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経営コラム SOLID AS FAITH 第284号
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ご愛読ありがとうございます。第284話をお届けします。
めっきり冷え込んできたと思っていたら、当コラムの発行も年内は今号を含
めて残すところ三回となってしまいました。街はクリスマスの風景になってい
ます。師走はもうすぐです。創業以来11年目を越えて、皆様からお仕事を戴き
つつ年を越えられることを嬉しく思うと同時に、お世話になっている方々に心
より御礼申し上げます。
よく「ウチの業界は特殊だから…」と言う者は、経営に向いていないと聞き
ます。業界の特殊事情はどの業界にも多少ありますが、業種を問わずお仕事を
戴いている弊社から見ると、多くの業界に共通の事柄は、非常に多く見つかり
ます。経営の基本的考え方は、業界や業態に拠らず広い汎用性を持っています。
そのことについて考えてみた内容です。
文中に登場する弊社の新たなクライアントであるアダルト・グッズ・メーカ
ーは、後日、文中にある雑誌『サイゾー』にも取り上げられる立場になりまし
た。弊社代表は、特段アダルト・グッズに詳しい訳でも、特段日用品市場に詳
しい訳でもありませんが、それでも各種業界のお仕事を頂戴し、何なりかのお
役に立つことができています。雑誌『サイゾー』のページを捲りながら、毎月
そのようなことに思い至っています。本文に対するご意見・ご感想をお待ちし
ております。頂戴したご感想などへのお返事の目標納期は5営業日!!
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その284:汎用と流用
PC机の脇の書棚に積み重ねた月刊誌『サイゾー』をざっと数えると、30冊
以上あった。各種業界タブーを暴く特集テーマのサイクルがかなり短いことに
は辟易しつつも、硬軟ぐちゃ混ぜの記事内容には飽きが来ない。他の雑誌には
載りそうにない記事が当り前のように見つかる。有名AVメーカーの女性社長
が製品ジャンル別に販売戦略を具体的に語っている記事も記憶に残っているし、
新感覚の大人のおもちゃの専門販売店を展開する企業の代表者が、今まで業界
で省みられなかった、顧客志向とマーチャンダイジングについて強調している
記事も刺激的だった。
一年程前、以前のクライアント企業の幹部に暫くぶりに連絡を取ってみると、
買収の完了した子会社に転籍し、経営改善に取り組み始めたばかりだと言う。
その会社は大人のおもちゃのメーカー。『サイゾー』で読んだ記事を思い起こ
しながら、お客様向けフリーダイアル番号どころか、メーカー名さえ書いてい
ない商品の販売も当たり前のこの業界の持つ可能性を語り合った。聞けば、製
造業としての基本が経営の各面で詰められていず、未開拓の潜在的市場の存在
と相俟って、業績は飛躍的に伸びる余地があることが分かる。
「市川さんなら、この商売の面白さに気付いてもらえると思っていましたよ」
と彼は言い、その半年後にはクライアント企業となって下さった。新規業界を
手掛けることになった時の定番研究対象の業界紙誌が見当らないので、今では
売場を時々見て廻り、棚割りや販促物のデザインなどを学んでいる。
日用品メーカーの営業担当者が業界の展示会出展の準備をしている会での仕
事で、ブース前を通り過ぎる人々に渡すチラシの準備に話が及んだ。画像の配
置、キャッチコピーのあり方、色使いなど、チラシの具体的なパラメータ調整
に私が話を持っていった。すると、業界関係者に渡すチラシなので、商品の特
長が読みやすく書いてあったら十分だろうと、営業課長が私の話を遮る。私が
業界展示会の様子を分かっていないから、そのように話を広げるのだろうと言
うのが彼の認識だった。
「では、どのような展示会で、どのような来場者が居て、どのようなチラシは
会場のゴミ箱に捨てずに持って帰ろうと思うのか説明して戴けますか」。私が
言い終わらないうちに、今度は専務が遮る。
「いえ。市川さんの意見を伺いましょう。今まで通りのことを漫然とやってい
て今の結果なのですから、あらゆる可能性を追求しなくちゃ駄目です。まして、
それが市川さんから見て経営の常道であるなら尚更です」。
私は「面白くなってきましたね」と呟いてから、説明を続けた。
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モトを取ることが困難と思われがちなイベント出展。
漫然と出展を決め、両隣と見分けのつかないようなブースを出し、
奥のパイプ椅子に座って人の流れを見ていても、
成果が出る訳がありません。
想定した技術が陳腐化してしまい、実効性が薄れましたが、
イベント来場者管理システムのビジネスモデル特許を取得した際に、
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発行:「企業から人へのコミュニケーションを考える」
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次号予告:
第285話 『小人の集団』 (12月10日発行)
儒教の教えの「小人閑居して不善を為す」を会社組織で検証してみました。
本来は「暇にしていると…」ではなく「他の目がない独りの状態であると…」
との意味との解説もありますが、慣用的な意味に従って話を練りました。
(完)