挨拶されたのに、同じ表示の私は全くシカ
トされたことがある。隣に子供づれが乗っていた際にも、おもちゃを見せるた
めに乗り出したCAの体が明らかに私の読書の邪魔になっているのに、延々5
分近くCAが子供に愛想を振っていたこともある。
 
 色々状況を鑑みると、私だけを狙って不当な扱いをしていると考えなければ
辻褄が合わない。多くの企業は個別のお客様に適切な対応をすべく、CRMの仕
組みの活用を真剣に模索している。意図は分からないが、CRMを負の方向に使
うことも技術的には可能だろう。そのようなことをしては居ないかと、ウェブ
のフォームに書き込んでみた。

「どなた様にも不公平感なく均一した応対で、ホスピタリティ溢れるきめ細や
かな気配りある応対に努めるよう指導しております」との回答。やはり、逆CRM
の事実を否定してはいない。謎めいた意図。正式に取材依頼をしてみたくなる。
 
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループの仕入完了報告(抜粋)】

■『「あいつらは自分たちとは違う」という病…』 後藤和智 著
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
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次号予告:
 第364話 『バイラルな取組み』 (3月25日発行) 
 自分の子供を後継経営者にするなら、子供の頃から、それが当り前と言う態
度で家業を手伝わせるのが良いと思われます。100年ぐらい前までは、かなり
有触れていた筈の、家ぐるみの仕事について考えてみました。

(完)