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経営コラム SOLID AS FAITH 第334号
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ご愛読ありがとうございます。第334話をお届けします。
今年最後の発行号となりました。長い読者の方々はお分かりの通り、単純に
文章として構成した順番に番号を付けているので、コラムの内容が全く季節や
時節にあったものになりません。今回の号もそのようになってしまいました。
悪しからずご了承下さい。
今年の後半から作業を進めてきた幾つかのプロジェクト的なまとまった仕事
が、来年の前半には形になっていく予定です。以前、この欄で書いた図書館通
いで集めた資料は、日本の業界団体についてのものです。その情報は英文ポー
タル・サイトとして構成されるべく、現在加工中です。また、映像メーカーさ
んの案件の途上で私が発案した企画は既に商品化が済んで来年早々の発売を待
つばかりになりつつあります。エンドロールに自分の名前を見るのは、とても
感慨深いものでした。今までとは少々違った切り口での仕事がどのような広が
りを齎すのかまだまだ分かりませんが、持てる力を注いで、可能性を探求した
いと思っています。
さて、前回の第333話『役員の有能化』は、クライアント企業の役員の方々
を中心として何人かの方から、耳痛い内容としての感想を頂戴しました。中小
零細組織ならではの強い組織の模索と、その中での役員のあり方などをご一考
いただけた証として、とても嬉しくご感想を承りました。
今回の『徒手空拳』は打って変わって、若手社員育成について考えた内容で
す。社会人の必須の能力として、昔から言われる「読み書き算盤」は、今尚そ
の価値を全く失っていないらしいことに、クライアント企業の若手育成の現場
で気付かされました。師走の一時、来期の若手社員育成のあり方を考える一助
となれば幸いです。本文に対するご意見・ご感想をお待ちしております。頂戴
したご感想などへのお返事の目標納期は５営業日!!
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その334：徒手空拳
車で営業や配送を行なうクライアント企業での勉強会。営業担当者が新卒で
採用した若手社員が地図を読めないと嘆いている。東京23区の大まかな位置も
分からなければ、主要な幹線道路の大まかなルートも知らない。会社周辺のバ
イパスでさえ混み具合を把握してない。普段はナビ頼みで用を成しているとい
う。会社から見て同じ方面の数ヶ所を巡る最善の配達ルートの案出は、かなり
難易度の高い応用問題であるらしい。「スキル・マップに基礎の地理と地図の
読み方を入れなければ駄目みたいです」と嘆息する。
かなり暗算が苦手だ。暗算の能力も遺伝するのか、小学生の娘の算数の成績
が上がりにくいのを見ていて、再認識させられる。留学中は安くて薄く、飾り
気のない電卓を常にジャケットの腕ポケットに携行していた。1ドル140円の
時代。約100円には近似できない微妙なレート。概算で済ませられないことも
あった。さらに、立方インチの体積はよく分からず、1ガロンで何マイル走る
車の燃費が良いのかもよく分からない。熱が出ても、自分の体温も華氏ではよ
く分からない。
ワープロ・ソフトが普及して読めても書けない漢字が増えた。筆順も分から
なくなるので、字のバランスがおかしくなってくる。高校の書写のクラス以来
の隷書好き。時々サインペンで隷書風の字を紙に書いて漢字の練習をしなくて
は記憶が怪しくなる。この前は「暗澹」が書けなくなっていた。子供が通う習
字の教室はそれなりに盛況と聞く。算盤塾もまだまだ存在する。子供達の親は
何を子供に与えようとしているのか。地図がスマホで簡単に見られ、通り沿い
の風景まで居ながらにして確認できることを知っていても、先日娘に札幌市の
地図を買い与え、出掛ける際の案内役を頼むことにした。
「市川さんは、パワポでプレゼンとかあまりしないんですか」と先日尋ねられ
た。
殆どする場面がない。結果、パワポのプレゼンがいつまで経っても上手くな
らない。勉強会では、話題がどう振れるか分からない。進行がどうとでもなる
のが勉強会の良さの一つと思う。常に相手が理解できるように、自分の考えを
口頭で説明できれば事足りる。必要ならホワイトボードなどに、図や流れを書
きながら説明すれば良い。落語、一人芝居。伝えるべき世界観を身一つで表現
する芸能は幾らでもある。
釣りも園芸も趣味ではないので全くできない。生卵を割ることが最も高度な
調理技術で、コンビニが近くにないと生活に支障が生じる私は、自然の中のサ
バイバルが必要になったら、即座に命を落とすことになるだろう。ナビ画面を
見ながら、オタオタする新卒社員を笑える私ではないことを分かっている。し
かし、稼ぐに最低限必要な技術は思考や判断さえ不要なほどに練成されていな
ければならないものと思っている。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【ＭＳＩグループからのＰＲ】
珍しく講演仕事を頂戴しました。
それもふとしたご縁から、ロータリークラブ様の例会での講演です。
一時間のコンパクトな構成で、
「中小零細企業が普通にできる大きな社会貢献」をテーマにして、
人を介した中小零細企業と社会の関わりについてお話しします。
窓口になって下さっている方との雑談の中で、
先方の社会貢献のコンセプトを伺っているうちに、
何となく話題になったことを、
そのまま他のメンバーの方にシェアしようと言うお話になりました。
雑談の内容を、後刻思い出してまとめるのが大変でした。
面白おかしく聞いているうちに、
「お?、なるほど」と仰っていただける話にしたいと思います。
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【ＭＳＩグループの仕入完了報告（抜粋）】
■『風俗行ったら人生変わったｗｗｗ』 ＠遼太郎 著
■『The 29% Solution』
アイヴァン・マイズナー、ミシェル・ドノヴァン 共著
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発行：「企業から人へのコミュニケーションを考える」
合資会社ＭＳＩグループ（代表 市川正人）
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次号予告：
第335話 『兵（つわもの）の夢』 （1月10日発行）
新年最初の号は一年の計に少々役立ちそうなネタに偶然なったように思いま
す。大好きな増田悦佐氏の書籍から、凡庸な経営の取り得について考えてみま
した。
（完）