299 トレーサビリティ =お友達未満=

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経営コラム SOLID AS FAITH 第299号
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 ご愛読ありがとうございます。第299話をお届けします。

 とうとう、300話発行記念特別号の直前号となりました。読者の方々のご支
持・ご支援を多々戴き続けてきたのは勿論のことですが、それでも尚、ぐうた
らな私がよくここまで書き続けられたものと感慨に耽っております。

 そして、300話発行記念特別号の前哨戦三回シリーズの『お友達未満』は、
今回最終話『トレーサビリティ』をお届けします。ソーシャル系マーケティン
グにおける情報発信は、当然ながら、発信元が個人であれ会社組織であれ、そ
の行動規範を表現する結果につながります。単純な「炎上ネタ」を発信するよ
うなことがなくても、自分の発信した情報の解釈軸の豊富さには、かなり敏感
になる必要があるものと思っています。
 
 或るコンサルタントの発信内容が“解釈”された事例をネタに『トレーサビ
リティ』は構成してみました。お楽しみ戴けたら幸いです。本文に対するご意
見・ご感想をお待ちしております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期
は5営業日!!
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その299:トレーサビリティ =お友達未満(3)=
 
 勉強会の企画運営を多数請け負っていた頃、クライアント企業の社員の終業
時間近くから仕事が始まることが多かった。午後三時過ぎから九時過ぎまで一
社で数本の勉強会やプロジェクトを完全入替制の映画館のように担当していた
こともある。夜自室に戻ってからメール打ちや書類作成をする。夜型の私は午
前三時ぐらいまで仕事をしても苦にならない。ただ、幼少時に法定伝染病を二
つもやって、基本的に病弱なので7、8時間は寝る。
 
 或る日昼近くにマンションを出て映画を見に出掛けた。映画館を出て、午後
の仕事には早いかと時計を見ているとPHSが鳴る。可能なら早めに来てくれ
と、クライアントの社長からの要請だった。今どこにいると尋ねられたので、
「有楽町の映画館から今出て来た」と答えると、なんだそりゃと社長が唖然と
しているのが、電波越しにも分かった。

「その瞬間々々に見聞きしたことを短い言葉で皆と共有できるから、ツイッタ
ーは素晴らしく、即時性に劣ってもフェイスブックでも自分の経験を記録して
おくことで、いながらにして多くの人々に自己紹介ができる」。
 私にツイッターやフェイスブックを始めるように説く人は時たま現れ、判で
押したように同じ理由を述べる。自分の日々の行動や見聞きした事象を、“皆”
だの“多くの人々”だのに伝える動機が先ず湧かない。特にクライアント関係
者には伝える必要がない。ディズニーランドの研修風景を一般客が見て、余計
に来園したくなるだろうか。それ以前に、それらのソフトがPCから個人情報
をどんどん読み取るのも納得できない。

「病気日記ならつけるネタに困ることはないかも」。
 備忘録として日記代わりに書くと良いと知人が強調するので、若い頃から殆
ど毎日体調不良の私が、毎日の記録として敢えて必要性の高いものを考えた。
アレルギーの減感作療法中の数年も、毎日のくしゃみや鼻汁の様子を記録して
医師に報告していた。「いいね」を不用意に押せない構造は、かなり差別化が
効いている感じがする。

 或る日、以前の職場の先輩と落ち合うと、「時間がちょっと早いが飯を食い
に行こう」と彼は言った。ここだ、と彼がずかずかと入った店はそれほど高く
ないモール内の寿司屋。辺りを見回わしたり、メニューをしげしげと見詰める
彼の挙動から、初めての店と分かる。店は凡庸に見える。私が訝っていると、
元先輩は小声で私に説明を始めた。
「うちと今度契約する話のあるコンサルタントがいるんだが、ツイッターやら
フェイスブックやらでここの店が良いと言っているんだ。どう思う、市川。三
流だろ。これが何度も推奨する店か。ストリート・ビューで見たが事務所兼用
の自宅も随分貧乏臭かった。駄目だな。契約はやめる。頼んだものだけさっさ
と食ってくれ」。

 店を出て先輩に「この店を褒めちぎる理由を調べたくなりますね」と試しに
言ってみた。
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☆当コラムはプリントアウトしてお読みいただくと、より一層楽しめます。☆
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【MSIグループからのPR】

とうとう次回から開始!
経営コラム SOLID AS FAITH 300話発行記念特別号!

5回のシリーズでお届けするテーマは、
弊社の好評ブログ『脱兎見!東京キネマ』と零細事業の情報発信…。
題して『脱兎の心中』。

5回のシリーズで、『脱兎見!東京キネマ』について寄せられる
典型的なご質問5種類に対して、
なんと、本文文章そのもので、5回に分けて懇切解説!

第一回『軽薄長大』では、
「『脱兎見!東京キネマ』は、ブログなのになぜこんなに長いのか」

第二回『通信プロトコル』では、
「『脱兎見!東京キネマ』はテーマとして、なぜ映画だけを選んだのか」

第三回『出島感覚』では、
「『脱兎見!東京キネマ』は、なぜ映画館で見た映画だけが対象なのか」

第四回『採石攻石』では、
「『脱兎見!東京キネマ』の映画のジャンルは、なぜ幅広いのか」

第五回『詰替え容器』では、
「『脱兎見!東京キネマ』」は、なぜ映画の話から脈絡無く脱線するのか」

のようなご質問にお答えします。
どれも、零細事業の情報発信のあり方として、
それなりの深謀遠慮の結果の選択とご理解戴けるものと思います。

質問の回答をいつものソリアズの文章構成に内包した
過去に例のないシリーズです。
さらにご愛読者五人様のインタビュー記事もセットでお届け。
ご期待下さい。

当然ですが、今回のシリーズ5話は、
弊社好評ブログ『脱兎見!東京キネマ』をご精読戴くと、
面白さが五倍増請け合いです。
是非、ご自身の好きな映画の評をお読みなってみて下さい。
http://tales.msi-group.org/?cat=4

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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
 合資会社MSIグループ(代表 市川正人)
下のアドレスにご意見・ご感想を頂ければ幸いです。
 bizcom@msi-group.org
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インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して
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毎月10日・25日発行 盆暮れ年始、一切休まず足掛け13年。

マガジンID:0000019921 (ナント、たった5ケタ)
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次号予告:
 第300話 『軽薄長大』 =脱兎の心中(1)= (7月25日発行) 
 弊社ご好評ブログ『脱兎見!東京キネマ』をネタに零細事業の情報発信のあ
り方を考えてみる5回シリーズの第一回目。「『脱兎見!東京キネマ』は、ブ
ログなのになぜこんなに長いのか」について、その狙いを説明します。

(完)